ロボコン / 高専ロボコン2015

高専ロボコン東北地区交流会レポート 後半戦はあの奈良の2機が登場

1日目に続き、2日目の模様をお届け。

 

2日目 08:00 後半戦スタート

07:00きっかり、すでに耳に馴染んだJA職員の方の起床のアナウンスの後、朝食。そして08:00には体育館でのデモがスタート。実演を行うのは……、

  • 仙台・名取のロボミントン機!
  • 前年覇者、熊本・八代の「本気の宅急便(ミニ)」!
  • 奈良の「射抜け!わぶさめくん」!
  • そして優勝機、奈良・大和!!!

……という豪華メンバー。

 

仙台・名取のロボミントン機!

2015年から高専も参加できるようになった、”大学” 改め “学生” ロボコン。この機会に果敢にチャレンジした仙台・名取は、タイトな日程にもかかわらず、自動機を仕上げていた。今回はその実機を持ち込み、大学でも諦めるチームが続出した自動機についてのデモを行った。「学生ロボコンは敷居が高いように感じるかもしれないけど、実はそんなことない」というメッセージは、きっと現役生の心に刺さったに違いない。

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前年覇者、熊本・八代の「本気の宅急便(ミニ)」!

八代・本気の宅急便のデモは、感嘆の声が漏れる出来。進路上の障害物をクリアするテキパキとした動作、そして大きく揺れてもせいろを落とさない保持機構ともに、大会時以上のパフォーマンスを見せていた。個人的には、「ブブブ、ブ、ブブブブブ……」というエアブレーキの音のメカ感がたまらない。このミニ版ロボットは、高専機構のアテンドでアメリカに持ち込み、工科系大学でデモを行ったとのこと。凱旋。

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奈良の「射抜け!わぶさめくん」!

そして全国大会のエキシビションで注目度の高かった、「わぶさめくん」。現地では客席からしか見ることができなかったが、今回は間近でその機構を見ることができた。わぶさめくんの特徴は、その人の手のような動き。これを実現する、肩、腕、輪の保持、装填、射出の仕組みは、おそらく一度見ただけでは誰も理解できないのではないか。動画でどうぞ。

 

そして優勝機、奈良・大和!!!

奈良・大和は言うまでもなく優勝校。そのデモは、間違い無く一番の注目度だっただろう。マイクを持って解説したのは、1日目に発表行ったのと同じ外山さん。やはりキャラ立ちまくりで、そのロボットに対する愛や勝利者であることの自負がそうさせるのか、もはやメーカー勤務10年、という貫禄に見えた。デモでも見事サンバースト・超ビッグリングの3本がけや、ポールに相手のマシンごとかけてしまう荒技を披露し、拍手を呼んでいた。

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そんなビッグネームのデモの中に、デバプラ&ラピスセミコンダクタも加えていただき、折り鶴型飛行体「ORIZURU」の実演を行った。各校のロボットと同様、これもまごう事なき1点モノ。これを操縦できるのは、なかなかのレアさだったのでは、と自負している。

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この後、自由に見学・質疑応答できる時間を経て、参加者はふたたびメインの教室へ。

 

09:40 再び各校の発表 旭川高専

旭川はBチーム[-Umbrella-]の技術発表。輪を回転させて飛ばす方式で、その飛距離をロータリーエンコーダを使って実現する具体例や、多くのチームが苦労したと思われる、通信方式について解説した。

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09:50 岐阜高専

岐阜Aチーム「OBRÒT」の紹介。その名は、ポーランド語で「回転」を意味し、さらにROBOTのアナグラムとのこと。クール。比較的珍しいであろう、Raspberry Piを使ったカメラによる操縦者アシスト機能を紹介した。

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10:00 久留米高専

久留米高専は、Aチーム「Fortress」。「要塞」とはこれもクール。通信トラブルに備え、3つの電波を使って万全の体制を敷こうというアイデアを発表してくれた。

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10:10 群馬高専

こちらも国技館を沸かせた、「上州カウボーイ」の発表。あの輪投げを実現するために使用した、ソレノイドを核にしたアームの機構を教えてくれた。全体的な動きだけではなく、アームではかなりの高度な制御が行われていたようだ。

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10:25 長岡高専

Aチームの「輪勝輪翔(わっしょいわっしょい)」という名は、「3徹のテンション」で付けたらしい。これはこれでクール。マシンの紹介とともに、オフシーズンにどんな活動を行っているかも教えてくれた。「NHKリベンジ」と題し、優勝校のコピー機を作る活動も行っているらしい。これはすごい。

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10:35 富山高専・本郷

こちらもRaspberry Piを利用した。そのメリットを発表。エラーログが残りデバッグがしやすいことや、.iniファイルがあることでスピードや射角の調整がしやすくなったとか。逆に、大きなデメリットはなかったようだ。

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10:45 木更津高専

木更津は自チームでの安全対策についてプレゼン。これは重要。常に保護メガネ着用、危険な部分はかならずピンク色に統一した緩衝材で養生、1日1回のレビュー会、エアタンクのモジュール化など、徹底している。安全を突き詰めると、効率化にも繋がるということも教えてくれた。

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11:05 仙台高専・広瀬

Aチーム「onyx」は宝石の名前。その宝石言葉が「強い信念で勝つ」というような意味だったので、とのこと。塩ビ板に回路をタテ積みし、異常にかっこよかったのだが、異常にデバッグ性が悪い結果、になってしまったようだ。Bチームは「パセリ」で、その花言葉が「勝利」もしくは「死の前兆」ということで、これもある意味凄みのあるネーミングではないか。

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11:25 仙台高専・名取

名取は高専ロボコンAチームBチームに加え、学生ロボコンのロボミントン機の発表。ロボミントン機のシャトル認識は、背景差分法で行っているとのこと。3Dでの誤差補正の難しさ、その課題へのアプローチなどを包み隠さず発表していた。

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11:45 福島高専

「走ったまま輪を投げられる自動機」をどう実現したか、アイデア出しからコンセプトの決定、実装までの経緯を含めて発表。最後は「ほうれんそうが足りなかった」などの反省点もしっかり。

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12:00 ホスト校 仙台・名取 桜庭 弘先生による挨拶

以上で、学生のみなさんによるプログラムは終了。

最後は桜庭先生による挨拶。おそらく東北では、2−3年後には自動運転車が普通に走り、ドローンが町中を飛ぶようになっている、というビジョンを語った。そして「申し訳ない話」と前置きしながら、福島高専が取り組む「廃炉ロボコン」をはじめ、世界がますますロボティクスを必要としている現状について述べた。

なかでも記者の心に刺さったのは、「もし地球最後の日が来て地球を脱出しなくてはならなくなったら、僕は高専生が作ったロケットに乗る」という言葉。これ以上に、高専愛が溢れるひと言があるだろうか。

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そして最後は、参加者はもちろん、運営スタッフ、地区外からの参加者やその関係者、関わった人すべての感謝を込めた、大きな拍手でフィナーレ。こうして、平成27年度東北地区高等専門学校ロボット技術者交流会(正式名称)は幕を閉じた。

記者の蛇足を付け加えるならば、冒頭に挙げた通り、本当に楽しかったに違いない、濃密な24時間だったと感じる。楽しいと言っても、もちろん騒ぐだけではなく、技術や人に触れ、知り、インスパイアされ、明日へのエネルギーを充填する、というような意味。これはまさに、このデバプラがやりたいことと同じ。編集部もみなさんからエネルギーをもらい、ますますやる気が出た。本当に、参加させてもらえてよかったと思う。スタッフのみなさん、参加者のみなさん、ありがとうございました!

 

前半戦の模様は、こちらからかどうぞ!

写真集も作りました!

写真:内田 龍

NHK学生ロボコン2016 出場ロボット解剖計画
Device Plus 編集部

エレクトロニクスやメカトロニクスを愛するみなさんに、深く愛されるサイトを目指してDevice Plusを運営中。

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