開会式
2017年12月3日、東京は快晴。比喩ではなく雲ひとつ無い。30回目という節目にふさわしい天候の中、高専ロボコン2017が開幕した。
11:50、開会式が始まった。まずは、すでにおなじみとなったロボコン応援団からのエール、そして出場チームの紹介。フィールドの脇にはピットがあり、すでに出場者やロボットが全て見える状態になっている。アリーナにいる出場者にとっては、プレッシャーを感じる状況かもしれない。
12:03、石川高専・竹森さんの選手宣誓。30年のその先へ、未来を見つめた力強い宣誓だった。そして、選手はフロア上のピットに戻り、マシンの準備に掛かる。
ルール説明は、HONDAユニカブに乗ったNINJAによるデモ。これはこれでゲームになりそう。
試合開始!
第1試合開始。鳥羽商船高専vs舞鶴高専
恒例の動画紹介は、NHKによるもののようだ。舞鶴が押し続ける展開。そのまま押し切り、20秒で敵陣風船を仕留め、勝利。鳥羽商船に仕事をさせなかった。敗れた鳥羽は、試合後に秘密兵器を披露。会場から大拍手。
第2試合、香川高専(高松キャンパス)vs徳山高専
風船を吸い付ける香川高松のアイデアと、徳山名産フグの皮の対決。激しく当たる展開。ロボットの風船を狙い合っている。先にダウンしたのは香川高松の1機。徳山は悠々と敵陣に迫る。……と思いきや、高松の残り1機も動けず。相手ロボットの風船を割った徳山の勝利。高松のバキューム機構は、デモでかなりの精度を見せてくれた。
第3試合、熊本高専vs長岡高専A
熊本の540本弾幕と長岡のだいしゅきホールド。アツい。熊本、初弾で割り切れない。こうなると苦しい。長岡Aは長いアームで着実に手を進める。47秒、長岡Aが敵陣を落とした。
第4試合、石川高専vs長岡高専B
長岡Bは全国唯一の競技委員会推薦チーム。その理由は、ブーメランだ。一方石川は、凝ったリンクで実現したカニアーム。じっくりと動きを見たい機構。スタート、カニが激しく相手ロボットに迫り、自由にさせない、というように見える。1パンダ離脱。こうなると石川のカニペース。2台のロボットで長岡Bをはさみ、そのまま勝利。長岡Bは、ブーメランを撃つ体制に入る前に仕留められてしまった。デモでは連射を披露し、会場を大いに沸かせた。記者としては、この難しい課題にチャレンジしたことに拍手を送りたい。
第5試合、小山高専vs松江高専
小山は膨らむメンダコマシン。メンダコ部分のギミックが目を引くが、そのアームも強力。松江は子機、ブランコなどロマンのある構成。両陣に1機が迫る展開。メンダコが膨らむ。互いに着実に本陣を割っていく。小山陣がのこり1つ。1分11秒、松江の勝利。松江陣の風船は、メンダコには割りづらい位置にあるように見えた。
第6試合、呉高専vs福島高専
呉は猪鹿蝶。どれも割る能力は高いように見える。福島はカエルがモチーフ。マスタ/スレーブのロマン。風船の位置が、両者偏っている。赤陣に4台が集まる展開。互いに削り合う。本陣、ロボともに消耗戦。抜け出したのは、呉。1分19秒、本陣を落とした呉の勝利。試合後のデモでは、福島が見事なマスタ/スレーブ連動を見せてくれた。
第7試合、秋田高専vs長野高専
秋田のカラスは長いアームがメイン武器。長野は112発の射出機構が自慢。1機と3機に分かれる展開。1機は長野機、秋田陣に単独で迫り、着実に割る。3機は長野陣付近でもみ合っているうちに、長野の孤立した1台が一気に敵陣を落とす。長野勝利。攻めのみに賭けた秋田、潔い。
第8試合、神戸高専vs都城高専
神戸はデス・ウォール機。都城は、毎回「狙った」機構を採用しているイメージ。かわいい。試合開始。デス・ウォール、まさかの動けず。都城、ひとつひとつ着実に割り、39秒で敵陣を陥落させる。都城勝利。神戸の初手の矢は、かなりの精度が出ていただけに、これは悔しい結末。
第9試合、香川高専(詫間キャンパス)vs函館高専
詫間のハエたたきおかあさん。函館は20本の射出。詫間が攻める展開。そのまま押し切り、敵陣を落とした。詫間、22秒で勝利。函館、30回記念ノボリが切なく見えるのは記者だけか。マシントラブルがあったようだ。コントローラとの通信の障害か。
第10試合、富山高専(本郷キャンパス)vs一関高専
本郷のバルーンが目立つ。それに加え、主武器は長いロッド。一関は赤・黄のアームが目立つ。赤陣にまとまる展開。隙をついて、一関が本郷陣に迫る。一関も隙をついて本郷陣に迫るが、そこで審判による「待て」。発煙があったようだが、判定は問題無し。再開後、一関が敵陣残りの1個を確実に割り、勝利。位置取りの駆け引きを感じたマッチだった。
第11試合、群馬高専vs北九州高専
群馬の恐竜マシンは長いアームによる一発攻撃。北九州の威圧的なマシンも、一気に割ることができるポテンシャルがある。敵陣に迫る北九州。防御に回る群馬。赤陣に4台が集まる展開。群馬、自慢の一気攻撃を見せられず。敵陣にたどり着くことができなかった。結果的には一方的な展開だったが、ギリギリの駆け引きが行われた、微妙なマッチだった。そして群馬のマシンは、偶発的に非常停止ボタンが押されてしまったとのこと。無念。
第12試合、鈴鹿高専vs大分高専。1回戦最終
鈴鹿のヤドカリマシンと、ハニカムプラダンボディの大分。2機で敵陣に迫る大分。鈴鹿は攻撃と防御僚睨み。しかし大分のスピードが勝った。最速16秒で敵陣を落とし、快勝。大分、盤石の展開。鈴鹿はその強みを出せなかった。悔しい。
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