ロボコン

「あの時のピットvol.6」高専ロボコン2023ローム賞受賞校編!
熊本高専(熊本)に聞いた!高専ロボコンを振り返って!

「アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2023(以下、高専ロボコン2023)」が2023年10月に8つの地区大会、そして11月に全国大会が開催された。試合会場、またテレビやライブ配信だけでは伝わりきらない、各出場チームが経験した舞台裏に光を当てる本企画「あの時のピット」!
ローム賞を獲得した高専の中から、全5校にインタビューしました。

第一弾は、熊本高等専門学校・熊本キャンパスAチーム「韋駄天ダッシュ」(以下、熊本高専(熊本))の島川さんに「あの時のピット」を振り返ってもらいました。

目次

  1. 2023年高専ロボコンのルールをおさらい!
  2. 熊本高専(熊本)の「あの時のピット」

 

1. 高専ロボコン2023のルールをおさらい!

競技テーマは「もぎもぎ!フルーツGOラウンド」。
1チーム1台のロボットで、2分半の制限時間内にコースに設置されたフルーツを模したボールを収穫し、合計点で勝敗を決める。2週目からはお助けアイテムを付けることができ、センターゾーン内の高い位置のフルーツも獲得することができる。複数の障害物がありコースを周回することがまず難しく、そして床から2~2.4mの場所に設置されているフルーツを取るためのアイデアと作戦が試された競技だった!

 

■2023年競技テーマのポイント

障害物をクリアする機構と、フルーツを獲得するための機構を規定範囲内で1つのロボットに搭載することが重要だ。
障害物は2種類。1つは複数設置された角材で、もう1つは最下部の高さが10cmほどのたわんだロープ。角材は遠目から見たらわかりづらいが6~9cmあり、乗り越えるためには足回りの機構が重要となる。

また、ロープも扱いが難しい。ロボットの機体を低くすればフルーツが取りづらく、高くするとロープをクリアするのが厳しくなる。その上、ロープの支柱を動かすとリトライとなってしまうのだ。
全チームの対策を振り返ると、大きく3タイプの機構が見られたが、それぞれにメリット・デメリットがあり、その選択や作り込みが勝敗を分けたように思う。

「① 潜り抜ける」はスピーディに周回できるが、機体を低くする必要があり、フルーツ収穫時の操作が難しくなる傾向にあった。

「② 乗り越える」は足回りの車輪を折りたたむ、あるいは踏み越えるなど、着実にロープを乗り越えるのだが、①③に比べると時間がかかる。一方で機体の高さを出せるため、1週目からフルーツの収穫=得点が可能なり、着実に勝ち点を取るチームが多かった。

「③ ロボット内をロープが潜り抜ける」はロボットが電気的に上下に分かれており、ロープがセンサなどに触れると支持体が一部だけはずれ、ロボットの中をロープが潜り抜ける機構(ロボコン界隈では一部で「ハラキリ機構」と呼ばれていた)。①ほどではないが早い動作性が特長で、かつロボットの高さも保持できるため②のような着実な得点が可能。一方で、センサに不具合が発生したり、ロープを巻き込んだりするとそれ以上コースを進めなくなるというリスクもあった。

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そんな高難度な大会を熊本高専(熊本)は、どのように乗り切ったのだろう!

2. 熊本高専(熊本)の「あの時のピット」

Q:2023年大会に参加するにあたってのコンセプト、努力したポイントを教えてください。

A:6つの上下する車輪で角材・ロープの乗り越えに工夫をし、フィールドを最速で周回するコンセプトにしました。設計では、大量のキャスターとインホイールモーターを使用し、角材とロープの乗り越えをスムーズに。さらに、ジャイロセンサーとフレキシブルリミットスイッチを組み合わせて制御面を強化しました。これにより、操縦者の負担が軽減され、練習では45秒でフィールドを周回可能となりました。
また、最速での周回に加え、試行錯誤の末、通過するだけで収穫できるお助けアイテムの形状を考えました。

Q:2023年大会に向けてマネジメント上、工夫したことはありますか?

A:私たちのチームは熊本キャンパスとしては異例の3年生が最高学年で構成され、高学年がいない状態でした。チーム運営と技術力は未熟でしたが、メンバー同士のコミュニケーションを盛んにすることで学年の隔てが無い、連携力のあるチームを構築しました。また、タスクの管理方法を改善し、ホワイトボードを活用して進捗を意識した活動を行うことができました。

Q:大会準備でぶつかった壁と、乗り越えた方法を教えてください!

A:ロボットの重心に関して苦労しました。初期はロボット中央にある角材・ロープを乗り越えるための2つの車輪が連動して上下するものでした。しかし、そのアイデアだと重心の位置が悪く、ロボットが倒れてしまいました。この問題を解決するため、2つの車輪が別々に上下するように設計変更しました。この設計変更は大掛かりで、また設計変更しても解決できない可能性もありました。不安がありながらもチャレンジした結果、見事にロボットを安定させることに成功!地区大会では一度も倒れずに試合を終えることができました。

Q:熊本高専にとっての「あの時のピット」とは?

A:大会当日、車輪を上下させる機構に問題が発生しました。セットカラーのネジが潰れ、締めることができなくなりました。ネジを締めないと角材・ロープを乗り越えることができません。悪戦苦闘しながら解決策を模索。他高専のピットを周り、潰れたネジを取り外すための工具を大分高専さんにお借りしてネジの交換ができました。修理できた瞬間、チーム全員は喜びに沸きました。

第1試合に勝利し、第2試合前に再び問題が発生。交換したネジが千切れ、再び角材・ロープを乗り越えることができなくなった状況で第2試合に臨みましたが、試合前半は問題なく動作。後半は苦戦しましたが、何とか勝利しました。決勝トーナメントに進出したものの、とにかく不安で勝てるかどうかギリギリの戦いだったので、担当したメンバーは緊張から解放されて泣きながらピットに戻っていました。
その後、OBが購入してくれたパテでセットカラーを固定することに。限られた時間の中で、何とか付いてくれと祈るような気持ちでメンバーと交代しながら必死に団扇で扇ぎました。その時、メンバーの中に1人も諦める人はいませんでした。

準決勝では、パテの固定が十分でなかったことに加え、メンテナンス時の配線の問題で思ったような動作が叶わず敗退してしまいました。

Q:2024年大会の意気込みを教えてください!

A:今年の敗因は練習不足と準備不足だと考えられ、後悔は数え切れません。しかし、私たちの目標は強豪校と呼ばれることであり、2024年大会に向けてメンバーは士気と技術力の向上に努めています。日々進化し、熊本キャンパス初の地区大会優勝を目指します!

公式XのURL:熊本高専(熊本)ロボコン部

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