ロボコン

ABUロボコン2015インドネシアまとめと、2016大会の内容

2015年のABUロボコンは、8/23(日)インドネシア・ジョグジャカルタで行われ、ベトナム・フンイエン技術師範大学が優勝した。この大会の模様を、各記事へのリンクと共に振り返る。

早稲田大学は? 中国は? 自動機 or 手動機の決着は?

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事前情報で最も評価が高かった中国・電子科技大学だが、結果はまさかの予選敗退となった。カメラの不具合や会場の照明、壁の色などのネガティブ要素が重なったようだ。

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優勝校であるフンイエンは、13枚&10枚という多ラケットを、輪ゴムを束ねたバンドでスイングするという、そこだけを切り取れば「どんくさい」仕様だった。しかし、その戦績は驚くべきもの。ミスらしいミスはほとんど見当たらず、相手に2点すらとらせない盤石の勝利。そのカギは高い位置から放つ高速サーブで、これをレシーブできた対戦相手は皆無。そして相手サーブのレシーブでも、合わせて23枚のラケットが確実に機能していた。

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そして早稲田について言えば、初戦・マレーシア戦での勝利がハイライトだ。前日のテストランではまったく調子が上がらず、「緊張で吐きそうでしたよ。モンゴルに負けてボロボロでしたから」とは早稲田大学・三宅リーダーの言葉。そんな一夜を過ごし、マレーシア戦。マレーシアは若干の自動要素を組み込み、明らかにハイレベルな仕上がりを見せていた。結果は5-3で早稲田の勝利。この上なく嬉しい勝利だったに違いない。早稲田チームは、この勝利で息を吹き返した印象だ。

その後、決勝リーグではベトナムと当たり、敗退。悔しい結果に違いないが、大会後、三宅リーダーは「休まず次に行きます!」と、すでに来年の学生ロボコン、ABUロボコンの舞台に思いを馳せていたようだ。

全体を通してみれば、「勝てる」自動機を作る難しさを改めて浮き彫りにした形と言えるだろう。そこだけを切り取れば、「技術」の敗北のようにも聞こえる。しかし、ベトナムの強さを見て、手動機だったとしても、そのアイデアや発想はまだまだ奥が深く、やれることは多くある、と記者は感じた。そして自動制御の可能性も含めれば、取り組むべきことは限り無い。

 

デバプラ記事まとめ

▼舞台・ジョグジャカルタと前日テストラン
舞台は、ABUロボコン初上陸となったインドネシア。
ピットエリアでは、中国ブースが最もギャラリー(と各国の偵察要員)を集めていた。

ABUロボコン2015 インドネシアから現地レポート 早稲田は? 中国は?
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015pre/
ABUロボコン2015 出場国・チーム情報&テストラン速報
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-testrun/

▼予選リーグ
日本大会とは異なり、予選リーグが設けられた。中国、動けず。

ABUロボコン2015 予選リーグ表
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-rounds/

ABUロボコン2015 予選リーグ 1stラウンド 速報
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-1st-rounds/

ABUロボコン2015 予選リーグ 2ndラウンド 速報
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-2nd-rounds/

ABUロボコン2015 予選リーグ 3rdラウンド 速報
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-3rd-rounds/

▼決勝リーグ
日本はグループ1位で予選通過。しかし、初戦でベトナムと当たる。

ABUロボコン2015 準々決勝 速報
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-quarter-final/

ABUロボコン2015 準決勝 速報
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-semifinal/

ABUロボコン2015 決勝! 速報 香港vsベトナム
https://deviceplus.jp/events/abu-robocon2015-semifinal/

 

そして2016。テーマは「ECO」

毎年恒例となった、大会後の次回大会の内容の発表。場所はタイ。そしてその競技内容は、「ECO」がテーマ。単純に書くとすれば、以下のようになりそうだ。

  • ロボットは2台
  • 1:Eco Robot。自らを動かす動力を持たない、言わば子機。
  • 2:Hybrid Robot。動力を持ち、さらに子機を動かす役目を持つ。ただし、「非接触」である必要があるようだ。”for example, using wind force, magnetic force, etc.” とある。
  • この2台で、モトクロスのコースのようなルートを進み、
  • 最終的には、高くそびえるポールの頂上に、風力発電のプロペラを取り付ける。
  • 決めぜりふ(そういえば2015は特に無かった……)は、「Chai-Yo!」

これは……、一読して難易度が高いことが分かる仕様。詳しくは、下記公式サイトをご覧頂きたい。動画もある。

http://www.aburobocon2016.com/
http://www.aburobocon2016.com/rules/

というわけで、学生ロボコニストとしては、新たな一年が始まった気分だろう。デバイスプラス編集部では、引き続きロボコニスト達をフォローしていくつもりだ。

出場ロボット解剖計画
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