ロボコン

高専ロボコン2016全国大会 1回戦速報

2016年11月20日。東京・両国は快晴。昨日の重苦しい空とはうってかわって、気持ちのいい秋晴れとなった。

12:30。すでに会場には観客が入り、そして出場者の緊張はより一層高まっている。……と特に感じたのは、優勝候補の筆頭と言える奈良高専。一方で「やることはやった」とリラックス(開き直って?)しているチームもある。

そして12:40。開幕。恒例のウルフルズからの、アシモ。その「出航宣言」と霧笛をきっかけに、出場者の入場。先頭はもちろん、前年度優勝・ロボコン大賞の奈良。

12:50。デーモン閣下と吉本実憂さんの紹介、入場。主催者挨拶、新居浜・末光さんによるビシっとした選手宣誓。そして閣下によるありがたいお言葉、吉本さんによる真摯な応援メッセージ。ルール紹介、審査員の紹介を経て、いよいよ。

1回戦

第1試合:都城vs仙台名取


都城ははにわマシンは、ブランコ。長いアームで、子機を新大陸に運ぶ、思い切った戦略。続いてそのブランコでブロックまで砦の台座に置いてしまう。仙台名取は、安定した砦づくり。10個のブロックをきっちりと積み上げ、こけしシンボルもなんなく成功。ほぼ同時に都城の砦も……と思いきや、崩れてしまう。勝利は仙台名取。5段。仙台名取のスムーズさ、都城のブランコロボットというゴージャスな開幕戦で、会場はいきなり熱狂。

第2試合:一関vs福井


一関は前日テストランはできたのだろうか。青とオレンジのフレームが美しい。地区大会では400mmまでしかつかむことができなかったものを、600mmまで拡張したとのこと。さらにロボットの役割分担が大きく変わったようだ。両チーム慎重な立ち上がり。一関の橋が架からない。福井は確実に橋を架け、新大陸にたどり着くが、リトライがかかる。どちらも苦しい展開。福井、ブロックを新大陸に送り、なんとかビルダーロボットに渡すことに成功。砦の積み上げにかかるが、タイムアップ。一関は新大陸にたどり着かなかった。勝利は福井。

第3試合:木更津vs北九州


木更津は地区大会よりロッドの長さを伸ばしたようだが、果たして。北九州・金字塔は、その名にふさわしい砦を打ち立てることができるか。ちなみにそのモチーフは「金印」。チーム紹介動画がさすがの出来。北九州、昨日も苦労していた吸盤が、本番も完璧ではない。ブロックが持ち上がらない。灯台が作れない。が、砦用12個はその豪腕が持ち上げる。木更津はロッドマシンが伸び、会場が沸く。残り5秒、、、伊能忠敬がブロックをひとつ持ち上げたところでタイムアップ。両チームとも、砦を積み上げられず、審査員判定へ。勝者は……、木更津・伊能運搬隊!

第4試合:大分vs福島


大分烈覇は燃える外装。福島TB©のシンボルは柔和なほほえみを浮かべる起き上がりこぼし。対照的なモチーフ。福島は3台構成。両者2mオーバーを狙える仕上がりだ。中でも大分は優勝候補の一角。福島のマシンが転倒するなか、大分はゆっくりめの展開。しかしロッドの橋は架かるものの、レールがおさまらず脱輪。そして……、転倒! 続いて福島も2度目の転倒、これは波乱の展開。国技館の魔物……というかホンモノの悪魔が居るが、なんともザワつく試合。審査員判定の結果、勝利は大分。

第5試合:長野vs明石


両者ともチーム紹介動画のクオリティがすばらしい。今年はどのチームも凝りに凝っている。か、笑いを取る。明石は砦マシンに16個のブロックを積める。そのまま架橋し、島、新大陸へ。長野はファンで船を動かして新大陸へ。両者接戦。砦の積み上げは明石のリード。3段、4段と積み上げ、砦成功。長野は1段で成功。明石の勝利。

第6試合:小山vs鳥羽商船


鳥羽は投石機マシン。小山は射出。まさかの「ブロックを投げつける」対決となった。両校の応援があつい。小山のパンタグラフを空気圧で伸ばす変則架橋が、うまく伸びない。半分を過ぎ、ようやく小山が新大陸に到着。鳥羽は、船を引き寄せるアンカーがうまく新大陸にかからない。小山、1段の砦を完成。鳥羽、手が進まず、タイムアップ。小山40cmで勝利。鳥羽は、観客を楽しませようとする「手」型積み機構を見せることができなかった。無念。

第7試合:産技荒川vs舞鶴


産技荒川のモチーフは飛行機。元「航空高専」であることから。舞鶴は黄色い荷造りテープが遠目にも目立つ。一気に背を伸ばして灯台を作り、一気に橋を架ける。橋の最後の段が伸びないのは仕様で、砦用ロボが押して橋を完成させる。産技荒川は、船の車輪を掴んで制御するシステム。進捗は舞鶴がリード。半分を過ぎ、砦3段が完成。さらに上を目指す。産技荒川は渡りの手が進まない。残り30秒、4段を完成! 160cm。さらに積み上げにかかるが、タイムアップ。舞鶴、着実な勝利。産技荒川のハイテク車輪把持操舵、無念。

第8試合:旭川vs徳山


旭川HYDRAは、足回りをメカナムに変更してきた。シンボルは旭川家具。徳山の金魚ちょうちんシンボルは、かわいい。旭川は、セッティング開始と同時に「よろしくお願いします!」大きな声で挨拶。「謝罪」動画でも会場を沸かせる。徳山はまさかのステージの「枠」を使う機構。「枠に “接触” してもかまいませんか」という公式への質問の仕方がクレバー。旭川、リトライがかかり灯台の手がすすまない。2分を過ぎ完成、砦にかかりたいが……。徳山は渡りには成功したが、灯台ができていない。残り15秒、灯台成功、砦にはブロックを2段、しかしシンボルはおけず。それでも徳山勝利。

第9試合:苫小牧vs松江


苫小牧のシンボルはホッキ貝。松江はストレートに松江城。10個のブロックを把持できるようになった松江。6段積みを目指す。まず灯台を片付ける松江。調整がシビアと思われる吸盤だが、確実に全てを掴んだ。渡りは船+ファン。新大陸到着。残り1分半、アンカーを射出する苫小牧、ヒモが接地しリトライ。これは難しい。松江、ひとつひとつ砦を積み上げる。ハイテク操縦。シンボル設置はならなかったが、松江の勝利。

第10試合:佐世保vs金沢


金沢の迫力のあるフレームと橋。そして美しい鼓門シンボル。佐世保のシンボルは、カステラとお伝えしたが、ツシマヤマネコでもある。金沢、橋がかからない。佐世保は早々に新大陸へ。両者、1分を過ぎても手が進まない。佐世保、灯台を完成させ、残り30秒、新大陸で20cmシンボルを完成。金沢、島までの橋がうまく架からず……、佐世保の勝利。

第11試合:米子vs富山本郷


1回戦最後の試合は、米子vs富山本郷。米子は、なんと5台構成とも言えるシステム。富山本郷は、一気に5段の砦を構築できるある意味リスキーな仕様。米子はひとつひとつ手を進める。その間、富山本郷は一気積みを進めるが……、間に合うのか。残り1分。残り30秒。富山……、10秒、5段、3、2、1……完成!! 富山、会場をこれまでで最も沸かせる、奇跡の展開。「来たぜ国技館」!!

 

トーナメント表

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