東京大学vs豊橋技術科学大学
泣いても笑ってもこれで最後。
「ここまで来ちゃいましたね」と問いかけるこじるりさんに対して、飄々とした表情で「あ、はい。そうですね」と答える東大の籔内くん。その掴みどころのなさに、会場はもちろんTwitterでも騒然と、もとい、話題になった。
対する豊橋は、メラメラと盛り上がる炎の幻覚が見えるほど、気合いで満ち満ちていた。
「絶対東大に勝ちます。勝てると思います」
実は16年大会で、土壇場にタイムを縮めたという “飛び道具” を秘めていた実績を持つ豊橋。ここまでの最速タイムは東大15秒、豊橋21秒。本年度もどんでん返しが起こりうるか? もしそんな展開になったとしたら、盤石、と見える東大を、秘策で下すことがあったら……!
発想力・創造力・技術力が結集した意地のぶつかり合いが、最終局面を迎えた。
試合開始。
誰もが予想したとおり、勝敗を分けたのはスピード、ただ1点だった。
むしろ、それ以外ではもう差が出ないほど両者洗練されているのだ。”普段通り”の動きで風のようにピックアップ〜受け渡し〜スローイングを行う両チーム。しかしここでも、例のロボット「彼女」が、天才スナイパーのごとくシャトルコックを投げ入れていった。そして16秒、東大のゴールデンシャトルコックがカップに着地した。その瞬間、会場が沸き立った。
こうしてNHK学生ロボコン2018を制したのは、非情、とも思わせるほどの速さと正確性を誇った東京大学だった。
これほど不安要素のない戦いを押し通したチームも珍しいのではないか。そして、これだけの強さを見せつけられ、他チームのみなさんも、「納得」してしまうのでは、と思わせる強さだった。
各賞は以下の通り。
優勝:東京大学
準優勝:豊橋技術科学大学
特別賞:
大阪大学
鈴鹿工業高等専門学校
新潟大学
北見工業大学
豊橋技術科学大学
九州大学
ベストシャトルコック賞:東京大学
アイデア賞:九州大学
技術賞:豊橋技術科学大学
デザイン賞:三重大学
今年も、取材チームの胸を熱くする戦い、ドラマを見せてくれた全てのチームに感謝したい。編集部では、この後も振り返り記事や「解剖計画」で本大会をフォローしていく。