CEATEC2014 / 展示会

CEATEC会場でこんなにガチでやり合っていいのか? CEATEC2014レポート その2

展示ばかりがCEATECじゃない。セミナーやイベント内イベントもお楽しみのひとつ。
……というわけで、デバプラ的・CEATEC2014 セミナー&イベントレポート。

 

全日本ロボット相撲大会が想像以上にガチだった

CEATEC2014の会場では、全日本ロボット相撲大会・関東大会が行われた。恥ずかしながら、記者はロボット相撲を間近で真剣に見るのは初めての経験だった。

10/11(土)、幕張メッセに集まった一般・高校生出場者の熱気に押されながら観戦してみると……、これは想像以上にガチ。激しい。速い。怖い。かっこいい。強い。

ご存じ無い方は、まずは過去の大会の動画をざっとご覧いただきたい。

 

 

 

ロボット相撲についておさらい

全日本ロボット相撲大会は、22年前に日本で生まれたイベント。現在では世界各国で同様の大会が開催されるほどだという。

 

PA111349

 

基本的なルールは、以下の通り。

土俵の外に相手を押し出せば勝ち。
土俵の直径は1540mm。鉄板でできており、通常ロボットは磁力でグリップを高めるようにできている。いったん土俵に置くと、男性でもはがすのに苦労するほどだ。
ロボットは、大きく分けて2種類。プロボで動かすラジコン型と、あらかじめプログラムを与えておく自立型。これは別々のリーグになり、両者が対戦することは無い。
サイズは幅も奥行きも20cm以内。これは試合開始時にそのサイズに収まっていれば良いので、対戦が開始すると同時に、畳んでいたアームを開くギミックを備えたロボットも多い。体重(力士なので)は3000g以内。身長は自由だ。

 

PA111270

 

さらに詳しい情報は、主催社である富士ソフトのサイトをご覧いただきたい。

http://www.fsi.co.jp/sumo/

 

戦いのポイントは?

シンプルなルールのロボット相撲だが、その戦略・戦術はなかなか奥が深い。

基本的には、相手の下に潜り込んで、浮かせて土俵にかかる荷重を減らし、そのまま寄り切るのが「勝ち方」だ。ただ押すだけでは、相手のグリップ力には勝てない。そのために、すべてのロボットには、土俵すれすれに伸びるブレードを備えている。これで相手の下に潜り込もうというのだ。

 

PA111263

 

立会いでは、正面から互いのブレードがぶつかるだけ。実際に、真正面からガツンと組合い、そのまま水入りとなる試合も多かった。ゆえに、いかに相手の弱点を狙うかが、各チームの工夫のしどころ。弱点はロボットによってまちまちだが、基本的には側面、後ろ、ということになる。

今大会で目立ったのは、先ほど述べたアームを備えたロボット。ここ数年のトレンドだという。これで、相手の弱点になる側面を襲う、という考え方だ。

 

PA111287

 

一方で、アーム式のデメリットもある。機械として複雑になりトラブルが多くなる、重心がばらける、アーム自体が弱点になりうる……等々。

自立型は、当然そのプログラムも勝敗を分ける要素になる。

激しく前進後進を繰り返し相手の隙をつく。センサーで相手の位置を把握し、すばやくその横に回り込むようにする。土俵の円周をなぞるように、小刻みに前進後進を繰り返す。常にジグザグに移動する。……そうしたプログラムをどうつくり、使っていくか。当然、相手との相性もある。

 

そして大会の模様

関東大会は、全国大会への出場権を得るための前哨戦だ。本当の頂点を決めるのは、11/23(日)の高校生全国大会、12/14(日)の一般の部(全日本)全国大会。しかし、特に高校生部門は、全国大会の優勝者が関東地区から多く出ており、注目度は高い。

 

出場ロボット数は実に約200台。トーナメント戦なので試合数も約200。そして1試合は2本先取なので、単純計算では少なくとも400以上の取り組みが行われたことになる。残念ながらこれを全て追うことはできないが、多少なりとも、雰囲気をお伝えしたい。

 

11時過ぎ試合スタート、そして4つの土俵で休みなく取り組みが行われた。

PA111324

PA111507

PA111224

PA111319

PA111260

PA111560

PA111295

 

冒頭に書いた通り、取り組みは「ガチ」。

時にはトラブルでロボットが動かず、不戦敗ということもある。これだけ激しく戦えば、「そりゃあマシントラブルもおきるよね」、という感じだ。

また、ロボットから煙が立つ、衝撃でパーツが弾け飛ぶ光景も多く見られた。さらに、はがれた鉄片が飛ぶことさえもあった(パーツが取れたのではなく、金属が破断しているということ)。その激しさは、審判が足に付けた野球用のレガースからも伺える。

そして全ての試合が終わったのは15時38分。4時間半の戦いの後、全国大会への決勝を決めたのは、以下のメンバーだ。

 

高校生の部(団体名 ロボットのシコ名)

自立型

優勝       埼玉県立狭山工業高等学校 ファンズ

準優勝    埼玉県立越谷総合技術高等学校 越総ー紅

3位       千葉県立東総工業高等学校 翔龍

4位       千葉県立東総工業高等学校 軌龍

ラジコン型

優勝       神奈川県立神奈川工業高等学校 KTRC一誠

準優勝    埼玉県立春日部工業高等学校 POCHI三

3位       埼玉県立越谷総合技術高等学校 越総鬼ー蒼

4位       埼玉県立春日部工業高等学校 バチロリング

 

全日本の部(一般・オープンクラスの意味)

自立型

優勝       神奈川工科大学 D.VANS

準優勝    富山工業高等学校電子機械工学部 和差商関

3位       四日市中央工業高校ロボット研究部 武神

4位       チーム両国 ゴアヘッド猛

ラジコン型

優勝       チームうどん あぽたん

準優勝    富山工業高等学校電子機械工学部 超海藻

3位       Team-Q 朱雀

4位       四日市中央工業高校ロボット研究部 秋風

5位       株式会社メイテック DKR24

6位       Team-Q 雷華

 

PA111563

PA111569_2

 

現役エンジニアが本音を語った!学生のための技術セミナー

DSC06235

 

一方、ロームのブースでは、学生のための技術セミナーが開催された。参加者の中心は大学生、高専生が中心だ。真剣な眼差しに、将来のエンジニアを目指している熱気が伝わってくる。

セミナーでは、3部構成となっており、スマホの手振れ補正システムとはなにか、次世代のSiCパワーデバイスの研究、電池不要のセンサテクノロジーEnOceanの事業化プロジェクトについて、現場の第一線に立つエンジニアの生の声が聞けた。技術的な説明はもちろん、開発のみならず、キーデバイスをどうやってビジネスにづなげていくことに必要なことは何か。など会場でなければ聞けないプレゼンテーションだった。

DSC06465

 

登壇した3氏とも意外なことに、大学・大学院時代に学んだことが即、現在のスキルのつながるということはなく、入社してから身につけたことが多いという。

久保邦之氏からは、ロジカルシンキングを身につけ、時間を管理し必ずやり切る大切さを語った。「まずは60点を目指し時間内で終わらせることを目標とする。仕事はチームで作業しているので、時間管理の感覚を今のうちにつけておくことが重要です。そして挑戦する心を忘れないで欲しい。はじめからうまくいくことはないし、いくはずがないので、挑戦しつづけなければいけない」。生の声は深くて重い。

DSC06401

当日は、Tokyo Graphic Recoderの清水淳子さんがゲストとして呼ばれ、セミナーの様子をグラフィックレコードで記録している。ロームのFacebookページでその模様が公開されているので、参加できなかった方は要チェックだ!

https://www.facebook.com/RohmSemi

 

DSC06482

セミナーの一部をご紹介しよう。ロームは、デバイスメーカーという側面だけではなく、エナジーハーベスティングを早くから取り組み、指導的な立場にいる。エナジーハーベスティングとは、センサをあちこちに設置して、人が介さないでフィードバックをしていくセンサネットワークの中で、今は電池や配線をして電気を供給しているが、身の回りにあるエネルギー、熱、光、電波塔からでている電磁波などを使って電気に変換する技術だ。過去の2010年のCEATECでは省エネアワードを受賞したが、お客様から引っ張りだこ…と思ったら、物事は簡単にいかない。

面白い技術ではあるね。と言ってくれるが、それだけあってもセンサネットワーク市場を立ち上げていくのは難しいと実感した。そこで、センサ、無線通信を連携したソリューションの提供が必要だと考え、方針転換、ロームも単体の枠にこだわるのではなく、外部のパートナーと一緒にやっていくことになったという。

その答えのひとつが、電池不要のEnOcean。ドイツ発の技術であり、アジアで初のEnOceanプロモーターパートナー。プロモーターとは、規格を主導していく立場にいる。実際ロームがシステムを販売しているわけではなく、クライアントが何に困っているのか現場に足を運び、そのソリューションとして、EnOceanを提案し、その他のパートナー企業と共同して、事業を育てているといった話もあった。デバイスメーカーとしてだけではなく、市場を作っていく、育てていくと熱っぽく語った有村聡一郎氏に、若きエンジニア志望の学生の目はさらにキラキラと輝き、会場を後にしていた。

ローム株式会社 CEATEC特設サイト
http://www.rohm.co.jp/web/japan/ceatec2014

DSC06416

 

 

ロボット相撲、セミナーともに熱い1日であったことは、お分かりの通りだ。

ロボット相撲のある出場者の「スポーツじゃなくても、日本一を目指せるっていうのがいい」という言葉が記憶に残った。先日のABUロボコンもしかり、その他のさまざまなロボット系コンテストも同様だ。セミナーに参加するのもいい。自分の技術を鍛え、作り、発揮し、仲間と協働し、何かを目指すのは、本当にすばらしいと感じた。

デバプラでは、引き続きこうしたイベントやセミナーを応援していきたい。

 

「アレもコレもいじってみたい」展示レポートはこちら!
モノづくりゴコロがはじける CEATEC2014レポート その1

 

CEATEC JAPAN 2014 『NEXT -夢を生みだし、未来を描け』
2014/10/7/(火)〜11(土) 千葉・幕張メッセ
http://www.ceatec.com/ja/

 

 

 

Device Plus 編集部

エレクトロニクスやメカトロニクスを愛するみなさんに、深く愛されるサイトを目指してDevice Plusを運営中。

http://deviceplus.jp

IRKitではじめるIoT