いよいよ準決勝、ベスト4。
第一試合
○ 熊本高等専門学校(八代) 40
× 大島商船高等専門学校A 0
熊本vs大島。この戦いは、奇妙な対称性を見せた。熊本はこれまで抜群のハイスコアを叩きだしてきた、もはや誰の目から見ても優勝候補。対する大島は、これまで3戦で、0ポイント。すべて判定勝ちという、奇跡の戦績。
熊本は余裕を見せ、限界より少ない20枚でスタート。心なしか、ロボットの電飾が会場にはえる。大島は、我関せず、といった面持ちでマイペースに進行。角材エリアをジーコジーコとクリアにかかるが、最後の一本でせいろがくずれ、リスタート。結果、40枚を運んだ熊本の勝利。
大島は「会場イチ、もってる」との評価だったが、記者としては、「それも実力のうち」という言葉を贈りたい。
第二試合
○ 旭川工業高等専門学校 20
× 福島工業高等専門学校 0
旭川のシロイルカ「ベルーガ」と福島「おトドけ・うけトリ」の、海棲ほ乳類対決。ちなみにベルーガは、前の2戦、いずれもクジラをモチーフにしたロボットを破っている。
福島は、毎戦、スタッフや周囲の人に「お願いします!」と大きな声で挨拶をして、戦いにのぞむ。
準々決勝のポイントは、旭川17、福島16と、1ポイント差。しかもいずれも、初戦から枚数を増やしてきている。調子は上向きだ。
旭川は10枚でスタート。毎回、安定した速さ。少なめの枚数で2回以上のお届けを狙う戦略だ。「いつものように」ポイントを獲得する。
一方福島は15枚でスタート。安定している、と見えたが、坂エリアでリトライが重なる。2回、3回……そしてタイムアップ。福島はセンサーの不調と戦っていたとのこと。一説では、本番ならではの照明が災いしている、という情報もあった。数少ない女性メンバーを擁した福島は、感謝の言葉を残してフィールドを去った。
旭川は結局2回目を成功させ、20ポイント。11年ぶりだという決勝へ進むことになった。