ロボコン / 高専ロボコン2015

高専ロボコン東北地区交流会に編集部が潜入 疾風怒濤の24時間 前半戦!

♪行くぜ東北っ

……ということでやってまいりました杜の都・仙台。を経由して宮城県名取市。何をしに来たかと言えば……、高専ロボコン東北地区交流会!

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2015シーズンから地区大会にもお邪魔してきたデバプラスタッフが、ついに交流会にまで潜入することに成功。Twitterでは「濃い」「一睡もしなかった」「これまでで一番良い交流会だった」「くっっっそ楽しい」と話題のその模様を、参加できなかった人のために再現してみる。

1日目 12/19(土) 13:00 受付、オリエンテーション等

会場は「JA学園宮城」。宮城県名取市にある、JAが運営する研修施設だ。玄関ではホスト校である仙台高専名取キャンパスの学生スタッフが出迎えてくれ、スムーズかつ暖かいムードで無事に会場入り。

メインの会場は、↓こんな感じ。

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満員、満員。2015優勝校の奈良高専や、熊本高専八代、群馬高専、木更津高専、そしてOB・OGの姿も。

「オトナはこれ以降口を出しません」という名取・桜庭 弘先生の挨拶の後、すぐに隣の体育館での記念撮影。冒頭の写真がそれ。

14:00 各校の発表 一関高専からスタート

トップバッターは一関高専。A・Bとも射出に「竿」を使ったその機構や、そのコンセプト、戦略、メカ側、回路側、そして開発の流れなどを、動画やアニメーションが入った美しいPowerPointで説明した。開発の途中で方向性がブレてしまい、中途半端な実装になってしまったのが反省点とのこと。その後質疑応答に移り、各校から鋭い質問が出る。

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14:20 秋田高専発表

秋田高専の制御班は、基板の設計について理路整然とそのコンセプトを伝えていたのが印象的。間に合わせの回路ではなく、可能な限りシンプルに保ち、トラブルを防ぐ知惠を語っていた。

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14:50 八戸高専発表

八戸高専Aチームは、くじけそうになった時にあの松○修造に気合いを入れてもらったとの噂。そしてBチームは「観覧車」がコンセプト。しかしその楽しげなムードとは裏腹に、高速回転が可能で「怖い……」マシンになってしまったようだ。さらに外装の動物イラストを取り付けたときは、「地獄絵図」だったとか。楽しい発表!

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15:10 鶴岡高専発表

鶴岡高専Bチームは、初めてのメンバーが多く、シンプルイズベストなマシンを目指したとか。全体として筋道の通った発表内容で、分かりやすい。

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15:40 ラピスセミコンダクタ&デバプラ編集部

「招待講演」の名誉をいただき、デバプラ&ロームグループも登壇。半導体メーカーのラピスセミコンダクタからは、 2.4GHzではない通信方式の話を。ロボコンの会場では、トラブルの原因が通信の部分にあることも多いように思う。さらに、Arduino互換マイコンボードLazurite開発現場の「リアル」、課題の乗り越え方、テクノロジー業界の「今」など。参考にしていただけると良いのだが……。

そしてデバプラ編集部からは、今後もロボコンを応援し続ける決意表明。

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16:45 熊本高専八代発表

こちらもゲスト。全国大会でもその完成度で注目された八代は、動画入りのスライドでその技術を見せつけていた。射出機構、そしてなによりkinectによるポール認識は、相当な完成度だった。

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16:55 奈良高専発表

そしてそして、1日目の発表のトリを飾るのは、2015年優勝校の奈良。その発表内容は、マシン同様会場の度肝を抜くものだった。登壇前に準備運動をする、発表者の外山 仁大さん。そして発表はあえてマイク無しでの演説調。突然の引退宣言(!)やユーモアも含めながら、その最強を確信するに至るコンセプト、経緯をやりたい放題語っていた。その勝利への執着は、各校とも参考になったに違いない。

同じ一撃Vゴール型で、ライバルとも言える機体を作成した一関高専からは、その発想や設計、開発にかけた時間のマネジメントに関する質問が寄せられていた。アツい。

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全体として、各校ともにビシっと発表&質問を行っていた。発表の内容はもちろんなのだが、記者が気になったのは質疑応答。技術的なものはもちろんだが、チームの人員や時間のマネジメントに関する質問が多くあった印象で、確かにその部分はなかなか調べようのない部分。技術は検索したり先達に話を聞いたりすることはできるが、チームのマネジメントについては個別の課題が多すぎて、参考にできる情報が少ないのではないか。しかしこうした交流会の場では、他校の事例などを聞くことができ、これは生きた情報として、ここでしか手に入れられないもののように思う。

17:30 夕食……というかパーティタイム

ここで早めの夕食へ。夕食というよりは、立食パーティか(もちろんコーラ)。その模様は……、ワイワイガヤガヤとしか言いようが無い! 写真で雰囲気をどうぞ。

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19:00 OB&OG発表

参加者は再びメインの会場へ集合。主催者、と言っても良い宮城高専OBの東 和幸さんは、東北地区交流会の歴史などを紹介。そして13名のOB・OG+デバプラ、計14のブースに別れて、個別に発表&質疑応答をするDOPEな時間へ。ここからは順不同に紹介する。

北九州OBかつ大学ロボコン2014の覇者、そしてABU準優勝の久野 顕司さんは、「大学ロボコンへのいざない」という発表。名工大のミニチュアマシンを持ち込んで、大学ロボコンの良いところ、ABUロボコンの場が「めちゃくちゃ楽しい」こと、大学で具体的にどうするか、などを語っていた。「スライドの準備が*&$#(*&^@#T」と言いながらも、その話を聞いた現役生の闘志に火を付けていた模様。

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2013年にABUを制覇した金沢工業大学のOB、富山本郷OBである河原 貴軌さんは、その世界を制したロボットの紹介をしながら、アイデアの出し方、強いチームに学ぶ方法、コートの誤差への対応方法などを。極めて論理立った、かつ実際的な内容。

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デバプラ紙上にも参加していただいている日下部 雄樹さんは、岐阜高専のOB。そして現在は東京工業大学に在籍し学生ロボコンも経験した。「結果を出せる(残し続ける)チームになるために必要だと感じたこと」ということで、自らの経験(悔しいことも含め)を通して感じたこと、考えたことを、率直に語っていた。リーダーに求められること、モチベーション、技術資料の残し方等々、力強い生の声は現役生の参考になったに違いない。

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現在、金沢工業大学に在籍している永谷 智貴さんは、2015学生ロボコン・ロボミントンを経験。史上最小・最速の対象オブジェクトであるシャトルに、プログラム班がどうやって立ち向かったか、体制やスキルアップへの取り組みについて発表した。

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ローム・デバプラブースでは、ラピスセミコンダクタのエンジニア・斎藤 直孝が、LazriteやCEATEC AWARDを受賞した折り鶴型飛行体「ORIZURU」を紹介。写真のように、熱心に聞いていただいたようで……、よかった!

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「つくばチャレンジ」について紹介したのは、八戸OBの佐々木 孔明さん。つくばチャレンジは、自立移動ロボットの実験走行会。新たな課題が目の前にあると、どうしても考えて&アツくなってしまうのがロボコニストのサガ、ということだろう。

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群馬OBの新井 智博さんは、「異文化ロボコンの紹介」。かわさきロボット競技大会、そしてあのFRC・FIRST Robotics Competition にメンターとして参加しているとのことで、これはレアな体験。かわロボへの誘いと共に、FRCに必要な、ぶつかりあっても壊れない機体などについて発表を行っていた。

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鶴岡OBの鈴木 亮さんがもちこんだのは、自作の多脚機。カメラとVRヘッドセットを付けて、バーチャル乗車ができるように改良しているとのこと。いずれはもっと大きいものを作って、実際に乗車するのが夢だとか。コンテストも良いが、こうした取り組みも、ロボコニストの楽しい時間の使い方、と感じた。

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内村 友海さんは、都城高専のOG。2012年、都城がキリンロボットで全国出場した際の活動記録を振り返っていた。メンバーの息抜き&リラックスの方法など、具体的ノウハウが見られた。

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熊本・八代のOB、磯道 晃智さんは「技術継承・教育への取り組み──15年ぶりの全国出場から」というハードなテーマ。八代は2010年に15年ぶりの全国出場を果たした。その時の現役生の「黄金時代」が持っていた知恵と技術をいかに継承していくか、リアルな試行錯誤を紹介。「新入生に基礎的な加工を繰り返させるのではなく、実際に動くモノを作って、加工精度が低かったら実際のモノがどうなるかを体験してもらう」といった金言が詰まっていた。

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松江OBの発表は、その伝統技術といってもいい「ジャンプ」について。石倉 万希斗さんが、ただジャンプするだけでなく、いかに前に進むか、そのためのエアシリンダの性能の引き出し方、蹴り出し時に必要なグリップ、摩擦の生み出し方など、極めて具体的なノウハウを惜しげも無く公開していた。

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仙台・広瀬OBの高城 翔太さんは異色の、しかし今すぐにに役に立つであろう発表。「仕事管理術を使って設計製作を楽にする話」。”GTD” と呼ばれる、エンジニア界隈で有名かつ人気の、タスク・ToDoの管理術の具体例を発表していた。さらにはslack という、IT系エンジニアが今最も注目するコラボレーションツールの話題まで出て、一応その世界の住民である記者は、意識の高さに驚いた。

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現在電子機器メーカーで通信デバイスを扱う山本 開さんは、一関OB。電波や通信に関して、プロならではの視点をまじえながら、電波のそもそもの知識から、xBeeなどの実際に多く使われている通信関連モジュールについて、解説を行っていた。

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2015年東北地区大会の主審を務めた桧森 江靖さん。秋田高専OBとして、現役生とどうやって関わるか、その哲学を発表。「ルール発表の直後には、現役生とは会わない」等々、現役生から見れば、OBはラクをしているように見えるかもしれないが……、実はこんなにいろんなことを考えている、ということがわかる発表だった。

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20:50 1日目のプログラム終了!

……というわけで……、長かったような、あっという間だったような、とにかく濃密な一日。この後参加者は入浴を済ませ、自由時間へ。誰もが、消灯時間を告げるJAの職員の方のアナウンスにもめげず(しかし迷惑にならないよう)、熱く語り合ったとか。このパートも、交流会の重要な一部だろう。

 

2日目:あの「射抜け!わぶさめくん」、そして奈良「大和」のデモが! 後半戦に続く!

写真集も作りました!

写真:内田 龍

出場ロボット解剖計画
Device Plus 編集部

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