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ロボマス日本大会の狼煙~RoboMaster Japan東京コミュニティーレポート

デバプラでは、これまで「ロボマスター」に注目してきた

ロボマスターについて初見の方のために改めて記せば、下記のようになる。

  • 中国の大学生が7000人以上参加するロボットコンペティション
  • 主催はドローンで有名で、ノリにノッているDJI社
  • チームで「撃ち合う」、対戦型ルール
  • e-Sportsのようなド派手な演出
  • 優勝賞金850万円

もうひとつ付け加えれば、DJIが持つ、エンジニアへのリスペクトが詰まった大会であることが特徴だと言えるだろう。

既報の通り、この2018大会に、日本から唯一参加するチームが現れ、ベスト16という見事な爪あとを残した。福岡を中心に活動する、FUKUOKA NIWAKAチームだ。

そして2018年10月、そのFUKUOKA NIWAKAをサポートするニワカソフト株式会社とDJI社が、「ROBOMASTER日本地区戦準備委員会」と「ROBOMASTER Japan Community」を立ち上げた。

→RoboMaster Japan Community
https://www.facebook.com/RoboMasterJapan/

その目標は、「2020年の日本地区戦」の開始。現在その準備段階として、ロボマスターに興味がある人を集め、各地でミーティングを開催している。
その中から、12月1日に行われた、「RoboMaster Japan東京コミュニティー」の様子をお伝えする。

 

その目的は参加者とサポート企業、サポートスタッフ

もし「2020年にロボマスター日本地区大会が開催」となれば、気になる人も多いだろう。ただ、そのためには大きな労力が必要になる。

このハイレベルなコンペティションに参加するのは、もちろん大ごと(2018FUKUOKA NIWAKAチームのロボット制作費は、実に700万円以上)。また、大会そのものの開催も、会場やフィールド、各種ルール・ジャッジのシステムの構築、安全管理、スタッフの手配、プロモーション……等々、考えなければならないことが極めて多い。

ゆえに、今回のミーティングの目的は、参加者を募るだけでなく、広い意味でのサポート企業・サポートスタッフを集めることにある。

会場は東京・品川のDJI JAPANオフィス。主催者側は、もちろんDJIのロボマスター担当者と日本地区戦を誘致する担当者、およびFUKUOKA NIWAKAメンバーが参加。チームオーナーの古賀 聡さんを初め、総監督の栗元一久さん、キャプテンの王 宏亮さんら、ロボマスターを深く体験した人々が集まった。

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一般参加者は15名程度だったが、このミーティング自体がもともと小規模で濃密な集まりを想定していたことと、広報があまり行われていなかったことを考えると、「コア」な人々が集まったと言えるだろう。高専・学生ロボコン勢に加え、未来のサポート企業の人々が参加した。

改めて、ロボマスターの紹介、そして日本地区戦について

まずは、日本地区戦準備委員会から大会概要、参加条件、競技ルール、スケジュール等を改めて説明。

ロボマスターそのものについては、これまでデバプラ誌上でもお伝えしてきた。しかしやはり、実際に参加したチームからの情報は貴重。深センまで同行した記者でも「それはやってみないとわからない」と思わされることが多く、その知見に触れることができるのは貴重な機会だった。

さらに重要なのは、2020年の日本地区戦について。下記のようなグランドデザインが紹介された。

  • 日本を7つ程度の地域に分割し、地域の連合チームを結成
  • また、地元企業と自治体に働きかけ
  • 2020年までに12チームを養成
  • 日本地区大会上位入賞者を、本戦へ

また、資金面や技術面などについてはサポート企業との連携も重要になるが、これも日本地区戦準備委員会がサポートを行うとのことだ。技術情報の提供や勉強会、各種の交流会、インターネットコミュニティーの構築など予定されているとのことで、主催者の本気度がわかるプレゼンテーションだった。

なお、2020年の日本地区戦は、本戦より簡易なルールで行われる可能性もあるようだ。参加のハードルが下がる。

FUKUOKA NIWAKA「総監督」による 2018大会レポート

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続いて、FUKUOKA NIWAKAチーム総監督である栗元さんによる、2018大会の参戦記。

栗元さんは、ホビー・ロボットの世界で実績を残してきた。二足歩行ロボットの格闘技大会「ROBO-ONE」の優勝者でもある。そんな栗元さんでも、「めんくらった」ことが起きたようだ。そのひとつは、中国チームの本気。練習試合では動作確認程度だった中国チームが本番で牙をむいた時、その強さに驚いたという。

また、ロボットの具体的な解説もあった。ロボットの制御に使用するメインボードはDJIからも提供されるのだが、NIWAKAチームはTeensyを使った独自のボードを用意していたことや、実際に使用したモータの型番等々、細部も惜しみなく公開していた。

中でも、ロボマスター参加という活動を円滑に進めるための「原則」も示された。

1. 旗を振るリーダーを決める
2. メンバーがお互いのことを知る
3. 予算・活動場所を決める
4. 報連相するためのツールを決める
5. チームの目標を決める

こう書いてしまうと当たり前のようにも聞こえるが、長らくロボットコンペティションの現場に立った栗元さんだけに、その中身は濃い。改めてそのより深い部分をお聞きしたい、と記者には思えた。

2018「歩兵ロボット」操縦体験と意見交換

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ロボマスター全般、またコミュニティーについての意見交換、質疑応答。

中でも盛り上がったのは、やはり実機の操縦体験と、それに伴うロボットそのものの質疑応答。学生ロボコン経験者からは「なぜダブルウィッシュボーンではないのか」といった、突っ込んだ質問がなされた。

FUKUOKA NIWAKAメンバーは、それらに対して何ひとつ隠すことなく回答。一例を挙げれば、部品加工を発注した中国の工場名や納期、金額まで、可能な限り具体的に答えていた。このサポートが得られると考えると、ロボット製作と出場のハードルはずいぶん下がるだろう。

また、誰もが気になるのは、やはり参加に要するコストのこと。FUKUOKA NIWAKAチームの総予算は旅費も含めて、実に1800万円程度。これは勝つための投資も含まれていたようだが、それにしても、誰でも参加できる、とは言いがたい。

そのためにもこのコミュニティーがあるのだが、現段階では、具体的なアイデアが出るところまでは至らなかった。とは言え東京コミュニティーではまだその活動は端緒についたばかり。これからの発展が期待される。

 

2020年ロボマスター日本地区大会に向けて

先行して10月にミーティングが行われた大阪地区では、すでに具体的な計画が動き出しているとの情報もあった。しかも、古賀さん曰く「ヤバいメンバーが揃っている」とのことだ。

2020年にロボマスター地区大会が日本で行われ、そしてそこからの代表チームが深センの地に立つと考えると、心が躍る人も多いだろう。自分がそのメンバーだったとしたら、あるいは単に観戦する立場だとしても、相当に貴重な体験になるに違いない。デバプラも、引き続きそんな人々とロボマスター、そして日本地区戦開催を応援していくつもりだ。

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Device Plus 編集部

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