第1回:PWMの基本とTL494
第2回:制御回路の組み立て
プラズマスピーカの制作を紹介する本連載。執筆頂くのは、日本で唯一の「テスラコイル実演サービス」をおこなっている、つくば科学株式会社代表取締役で、これまでもさまざまな工作記事を発表されてきた菊地秀人さんです。連載第3回となる今回は、レベルメータの取り付けを紹介していきます。
目次
1. 部品の調達
前回に引き続き、レベルメータの回路を組み立てていきます。必要な部品は前回の記事に掲載していますが、もう一度以下にリストアップします。
型番 | 概要 | 個数 | 備考 | 購入先 |
LA2284AG-G09-T | レベルメータIC | 1 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-12470/ | オーディオのレベル表示に使用 |
CF25J1KB | カーボン抵抗(1kΩ) | 1 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gR-25102/ | LEDの電流制限用 |
RD25S 10K | カーボン抵抗(10kΩ) | 1 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gR-25103/ | レベルメータの定数用 |
GF063P B103K | 半固定抵抗(10kΩ) | 1 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-14905/ | レベルメータ入力調整 |
RDER72A104K1K1H03B | 積層セラミックコンデンサ(0.1μF) | 2 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-15927/ | パスコン他、同等品可能 |
RDEC71H106K3K1H03B | 積層セラミックコンデンサ(10μF) | 1 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gP-08155/ | レベルメータの定数用 |
OSG8HA3Z74A | 3mmLED | 5 | https://akizukidenshi.com/catalog/g/gI-11637/ | レベルメータ用LED |
2. レベルメータの回路図
以下が前回に続いて組み立てるレベルメータ回路の回路図です。
電源電圧は同じく12Vとなっています。電源とオーディオ入力を分岐して、前回製作した基板に部品を取り付け製作します。
オーディオレベルメータを実現するには、入力された電圧に対してLEDを点灯させる数を変えていく必要があります。今回は専用ICを使用しますが、上記ブロックダイアグラムを見てもわかる通り、コンパレータが複数入った構造となっております。専用ICを使用しない場合は、コンパレータを同じように複数個使用して製作するということが多いでしょう。
コンパレータは+端子と−端子に入力された電圧を比較して、HIGHかLOWの出力をします。レベルメータに使用したいLEDの数だけコンパレータを用意し、抵抗分圧した基準電圧を+端子に印加しておくことで、−端子に入力された電圧と比較してLEDの点灯が制御できることになります。
LED1個に対してコンパレータ1個が必要になりますから、専用ICを使用しない場合、結構大掛かりな回路になってしまうと思われます。しかし、基本的な構造を理解するには、一度コンパレータを使用してレベルメータ回路を作ってみるのも面白いでしょう。
3. 基板の組み立て
回路図を参考にユニバーサル基板に組み立てていきましょう。
組み立て例がこちらになります。LEDは見やすい位置にすべく基板の手前側に取り付けしました。
4. 動作確認
電源部分などがショートしていないかテスター等で回路を確認していき、問題なさそうであればACアダプタを接続して電源を入れてみましょう。
前回の部品リスト中にある1kΩの抵抗と圧電スピーカを並列に接続したものを用意します。これを前回の回路図中、P1の端子台に1次コイルの代わりに接続します。コイルの代わりに圧電スピーカを接続して動作を確認するということです。
圧電スピーカ単体の場合、音が非常に小さいため、並列に抵抗を入れています。オーディオ入力端子に適当な音楽プレーヤーから音声信号を入力し、VR1にて調整すると圧電スピーカから音が聞こえるようになります。音楽プレーヤーの音量は最大にして入力してください。VR2にて発振周波数を調整することも音質改善に繋がります。今回製作した回路中のVR3でレベルメータの表示も調整しておきましょう。
さて、次回は実際にフライバックトランスに接続し、放電させてみます。どうぞお楽しみに!
今回の連載の流れ
第1回:PWMの基本とTL494
第2回:制御回路の組み立て
第3回:レベルメータの取り付け(今回)
第4回:放電の動作確認