電子工作と私 ~kiluck編~

Kickstarterを席巻! “かわいい!”で世界を振り向かせたロボット工作キット「RAPIRO」

 

ロボット工作キット「RAPIRO」の開発者・石渡昌太さん(kiluck)に、子ども時代の電子工作の思い出や夢などを伺った。

石渡昌太さん

 

Q.子どもの頃のロボットの思い出は?

男の子が好きなロボットアニメは、普通に好きでしたね。でも、「ガンダムオタク」と言うほど詳しくはないです。「RAPIRO」をつくったとき、世界中から「ガンダム好き?あれよかったよね」ってロボットの名前をいっぱい言われるんですけど、全然わからない(笑)。ファンの方は本当にすごいですよね。

 

Q.モノづくりに興味は?

細かい作業が好きでしたね。小学校のとき、僕は手芸部の部長でした(笑)。おばあちゃんが手芸好きで、僕も一緒にやっていたので全然抵抗はなかったですね。6年生の時、部員はいたんですが、部長がいなかった。このままだと廃部になるから6年生で誰か入ってくれないかという話になって、「じゃあ、僕がやります」と手をあげた。僕が手をあげれば他の誰かも手をあげるかなと思ったんですけど、誰もあげなかった(笑)

 

石渡昌太さん

 

Q.電子工作は?

もちろんやっていました。UFOみたいなカタチをしたモノとか、車輪がついて走り回るモノとか、今考えてもよくわかんないようなモノをつくっていました(笑)。僕の子どもの頃は、電子工作キットが、すごい難しくて。説明書もわかりにくくて。とても小学生では組み立てられないレベルでね。最後まで組み立てられなくて、動かなかったことが多かった。今では、電子工作キットがとても丁寧につくってあるので、どんな子どもでも1時間ぐらいで組み立てられるようになっているんですよ。うらやましいというか、悔しいというか(笑)。最近、そのメーカーの方とお話する機会があって、「昔のキットは難しかったですね」と伝えると彼らも認めてましたよ(笑)

 

Q.子どもの頃の夢は?

ハリウッドのスタッフになりたかったです。「ジュラシック・パーク」や「ターミネーター」は、当時全部ロボットで撮っていたんです。CGは「ターミネーター2」から使われるんですよ。「ターミネーター」の1作目は本当にロボットと俳優さんで撮影していたし、「ジュラシック・パーク」の1作目も実際に恐竜のロボットをつくって撮影しているんですよね。それをつくってみたいと思っていました。
幼稚園の頃、「動く恐竜展」があって、それを見てすごい感動したことを今でも覚えています。大きな恐竜を動かす展示って、その頃、物珍しかったですね。そんな夢もあって、機械工学を勉強しようと高等専門学校(高専)へ進学しました。

 

石渡昌太さん

 

Q.高専時代の思い出は?

ロボットコンテストに夢中でした。高専5年間、大学4年間はロボットコンテストばかりでした。チームをかけもちしていて、「NHK高専ロボコン」で全国準優勝したのが最高成績ですね。楽しかったですよ。チームの中には、本当にいろいろなヤツがいる。バイク好きもいれば車好きもいて、もちろんマンガ好きもいて。マンガ好きと車好きは気が合わなくて喧嘩もあるけど、「ロボコン」で勝とうと。そこで、みんな一緒にがんばってやるところが、面白いんですよね。

 

Q.ハリウッド映画のスタッフになる夢は?

残念ながら、学校で機械工学を勉強している間にそういう仕事がなくなってしまいました(笑)。映画は、ソフトウェアでつくる時代になって、全部CGになったんですよね。大学在学中に進路を考えるときに、「ああ、ハリウッドはなくなったな」っていう自覚をしました。でも、こうやって好きなモノづくりを続けていけているので、それは良かったかなと思ってます。

 

Q.最後に今注目しているデバイスなどはありますか?

EnOcean(エンオーシャン)のモジュールが、すごく興味があります。無電力の無線モジュールで、スイッチのカチッと入れる力で発電して、無線を送信するんですよ。だから電池が不要になる。これは面白いなと思っていて。何に使うかは、今考えてます。機械的な“カチッ”という動きは、アイディアや工夫で何かができそうだと思ってます。

 

石渡昌太さん

 

今回の連載の流れ

Kickstarterを席巻! “かわいい!”で世界を振り向かせたロボット工作キット「RAPIRO」
電子工作と私 ~kiluck編~(今回)

 

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