世界に羽ばたく日本女子! FRCへの初出場を目指す女子高生エンジニアチーム

FRC、と聞いてピンと来る方は、間違いなくロボコン上級者でしょう!

公式名称は、”FIRST Robotics Competition”。民間非営利団体(NPO)FIRSTが主催する、高校生のための世界規模のロボット競技会です。

デバプラでは前回、FRCハワイ大会に初参加したTokyo Technical Samuraiのメンバーに、大会レポートを寄稿してもらいました。(ぼくらのFRC大会記

今回日本から、なんと女子メインのチーム「FRC Team SAKURA Tempesta」が世界大会出場権獲得を目指して活動していると聞いて、チーム設立者の中嶋花音さんにインタビューを敢行! メンバーの半数が女性というこのチーム、その思いや活動内容を、彼女らの言葉でお届けします!

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━━FRC Team SAKURA Tempestaとは、何をしようとしているチームですか? 目的や目標なども合わせて教えて下さい

女性からすると、工学やエンジニアリングと言われてもなかなかイメージがつかず、興味を持つ機会もとても少ないと思います。でも、約半分が女子メンバーの私たちのチーム「FRC Team SAKURA Tempesta」がFRCを通じて活躍する姿を届け、STEM分野で活躍する女性達のロールモデルになりたいと思い、チームを設立しました。また、FRCという国際ロボコンへの参加を達成することで、夢や目標に向かって努力をすれば叶う!ということを体現し、多くの人を元気づけられるような存在になること、そして、自分達が先陣を切ることで地域社会の生徒達、児童達のSTEM分野への関心を向上させたいと考えています。
まだ1年目のチームなので、直近では各大会で一枠ずつ設けられているFRC世界大会出場権獲得を目指しています。

━━FRCはどのような大会ですか?

若者たちの科学とテクノロジーへの興味を促し、閃きをもたらすためアメリカ、マンチェスターに設立されたNPO法人青少年科学技術振興会(For Inspiration and Recognition of Science and Technology)、略してFIRST。FRCはそのFIRSTが提供しているプログラムのうちの一つで、日本の中学三年生から高校三年生までを対象としています。毎年1月の初めに行われるシーズンのキックオフから約6週間という期限内にその年ごとのイベントのテーマに沿ったロボットを製作し、大会で他のチームと共に切磋琢磨していくものです。このプログラムはロボットだけでなく、STEM(理数学)分野で教育とキャリアにおいて若者たちを奮起させるきっかけにもなっています。

━━どのような競技をするのですか?

競技のテーマは、フリスビーを投げる年もあれば、ギアを運んだり、ボールを投げたり、ゴミ箱を積んだりなどさまざまで、2018年1月初旬に発表されるまでわかりません。大会のテーマが決まってから、6週間という短い期間でロボット本体の製作を完了させる必要があります。私たちはインターナショナルチームなので、他のチームよりロボットの部品が届くのが一週間ほど遅れるため、さらに短期間での本体製作、高度なゲーム分析が求められます。

━━他のコンテストもあると思います。身近なものも。なぜFRCを選択されたのですか?

一般的なロボコンはロボットのみが評価対象であるのに対し、FRCではまず生徒達が資金集めをするところから始まり、ロボットだけでなく、チームがSTEMやRoboticsの楽しさを伝えるために、そして人種、国境を越えて様々な人々へその分野への興味関心を強くもってもらうために行っている活動までもが対象となります。日本でも近年女性のSTEM分野での活躍が推奨されていますが、STEM分野、特にRoboticsに関してはどのようなことをするのか私達中高生、特に女子に対してまだまだ知られていないと思います。

SAKURA Tempestaを設立したキャプテンの中嶋がアメリカで実際にFRCに出会い、Roboticsを体験することで具体的にRoboticsが何なのか、そしてRoboticsは見かけによらず楽しいのだということを知ることができたという経験から、これをもっと日本の多くの年齢層の方々に知ってもらいたいという思いを持つようになりました。

━━具体的には、どのような活動をしていますか?

私達はメンターであるCoderDojo千葉・船橋、千葉工業大学fuRoにてロボットのプログラミングの講習会を行っています。基礎のScratchを使うところから始まり、今現在はCAD、ArduinoやJavaでのプログラミングの練習に励んでいて、机から落ちないロボットを一人一台制作中です。講習会の他には、スポンサーとなってくださる企業を訪問したり、日本にもう一つあるFRCチームや、FRC経験者と一緒にミーティングを開くなど、これからより多くの人達にFRCを知ってもらうための活動をしています!

FRC Team SAKURA Tempesta

━━メンバーはどのような人たちですか?メンバー紹介、役割など教えて下さい

基本的にはロボット制作には全てのメンバーが関わりますが、それ以外の役割はメンバーで分担しています。メンバーからの一言と共にどうぞ。

■高校二年生
中嶋 花音:チーム設立者、主に運営やメンバーへの仕事分担
チームキャプテンの高校2年の中嶋です!英語、洋画鑑賞、読者が趣味です!生粋のPotterheadです! 主にチームの運営、広報を担当しています!努力すれば夢はかなうをモットーに、めげずに頑張ります!

まゆゆ:広報、運営
高校2年のまゆゆです。ロボット関係の体験講座を一緒に受けた友達に誘われ、ロボットに対する理解を深め、また社会で必要なスキルを身につけるために参加しました。主に運営を担当し、製作の方にも関わって行こうと思っています。ロボティクス初心者ながらに精一杯楽しんで、チームの力になれたらと思います

あやちん:広報、運営
高校2年のあやちんです。ロボットを通じて世界と繋がり、さらにSTEM分野を目指す女性のロールモデルになれればと思い参加しました。諦めない心を持って頑張ります!

くつにゃん:Webサイトの管理
高校2年のくつにゃんです。広いロボットの世界に挑戦するためチームに参加しました。主にチームWebサイト管理とプログラムを担当します。精一杯頑張ります!

O.M:チームのスケジュール管理
O.Mです。ハード、ソフト両面の勉強と実践をしたくてチームに参加しました。全力で挑みます!よろしくお願いします

トシキ:チームのスケジュール管理
高校2年生のトシキです。
この大会にはロボットの世界をよく知るため、広い舞台に出たいと思い参加しています。
自分は主にロボットのプログラミングを担当しています。よろしくお願いします。

■高校一年生
かおるん:運営、メンバーへの仕事分担
高校1年女子のかおるんです。小さい頃からLEGOやロボットが好きなのが転じてメンバーになりました。運営をやりながら、スポンジのように技術を吸収すべく勉強中です。

そね:Webサイトの管理
高校1年のそねです。設計もプログラミングも初心者ですが、精一杯頑張りチームに貢献できればと思います。

━━先生やメンターはいますか?

私達にはCoderDojo千葉・船橋、そして千葉工業大学のfuRoがメンターとしてついてくださっています。一部を紹介させて頂きます。

川原 翔吾さん
CoderDojo千葉 Champion。プログラミング、その他コミュニティ運用支援。

河本 敏志さん
約10年間、FRCの下の学年のカテゴリー「FLL」にメンターとして関わってきた。その間、世界大会(2012年)でチーム「Falcons」を一位に、アジア・オセアニア大会(2016年)でチーム「侍7」を一位に導いた。

増澤 智将(Tomomasa Masuzawa)さん
CoderDojo船橋@凛童舎Champion。某音楽配信会社にてスマホアプリを開発、もともとは組み込みエンジニア。おもにプログラミング関連の支援。

富山 健さん
千葉工業大学未来ロボット技術研究センター。チームのメンター。海外で教えた経験を活かして、英語面でフォローや技術面でのサポートを行う。

━━英語はどうしていますか?

英語は、メンターの方々から教えていただいたり、幸運にも英語に長けているメンバーがある程度いるのでお互い教えあったりしています。

━━資金調達もするとか。どのようにしているのですか?

今はもう終わってしまったのですが、CAMPFIREにてクラウドファンディングを行っていました。他にもさまざまな企業にスポンサーのお願いをさせていただいており、現在70万円を超える金額のご支援をいただいています。

━━どのように世界を目指すというように至ったのでしょうか?

初めは私達にとってあまりにも高すぎるハードルなのではないかという考えもありましたが、挑戦するなら、世界という壁を感じずに挑戦したいという思いから目指すことにしました!

━━ロボ作りが楽しいのはよくわかります。でも、マネジメント感覚やビジネス感覚が必要ですよね。まったく違う種類の活動です。担当者とかいるのでしょうか?

運用面もメンバーが主体となって活動しています。メンターの方の中にNPO法人を立ち上げたりする活動を行っている方々もいるので、その方々にサポートもしていただいています。口座管理など、大人の方々に任せた方が安心な部分はメンターの方々に管理していただいています。

━━これからの活動プランを教えてください

2018年1月6日のFRCのキックオフに向けて、前年度のゲームマニュアルの翻訳、実際に使われたロボットに触れての講習会、Javaでのプログラミングの練習など、万全の態勢がとれるように準備していきます! また、それぞれの家庭の事情でハワイでの大会へ参加することができないメンバーをなくすために、スポンサーとなってくださる企業様、または個人の方々を引き続き募集しています。

FRC Team SAKURA Tempesta

━━応援するにはどうしたらいいですか?

企業の方、個人の方関係なく私達のWebサイトから随時、支援を募集しています。金額に合わせて大会終了後に活動報告書と共にリターンを送付させていただきます。金銭面だけでなく、その他物資面(チームTシャツ作りなどのチームグッズ作成、ロボットに使うモーター、シリンダーなどの部品の提供など)も受け付けています。ぜひよろしくお願いいたします。

資金・支援について

━━今後の抱負、デバプラ読者に一言お願いします

世界大会出場に向けて一生懸命頑張っていきますので、応援よろしくお願いします! 私達の活動を通して、よりRoboticsやSTEMに興味を持っていただけたら嬉しい限りです!

Twitter: https://twitter.com/frc_chiba
Facebook: https://www.facebook.com/sakura.tempesta/
Webサイト: https://sakura-tempesta.org/
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高専ロボコン2019出場ロボット解剖計画