ロボコン

【速報】高専ロボコン2018 前日ピットレポ “これからの高専ロボコン”編

テストラン速報に続いて、ピットの模様も、見られたところだけで恐縮ながら、お伝えする。

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ピットでわかるチームの個性

各チーム、ピットにも個性が出ている。華やかなロボットサイドの裏で地味に見られがちな「兵站サイド」だが、兵站の充実は戦略的な優位をもたらす。

ブルーシート

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半分程度のチームが、ピットのフェルトシート上にブルーシートを敷いていた。撤収時に時間が短縮されること、落下物などをピットに残さないための工夫だそう。「試合後、お相撲さんが座った時にネジが落ちていた……なんてことはあってはいけませんから」とのこと。たしかに大会後、撤収のときはクタクタに疲れて、こまかい見落としもしやすくなるだろう。大切なフールプルーフ(対策)?だ。

ピットのパネル

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いくつかのピットには、ロボットの説明ボードが乗っている。一関高専の説明パネルは、完成度が高く、もう話を聞く必要がないくらい詳細にロボットを説明してくれていた。明石高専はカフェのメニューボード風のパネルが可愛い。
神戸市立高専は2枚のホワイトボードを使っている。「チーム全体が何をしているか(テストラン中、休憩中など)」を示す小さめのボードと、チーム内でタイムスケジュール(テストランの時間など)を共有するための大きめのボード。情報が整理され、整然として見える。

ロボットのチェックリスト

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ロボットにセッティング時のチェックリストを貼っているチームも多い。スタートまでの手順は何千と繰り返していても、それでも本番では間違えるもの。とても目立つのが「落ち着いて!」の文字だ。なお高松高専のリストには「こじるりを意識しすぎない!」と書いてあった。

ボトルの個性

ボトルの個性

ボトルの内容物は、各チーム試行錯誤の末にたどり着いたもの。多くのチームが「消臭ビーズ」のようなジェル状の、水を吸って膨らむビーズ(Youtuberがよくお風呂に入れているやつ)に行き着いたようだ。シャンプーを入れて液体の粘性を高めているもの、砂やBB弾などの固形物、ストイックに水のボトルを使用しているチームも。複数のチームからは「水ビーズにすればよかった!」という声も。いまのところ、ウォータービーズが最適解なのだろうか?
異彩を放っていたのが東京高専だ。小さな水風船を大量にボトルに詰めている。聞いたところ、1つ5gの水風船をボトル1本につき59個、それをボトル20本ぶん用意したという。「ジェルボールより耐久性が高い」のがメリットとのことだが、1200個の水風船手作りは気が遠くなる……。

 

ピットから見える、「高専ロボコンのこれから」

今年は、高専ロボコニストにとっていくつかの大きな改正がある。今年かぎりのルールではなく、今後も続く傾向として受け取ったチームが多かったようだ。変わっていく高専ロボコンの「イズム」に対し、各チームさまざまなアプローチをしている。

ペットボトル廃止、エアタンク導入

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今年のルールブックには、「圧縮空気にペットボトルを使用することを3年後から禁止する」という項目が明記された。今年から3年間は移行期間としてエアタンクが「推奨」され、今年のみ、エアタンクを搭載したチームにはロボットの重量に優遇措置が与えられる。

ただ、複数のチームから聞くと「今回はロボット重量制限には余裕があった」とのことなので、重量の優遇目当てというよりも、「どうせ禁止されるのだから、早いうちに対応しておこう」という流れがメインのようだ。

自動ロボットの制御

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今回のテーマとルールが発表されたとき、「学生ロボコン並じゃないか!」という感想を抱いたロボコニストも少なくなかったようだ。メインの戦術は自動ロボットの使い方次第、開発工数の多くが自動ロボットの制御に対するものになることは明らかだったからだ。

自動制御の流れは今後も続く。それを察してか、かなり高度な制御を実現してきたチームがあった。東京工業、仙台名取と広島商船はLRF(測域センサ)を搭載。広島商船高専は、データ処理に、NVIDIAのJetsonを採用している。「学ロボ並み機構を導入、実践レベルに完成度を上げてきている。この経験知は、来年以降の強みになるでしょう」(東大RoboTech・籔内さん)とのことだった。

広島商船高専は、地区大会で最短Vゴールタイム(21秒)を記録している。来年以降どころか、今年すでに驚異的な強さだ。

 

タイムライン

次回以降の参考のために、タイムラインを残しておく。

・10:50
前倒しでチームの入場が開始された。ドタバタはしているが、高専生にとってはどこか馴染みのある国技館、コンテナ搬入経路も去年の有明より広い。しかし、ピットは力士控室(地下)にあるため、階段を下りてロボットを手搬送することになる。

・12:00
おおまかなセッティング終えたチームが出てきた。当日のセッティングを優先させるため、ロボットを解体せず、梱包箱を増やしたチームもある。「そのぶん運送費用がかかる」とのことだった。どのチームにとっても、資金不足は悩みのタネのようだ。

・12:30
オリエン開始、準備を終えたチームとまだのチームでバタバタの度合いに差が出ている。タイムスケジュールが共有されていても、体感の時間は分からないものだろう。

・13:00
オリエン終了、抽選と計量開始、慌ただしくロボットが運び出されていく。余裕をもって準備を終えたチームは、初戦の対戦チームの地区大会動画を確認している。

・14:20〜
テストラン開始。各チーム、マシンの準備と調整にピリっとした空気が流れ始めた。指摘をうけてか、即席でフレームの角の保護をするチームも。各チームは、テストランへの準備、またテストランの結果への対応に追われる。

 

NHK学生ロボコン2018
Device Plus 編集部

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