明和電機「ナンセンスマシーン展」の最速(?)レポート

2016年6月10日(金)梅雨の合間に見えた晴れの日、大阪はグランフロント。

やってまいりました、明和電機の個展「ナンセンスマシーン展」!
20年ぶりの大阪での開催に「絶対に取材に行きたい!」と編集長へ頼み込んで、取材に行ってまいりました。

フランスでも公演をされており、世界的にも注目されている明和電機。有名なものならば、ウェアラブルトマトの開発が記憶に新しいのでは?

明和電機「ナンセンスマシーン展」の最速(?)レポート

明和電機とは?

明和電機(めいわでんき、Maywa Denki)は、土佐 信道(とさ のぶみち)プロデュースによる、中小電機メーカーに偽装した芸術ユニット。所属事務所は吉本興業。作品制作のほか、音楽活動、舞台パフォーマンス、タレント活動も行っている。

ナンセンスマシーン展とは?

数々のナンセンスマシーンを開発し、国内だけではなく海外でも数々の展覧会やライブを行う明和電機。本展覧会では、魚をモチーフにしたナンセンスな機械の「魚器〔NAKI〕シリーズ」、ユニークな電動楽器の「ツクバシリーズ」、さまざまなタイプの声を出す機械「ボイスメカニクスシリーズ」、花をモチーフにしたポエティックな「EDELWEISSシリーズ」など、22年間に開発された不可思議な機械たちを展示します。

会場中央にあるメインステージでは、ツクバシリーズの楽器の自動演奏が行われ、また週末は明和電機社長による製品デモストレーションや、ライブパフォーマンスも行うことで、展示だけではなく、ダイナミックに機械たちが動く姿をご覧いただけます。また明和電機の制服を着て撮影ができる「コスプレコーナー」もあります。(略)

楽器が中心のマシーンで、中には電気を使わないモノも多々ある様ですが、
デバプラ読者には「アイデアロボットやマシーンで、こんなやり方もありなんだな」と何か感じていただけたらと思います。高専ロボコン勢には、装飾のためになるかもしれません。

カリスマ的存在である社長の土佐信道氏による芸術ユニットのライブ演奏も予定されているとのことで、別の意味でもわくわくしながらグランフロント大阪へ。

入って早々に整然とならんでいるマシーン達。「気持ち悪さ」がどこか童心をくすぐられます。

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それらの中でも気になったマシーンをいくつか紹介します。

パチモクNAKI-PX

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向かって右側のマシーンは土佐社長の一番のお気に入り「パチモクNAKI-PX」
指パッチンで木魚をならす楽器で、背中に装着ができる開閉式ウィングユニット。

木魚をならす機構はこんなかんじ。

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なんとこちらは1993年にすでに完成していたという。

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このマシーン、明和電機がスランプに陥った際に、リフレッシュ旅行で大阪に民泊をしていた時に、ふとおもいついた代物だそうだ。「おじいさんになっても手を震わせながら演奏したい」と社長が言うのだから、相当思い入れのある一品なのであろう。

コイービートNAKI-CX

スイッチを打ち込んだリズムを100ボルト電流で出力する。
「鯉のぼり型手動式リズムマシン」との説明だったが、鯉のぼり型って何だ…?

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コンセントをさすところが4つも!
めちゃくちゃ電気くいそうだなあ…とナンセンスな事を考えてしまいました。

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ウェアラブルトマト「TOMATAN」

少し前に話題になったカゴメさんとのコラボマシーン。

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TOMATANの開発スケッチも展示されていたので拝見。

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走りながらトマトを食べたいというその需要はどこから生まれたのか?スケッチを見れば見る程、謎は深まるばかりだ。

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オタマトーン

明和電機といえばオタマトーンといっても過言ではないこの代表作。楽器には思えないくらいかわいい仕上がり。大中小といろんな大きさ、色があります。

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中身はこのような回路になっていて、スイッチによって高音や低音が出せるようになっています。バッテリーは単三が3本。アンプにも接続可能です。

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初期のプロトタイプは緑。結構不気味。

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こちらがオタマトーンの開発スケッチ。(オバーマ…!?)

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くっきー(野性爆弾)もこの展示会に注目?!

開演前の展示場には土佐社長と談笑する野性爆弾のくっきーさん(旧:くうちゃん)が。

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彼は音楽やアートをお笑いと融合させる天才。(個人的に大ファン)プライベートで何かヒントを見つけにきたのでは?と推測しました。(この後その推測は外れましたがw)

「ほんまどれも気持ち悪いっすね~」と連呼するクッキーさんの傍らで「はははは、基本半分が暗い作品です笑」と大変仲の良さそうなお二人。(お写真OKいただきました。ありがとうございました。)

明和電気ショー

12:00頃になると土佐社長のファンやマシーン好きな一般のお客さんがステージへ集まってきた。そこで登場したのは「ええ声えぇぇぇ~♪」で有名な「おかけんた」さん。

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土佐社長とはよくお仕事を一緒にされるということでMCとして登場。
胸元には「ボイスビブラーター」が。こちらには大きなモーターが入っており、スイッチをオンにするだけで、声帯を物理的に揺らして声をビブラートにしてくれるというマシーン。超人工的な「ええ声ぇぇ~~~~~~♪」が響き渡ると、会場は大笑いに包まれました。

その後、野性爆弾のお二方も参加し(お仕事だった!)土佐社長による楽器マシーンの紹介が続きました。1音だけが鳴らなかったり、いきなり人形の首がぶっ飛んだりと、ところどころにマシーンの欠陥が感じられて超絶面白い!

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みなさんにも動画を1つご紹介。土佐社長の一番のお気に入り「パチモクNAKI-PX」の演奏です。指パッチンのポーズをするとコードの長さが足らず、2度やり直しをされましたが、それもまたボケの様で面白い。従業員さんが直している間のコメントも…流石です。

演奏中にいきなりぶっとんでしまった(演出か?)音楽に合わせてパンチをする人形の首を治す従業員さん。私としてはそのマシーンの中がどうなっているのか見たかったのだが、、、うーん見えず。ソレノイドか何かで黒ひげ危機一髪みたいにブッ飛ばしているのか?

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「土佐社長!デバイスプラスの読者へ一言!」

ショーが終わると野性爆弾のお二人とおかけんたさん、そして土佐社長を囲んだ取材が行われました。TVや新聞記者に負けじと、質問をさせていただきました。

私「理系の学生たちが見ているWEBサイト『DevicePlus』の記者です。ずばり土佐社長に質問です!若いころからいろいろなモノづくりに携わってこられたかと思うのですが、読者の未来のエンジニア達に何か熱いメッセージをいただけますでしょうか?」

土佐社長「若い人へのメッセージですね!もちろんです。私は若いころから23年間こういうことをやり続けていますが、原動力は「『不可解』を考え続けている」という事です。考え続けると意外とそれが他の人の不可解でもあることが多いのです。自分の中の『不可解』を追求し続けてください。」

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私「おお!深くありがたきお言葉。ありがとうございます。」
司会「では次の方…」

…あああああ!!!もっと聞きたいことはあったのに!
すぐに次の記者さんにバトンパスしてしまいました…

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「最後にせめてもの目線をこちらに!」という心の声を押し出して、「目線くださーい!」

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明和電機の皆様、吉本興業の皆様、誠にありがとうござました。

「不可解」を考え、それを極める。
というお言葉をジーンと胸に感じながら、最速レポートを実現するために大急ぎで京都に帰ったのでした…!

以上
ナンセンスマシーン展のレポートでした!

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