2019年、快晴で迎えた第2会ロボコン東日本交流会、2日目。熱く語った24時間。【後半戦】

前半:2019年、初雪舞う東京での第2会ロボコン東日本交流会。熱く語った24時間。

 

2日のスタート
各自、朝食を済ませた後、昨日とは違う、大きな会場に集合。2日目がスタートした。

目的論的論法に基づく正義について
谷島康伸(鈴鹿高専OB)さんによる特別講習会。
社会的営みの正義を論じる際、その営みの目的にどれほど整合しているかという観点で批評することを目的論的論法という。ハーバード大学の政治哲学の講義に倣って、意見をぶつけ合うことで目的論的論法を体験する、というもの。
マイケル・サンデル著の『これからの「正義」の話をしよう』をテキストに、「ケイシーマーティン ゴルフカート問題」をテーマとして、何が正しくて、何が正しくないのかを、参加者全員でディスカッションした。
特別講習会ということで、長時間で、かつ、難しいテーマだったが、普通ではあまり議論しない内容だったはず。自分にとっての「正義」とはなに? を考えることができた。

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ロボコンにおける「モチベーション格差」を考える
平塚輝さんによる特別講習会。
ロボコンに本気で打ち込めば、何らかしらの「自分なりの思考プロセス」が生まれる、と平塚さんは語る。全てのロボコニストは本気で打ち込んでいるわけではない。やる気のある人とやる気のない人の差が大きいのが問題。
では、どうすれば「モチベーション格差」がなくせるのか? 「僕はモチベがある人間なので、モチベのない人間の気持ちがわからない」といい、モチベのメタ認知から得た教訓は、「目標の設定」にあると指摘。
目標が高すぎると実現不可能と思うようになり、モチベが低下する。「目標設定」を間違えると人は挫折する。そこには「時間」が問題なのではないかと語る。ルール発表から地区大会の開催までが長すぎて、モチベを維持できない。半年をひとつのサイクルと考えてしまうのが原因。
モチベの維持のためには、PDCAが重要。P=計画、D=実行、C=評価、A=改善を細かくサイクルを回していくことを提案。そして、平塚さんは1日単位でPDCAを回すといい、とアドバイス。朝に計画し、昼に実行、夕方に評価をして、夜に改善する。半年でPDCAを回すのは難しいが、1日なら可能、と説明。課題を最小限に分割することで、より身近な解決可能な課題になる、と語った。これを積み重ねるとモチベーションは生まれると考えを述べた。
「モチベーションがないと困っているリーダーは、課題を細かくしてあげてください」と話す。でかいロボットも設計するのはパーツひとつから。それと一緒だという。「モチベーション管理術とは、課題分散能力」だといい、できることを積み重ねて大きいことをしようと発表した。
交流会に参加する人はみんな、モチベーションが高いはず。しかし、チームにはモチベーションの低い人もいるだろう。ギャップに悩んでいる人にはとても参考になったと思う。

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10万円で平塚輝さんにやらせることを考える
続いて、グループワーク。「10万円で平塚輝さんにやらせることを考える」をテーマに、6グループに別けて20分で考え、2分でプレゼンする、というミッションがスタート。
山口県に住んでもらってロボコンを普及してもらうや、旅をしてもらう「平塚GO」。10万円で1年間暮らしてもらう。全国の高専を廻ってもらって動画に残してもらう。全国高専お遍路巡り。高専のロボコン部の1年間の活動を録画する「全高専DVD」。失恋成長アナログゲーム、失恋成長ラップを制作する、などさまざまなアイデアが生まれた。
そのなかから、平塚さんの最優秀賞は、「平塚GO」。ヒッチハイクに興味があるから、というのが理由。また、やってみたいで賞は「失恋成長ラップ」。一番、面白かったから。そして「失恋成長アナログゲーム」。ゲームが好きだから。また、「全高専DVD」はいつでもやりたいとのこと。
最後に平塚さんから、ロボコンゼミの開催、各種出張講演会の実施、第3回東日本交流会の開催、高専生NO1決定戦の主宰が発表された。まず、「高専生クイズ」を2019年3月に開催するとアナウンスした。
場を盛り上げるのが上手く、なんでも積極的な平塚さん。今後の活躍も楽しみだ。

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また、来年に会おうね!
12時には解散。みんな、最後まで名残を惜しんだが、こうして熱い24時間が幕を閉じた。
とにかく、みんな明るく、陽気。すぐに友達を作って話しまくっていた。なのに、プレゼンでは真面目に聞く。そのひた向きさがまぶしく感じられた。2日間で学校では得ることのできない貴重な体験と知識を学んだに違いない。チームに戻ったら、そんな体験と知識を活かして活躍してくれるだろう。

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今回の連載の流れ

前半:2019年、初雪舞う東京での第2会ロボコン東日本交流会。熱く語った24時間。
後半:2019年、快晴で迎えた第2会ロボコン東日本交流会、2日目。熱く語った24時間。(今回)

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インタビューライター・編集者・ディレクター。 インタビュー専門で執筆。 専門はwebメディア、未来、テクノロジー、ビジネス、カルチャー、クールジャパン界隈。最近は事例とか採用関係も。 書籍『Webライター入門』監修。 趣味は散歩・人物撮影。 カメラも使えるライターからドローンも使えるライターになるため、日々奮闘中。

https://www.garamon.jp.org

学生ロボコン2019出場ロボット解剖計画