モータにはどんな種類がある?電子工作で使うモータの種類を解説

目次

  1. 電子工作で使うモータにはどんな種類がある?
  2. ブラシ付きDCモータとは
  3. ブラシレスDCモータとは
  4. ステッピングモータとは
  5. まずはブラシ付きDCモータから始めてみよう!

 

1. 電子工作で使うモータにはどんな種類がある?

一口にモータの種類と言っても、技術の進歩によってモータは多様化が進んでいるため、分類方法だけでも電源の種類・トルクの発生原理・モータ構造・用途など、さまざまなものがあります。
例えば、[トルク発生原理] ≫ [電源] ≫ [構造]と分類していくと以下の図のようになります。

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参考:モータの種類と分類|TechWeb motor

このようにモータの種類は数多くありますが、電子工作で手軽に使えるモータは限られます。本記事では、電子工作に合った3つの主要なモータの解説と用途について解説します。

 

2. ブラシ付きDCモータとは

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電子工作で馴染みのあるモータは「ブラシ付きDCモータ」です。モータを製造しているメーカーによって、「DCモータ」「直流整流子モータ」「ブラシモータ」「直流整流子電動機」などさまざまな名称で呼ばれています。

ブラシ付きDCモータは、駆動させるための特別な電子回路を用意しなくても乾電池などの電源をつなぐだけで回転する手軽なモータです。使いやすさと価格の安さから、電子工作では最も多用されています。
回転速度の調整や回転方向の設定、ブレーキなどもPWMやモータドライバと呼ばれる制御ICで制御できるので、ラジコンやファンなどにも広く使われます。

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ブラシ付きDCモータの代表的な制御方法である「Hブリッジ回路」。4つのスイッチ(実際はトランジスタやFET)のON/OFFでモータの①フリー/②正回転/③逆回転/④ブレーキを操作できる。
参考:Hブリッジ回路によるブラシ付DCモータの駆動:原理|TechWeb motor

 

手軽に使える反面、欠点もあります。ブラシ付きDCモータは内部に「ブラシ」と呼ばれる接点があり、回転による摩擦でブラシが摩耗しきると使えなくなります。数時間程度の回転では問題ありませんが、継続的な使用によってブラシが摩耗しきってしまえばモータごと交換が必要であり再利用は出来ません。
また接点であるブラシからの火花によるノイズや、ブラシ付きDCモータが動作するときに出る特有の臭いが問題になる場合もあるので、用途によっては別の選択肢も考慮しなければならないモータです。

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参考:ブラシ付きモータの構造|TechWeb motor

 

  • メリット
    電源を供給するだけで回転する
    低価格
  • デメリット
    ブラシに起因する問題(寿命・ノイズ・臭いなど)

 

3. ブラシレスDCモータとは

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ブラシ付きDCモータのブラシを排除することで、ブラシに起因する欠点を解決したモータが「ブラシレスDCモータ」です。
ブラシを排除したことでモータ内部の接点が不要になるなど部品点数が減少、その結果、メンテナンス性・重量・寿命・モータ効率・高速回転といったあらゆる面の性能が向上した画期的なモータです。
電源をつないだだけでは動作しないので使用には少し手間がかかるモータですが、効率が良く長寿命なことからバッテリーで駆動する機器に積極的に採用されるモータです。

モータを回転させる電子回路は、出力軸(シャフト)につながるロータの回転角を常に監視し随時コイルの通電を切り替えます。ブラシレスDCモータの制御は駆動回路の働きが重要です。
ブラシレスDCモータの駆動回路には位置検出センサや複数のパワートランジスタ・ゲートドライバ、また、それらをコントロールするマイコンなど多くの電子部品が必要なため、高度な回路設計のノウハウとソフトウェアの知識が必要です。
近年では、ワンチップの制御ICや、ブラシレスDCモータの制御機能を搭載するマイコンなども増えてきましたが、ブラシレスDCモータはブラシ付きDCモータほど簡単に扱うことはできません。

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ブラシレスDCモータの駆動回路。この回路の他にも、位置検出センサや過電流を検知するための保護回路が加わり回路は大きくなる。
参考:3相全波ブラシレスモータの駆動:センサ付、120度通電リニア電流駆動|TechWeb motor

 

ちなみに、ブラシレスDCモータの分類は複雑で、モータ自体がインバータの作る交流電流で駆動することから、「ACモータ」に分類する考えもありますが、ブラシレスDCモータは「直流モータ」に区分されることが多いようです。

  • メリット
    軽量・長寿命・モータ効率が良い
  • デメリット
    高価・駆動回路が複雑

 

4. ステッピングモータとは

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「ステッピングモータ」は、回転角が制御できるモータです。前述の2つのモータは長い時間連続回転させる動力源として使われますが、ステッピングモータは主に位置制御に使用します。
ステッピングモータはパルス信号を1回加えると固有の角度、出力軸が動くのが特徴です。このパルス当たりの動作(回転角)を「ステップ角」と呼びます。
例えば、ステップ角が1.8°のステッピングモータなら、200パルスで1回転するので、「100ステップ加えて半回転」「1秒間に1000パルス加えて5回転/秒」のように回転の速度や方向、停止位置などを自在に制御できます。
ステッピングモータは、停止時にもトルクが加わり自己保持力が働くので、停止位置の固定が必要な用途にも使われます。

モータの外部に取り付けたサーボ機構によって正確な停止位置を実現するサーボモータと異なり、ステッピングモータは内部構造によって位置制御を行なうため、構造がシンプルで信頼性が高いのが特徴です。NC加工機や3Dプリンタ、ロボットアームのような、精度の高い位置制御が必要な用途には無くてはならないモータです。

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単純なパルスを加えるだけで動作するステッピングモータの駆動回路は比較的シンプルな部類に入ります。しかし、負荷トルクが高すぎたり回転が早すぎたりすると、脱調(送ったパルス数と回転角の不一致)や騒音の問題が起こるため、安定して動かすには機械設計のノウハウも必要になるモータです。

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ステッピングモータを動かすドライバIC。一見複雑に見えるが、原理はブラシ付きDCモータのHブリッジ回路を拡張したもの。また、パルス信号を扱うので制御も容易。
参考:3相全波ブラシレスモータの駆動:センサ付、120度通電リニア電流駆動|TechWeb motor

 

  • メリット
    位置制御が容易
    自己保持力を持つ
    信頼性が高い
  • デメリット
    ステップ回転なので動作が円滑ではない
    長時間の連続回転、高速回転には不向き

 

5. まずはブラシ付きDCモータから始めてみよう!

本記事では3種類のモータを紹介しました。それぞれのモータにはメリット・デメリットがありますが、電子工作にはブラシ付きDCモータで十分対応できます。
まずはブラシ付きDCモータの動かし方から慣れていき、必要になったところでブラシレスモータやステッピングモータについて学んでいくと良いでしょう。

【参考文献】

自動水やりマシンを作ろう
Device Plus 編集部

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https://deviceplus.jp