レポート

ぼくらのFRC大会記

3月にPeoplePlusにて公開した「世界の未来を変えるロボットを作りたい! 大舞台で戦うロボコン戦士たち」に続き、FRCハワイ大会に参加したTokyo Technical Samuraiのメンバーに、大会レポートを寄稿してもらいました!
初参加で、Rookie Inspiration Award、Highest Rookie Seedの2つを受賞した彼の活動に大きな拍手を!そして、彼ら高校生たちのロボット作りの挑戦は、まだ始まったばかりだ。


こんにちは。Tokyo Technical Samuraiです。今回は、前回に私たちの紹介記事を掲載した続編として、大会へ参加した結果報告をさせていただきます。

そもそもFRCとは

FRC(First Robotics Competition)は、アメリカのNPO法人、FIRSTの主催する高校生のロボットコンペティションです。毎年テーマを持った競技が行われ、ルール発表から6週間、よーいドンで人の身長ほどもあるロボットの設計・製作・評価などをこなします。今年のテーマは、”RECYCLE RUSH”。アメリカでは街中に置いてあるゴミ箱や、コンテナボックスを使ってリサイクルをイメージにした競技が行われました。

FRC

セッティング中のフィールド

いざ、出陣!

FRCでは、109ある地区大会でその代表となる3チームからなる組(アライアンスと呼びます)を選出し、それら代表を集めてChampionship大会がセントルイスにて行われます。
私たちTokyo Technical Samurai チームナンバー#5749が参加したのは、この地区大会の1つ、ハワイ大会です。
実は、このハワイ大会は少し特殊です。ハワイの地元チームだけではなく、外国のチームが参加する大会として用意されています。地元ハワイチームを筆頭に、オーストラリア、カナダ、中国、台湾、メキシコ、そして今年から日本も大会に参加し、国際色が豊かなものとなりました。

会場は、ハワイ大学マノア校キャンパス内にあるバスケットボールのスタジアムでした。大きなフロアを大きく二つに分けて片方をピット、片方をゲームフィールドとして開催されました。ここは、お土産屋さんにTシャツが並ぶほど有名なハワイのバスケットチーム”WARRIORS”のホームスタジアムらしく、10,300人も収容できると言われています。

FRC

全72試合の予選では、まず運営側で決められた組み合わせで、3チーム対3チームの形で「アライアンス」、直訳すると「同盟」を組んで試合をします。FRCでは科学技術に関するコミュニケーションも重要視しているため、このルールが作られているのでしょう。
その中でロボットにコンテナを積み上げ、ゴミ箱をコンテナに載せるなどのタスクをさせて得点を稼いでいきます。試合ごとに自分の入っていたアライアンスの得点を加算してゆき、試合数で割った平均点で順位を決めます。毎試合の平均点で順位が変動するため、消化した試合が少ない段階では、順位の変動が大きいですが、後半になると大きな順位の変動は、減っていきました。
私たちは、積極的に相手チームと協力することで、全36チーム中、15位で予選を終えることができました。

予選が終わると、決勝リーグが始まる前に予選のスコアを参考にクオーターファイナル(準々決勝)からのアライアンス組みが行われました。順位の高い順に、一緒になりたいチームを指名する権利が与えられる仕組みで、合計で8アライアンスが組まれます。私たちは8つめのアライアンスに指名され、一緒になったチームは#2439と#2090。どちらもハワイの地元チームでした。

ここからの決勝リーグではクオーターファイナル(準々決勝)→セミファイナル(準決勝)→ファイナル(決勝戦)と進むごとにアライアンスは少しずつ脱落し8→4→2と減っていき、ファイナルでは相手との協力点がなくなってしまいます。決勝リーグで、私たちのチームは健闘しましたが、私たちは8位を5位まで押し上げた時点でセミファイナル進出を逃してしまいました。

このようにして二日間の試合はあっと言う間に進んでいき、私たちのロボット「Shogun」はトラブルを乗り越えで無事に全試合を戦いきることができました。

トラブル発生!

私たちのチームはたくさんの人々の力を借りて、大会を乗り越えて行きました。大会1日目には、電子回路で大きなトラブルが発生し、自チームだけでの解決に挑んだものの、ロボットが動かないという困難に陥ってしまいました。そこへ、カナダのベテランチームのメンターのヘルプが入り、私たちが気づかない点に着目し見事問題を解決してくれました。使用していた配電盤で、リード線を深く差し込みすぎると内部でショートを起こすという、まさに経験がものを言うレベルのトラブルでした。

また、予選では段差を乗り越えた「shogun」が前に倒れてしまいました。私たちがそれ以上の試合続行をあきらめようとしたところ、同じアライアンスの#3880の機体がshogunを引き上げてくれました。その試合は、3日間の大会の中でもっとも大きな歓声を集めました。

frc-06

予選最終戦では、なんと大会での最高得点をマークしました。これも、他の2チームが出来ないことをカバーして行うことができたからだと考えています。

大会を通して痛感したコミュニケーション

今回の大会では、試合ごとに変わる機体の調子を見て、またアライアンス相手チームとの意思疎通もするという素早い対応力を求められました。一切人間が介入せず、事前にロボットに書き込んだプログラムによって動く自動制御ゾーンでは、仲間のチームと話し合いながら、どんな動きをするかということを決め、それを頼まれたソフト担当が聞いてその場でプログラムを直す、などの素早い対応が求められました。

試合によっては、自動制御ゾーンでまったくロボットを動かさない、つまり自動制御ゾーンのプログラムを「何もしない」命令を下さなくてはいけませんでした。正直なところ、今まで書いてきたプログラムを全部消してまったく動かない様にすることは悔しかったのですが、それ以上に他のチームと協力できるといううれしさの方が大きかったです。
ハードのメンテナンスに、3分ほどしか時間が取れなかった時や、ギアボックスから異音がする時もありました。ハード面でも限られた時間で、各部ねじの増し締めをしたり、ギアの調整をしたりして、高いパフォーマンスを維持できていたと思います。

また、今回は相手アライアンスとの協力要素があるというゲームの性質上、アライアンス内だけでなく相手のチームとも作戦会議をする必要がありました。言語はもちろん英語で、コミュニケーション能力の大切さも実感しました。
作戦会議では、それぞれのロボットが、どのような動作をするのかを正確に伝えなければいけないのですが、それが難しかったです。今回は通訳の方の力をお借りしましたが、何かをするためには言語を通しての意思の疎通が、必要不可欠であると気づくことができました。

FRC

作戦会議中

2タイトル受賞!

FRC

Rookie Inspiration Award のトロフィーとプレゼントの花飾り

今回の大会では、3つあるRookie TeamへのAward、”Rookie All-Star Award”、”Rookie Inspiration Award”、”Highest Rookie Seed”のうち、私たちは後者二つを受賞することができました!
”Rookie Inspiration Award”は、ロボット製作においてメンターにほとんど頼らなかったこと、私たち生徒が、自らが主体となって企画、広報などを進めたこと、ドワンゴさんにご協力いただいた「ニコニコ生放送」でFRCの国内での普及に貢献したことなどが評価されました。デバプラをはじめ、エンジニアtypeさんや、TOKYO FMさんにも協力していただいたことも大きかったと思います。
”Highest Rookie Seed Award”は、ルーキーチームの中で一番高いスコアを出したことが評価されました。このAwardはRookieでも決勝リーグに参加できかった場合は一番でも取れないそうなので、私たちの実力が認められたということかもしれません。
アライアンスとしてベスト8入りも果たしたうえ、3つあるRookie Teamへの賞のうち2つも日本へと持ち帰れたことを誇りに思います。

FRCを終えて

約半年に渡る長いプロジェクトは、資金集めから始まり、各種広報・ロボット製作、大会参加をへて、ほぼ完了しました。
長く苦しい道のりでしたが、得られた経験は本当に特別なものです。このチャレンジを通じて、新たな観点でロボットや機械について考えることができました。そして、世界で日本人としてどのように振る舞ってゆくべきか、感じられました。
そして、厳密は私たちの活動は終わっていません。日本初のチームの一つとして、私たちは日本国内でのFRCの普及を目指しています!
応援してくださったみなさん、本当にありがとうございました!

FRC

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