※本記事作成にあたり暖かく出迎えてくれた方々、また被災された方々全員に心よりお見舞い申し上げます。一刻も早く、日常が回復することをお祈り申し上げます。
2016年3月26日。
いわゆる「年度末納品」の案件を山のように抱え、地区大会直前の回路班のようにフラフラになったデバプラ編集部員が向かったのは、 くまモン県 熊本県・阿蘇市。
ターゲットは、もちろん高専ロボコンの九州・沖縄地区交流会だ。
ご存じない方のために述べておけば、高専ロボコンとは、全国の高等専門学校生が出場するロボットコンテスト。そして交流会とは、参加者が集まり、交流し、技術やチームのマネジメント等々について情報を交換するイベントだ。
ロームが参加した交流会唯一の公式イベント「東北ロボコン交流会」に続き、今回はデバプラとして急遽参加させていただいた。ちなみに次年度以降も、気になる地区にぜひ訪問していきたい、と考えている(全地区にお伺いできるといいのですが……頑張ります!by編集部K)。
どうも編集部です。こんにちは〜〜
幹事の手によるスーパークールな旅のしおり↓によると、参加者は100名弱。
場所は熊本県阿蘇市、阿蘇山の山麓にある「国立阿蘇青少年交流の家」。さすが日本第二のカルデラ地形を誇る阿蘇、景色が雄大。
牛がいる。キジもいた。快晴。気温はひとケタ代。まあまあ寒い!
そして、事前に聞いていた今回の大まかなプログラムは、↓こんな感じ。
▼1日目 3/26(土)
昼 :集合!
午後:各校によるロボット紹介プレゼン
夜 :「分割会議」 小分けになってテーマ別に討論
▼2日目 3/27(日)
午前:ロボット実機展示、対戦
午後:レクリエーション(ドッジボール。……だと…?)
夜 :OBプレゼン
▼3日目 3/28(月)
午前:分割会議
昼 :解散!
さすがに3日間あると、進行に余裕がある印象。各プログラムはもちろんだが、参加者は合間合間の時間で存分に交流ができるに違いない。
各校によるロボット紹介プレゼン
佐世保高専
前置きが長くなったが、レポートに移ろう。
14:40。まずは各校のロボット紹介発表から。1番手は佐世保高専だ。のっけからユーモアあふれるプレゼンで、場を温めてくれた。長射程・高火力にこだわった機体のテスト中、最高出力で放たれた輪が男性メンバーの股間を直撃するという悲劇があったとのウワサ(もちろんジョーク、のはず)。
大分高専
動画つきのリッチなプレゼン。時系列で開発の様子を追った、分かりやすいものだった。3Dプリンタを駆使し、オリジナルの15ボタンコントローラを開発したとのこと。
沖縄高専
沖縄から単独で乗り込んだ亀田 都和さんがプレゼン。直前にスライドをなくしてしまったとのことだったが、それでもしっかり反省点などを語っていた。
久留米高専
久留米高専は、ハイスピードカメラで捉えた動画で、わかりやすく説明。Bチームの発表者はシブい声。回路班はアニメをネタにした発表でウケる。
休憩をはさみ、北九州高専
北九州の発表は、NHKの放送で “ロボコン界のダークサイド” と異名をとった花守 拓樹さん。テーマは「闇への堕ち方」(!)。マイクを持つと人格が変わる、と自身で宣言した通り、ノリノリ。間違いなく会場が一番沸いた発表だった。ちなみに、「ダークサイドに堕ちたかったわけではない、NHKが光りのあて方を間違えた!」とのこと。
もちろん勝因・敗因分析やホースの温度を小数点1ケタまで計測していたことなど、戦略的・技術的な話も充実していた。
熊本高専熊本キャンパス
一転して、いたってストレート・オーソドックスな発表。しかし、Vゴールした時に「お兄ちゃんかっこいい!」としゃべらせる機構を用意したことや、「ひたすら奇抜な」ものを作って「若手芸人のように会場に爪痕を残そう」としたことなど、裏話的な内容も充実。
熊本高専八代キャンパス
2014の優勝、そして2015は「チャレンジャー」の完成度の高さ。その技術力の高さは目をみはるものがある八代キャンパス。チャレンジャーの自動ポール認識動画に、会場が沸いた。Aチームの発表は、「あれ子さん」をキャラクターにした、オーディエンスの興味をひく工夫が。
最後の発表の有明高専は、進行の都合により夜の部へ移動。この時点で16:30。
「夕べのつどい」と夕食
この「少年交流の家」は、その名の通り、子どもたちの交流のためのもの。朝と夕方には、施設を同じタイミングで使っている他団体の人々との交流を行う。この日は、九州各県のスポーツクラブやダンスチームなどが訪れていた。その中で、こんな↓シーンを目撃。ダークサイド、小学生と楽しそうに戯れるの図。これが真の姿なのか、あるいは巧みなイメージ戦略か……?
夕食も、他団体と一緒にビュッフェ形式。
有明高専発表
19:07。夜の部スタート。
オーソドックスに機構の説明をしながら、かつ反省点をきっちりと挙げた優等生な発表。圧の調整、輪のセッティングの難しさ、モーターの選定ミスなどにカイゼンの余地があったとのこと。さらに、あの「論文まもるくん」のタカハ機工・ソレコンで、ソレコン大賞に輝いたとのニュースも。作ったのは「全自動割りばし割り機」。
以上で各校の発表は終了。なお、このあたりの雰囲気は、Twitterのハッシュタグ #九ロボでも雰囲気が良くわかるはず。ぜひ一度ご覧いただきたい。
デバプラ編集部&ラピスセミコンダクタより
東北交流会の時と同様に、ローム株式会社・デバプラ編集部もお時間をいただいた。これからもロボコンを応援し続ける旨、決意宣言をさせていただいたが……、デバプラの知名度はまだまだのようで、記者はますますやる気がでた!
ロームのグループ企業・ラピスセミコンダクタからは、プロのエンジニアである斉藤 直孝さんが、エンジニア生活の実態、2.4Ghzではない通信など、高専生・ロボコニストのみなさんの参考になりそうなことをお話しさせていただいた。
分割会議へ
20:15。
ここからは機械・回路・運営など、担当別にグループを作って、さらにテーマ毎に小班に別れ討論会。戦略のたて方、通信の話、エアシリンダについて、外装、モータードライバ、整備性と強度の兼ね合い等々、濃いめのテーマが挙がっていた。
各パートとも、はじめはおずおずとした印象ながらも、具体的な話になると皆がヒートアップしたようだ。すべてのパートの話を聞けたわけではないので恐縮だが、記者が気になったのはモータードライバ班。現物をもちより、そしてラピスセミコンダクタ・斉藤さんというプロのエンジニアをゲストに迎え、かなりつっこんだ話をしていた。↓真剣な顔過ぎる!
この分割会議は22:00頃まで続き、1日目はお開き。……と言いつつも、それはもちろん公式のプログラムが終わっただけ。機械・回路・運営と、担当ごとに分けられた各部屋では、深夜までアツいトークが続いたとか。
……そして参加者の生の声つきの2日目、3日目レポートは、近日公開!!
■関連リンク
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