パソコンやスマートフォン、ドローンにロボット---。世の中には電気で動く製品が数多くあります。パソコンやスマートフォンなどといったユーザが操作してさまざまな情報を受け取る製品や、空中を飛び回るドローンといった機器などだけでなく、冷蔵庫や炊飯器、電気スタンド、おもちゃまであらゆる製品で動作するのに電気が役立っています。
操作したり、動かしたり、光らせるといった動作は、電子回路という電気の通り道でスイッチやLEDなどをつなぐことで実現できます。
この電子回路を操作するのに役立つのが「マイコン」です。マイコンはプログラムによって電子回路を自由に操作することが可能で、有名なものですと、この記事でも紹介している「Arduino」や「Raspberry Pi」、「micro:bit」など多数の製品が販売されています。
簡単に操作できるとはいえ、これから始める場合はどのように、進めるかわからないかもしれません。しかし一見難しいように思えますが、手順を踏んで進めることで、だれでもマイコンで電子部品を制御できるようになります。
そこで、本記事ではこれまで紹介してきたArduinoでの電子工作やマイコン、電子部品の記事の中から、電子工作についての知識を付けられる記事を順に紹介します。
基礎編 1. 電子工作とはなんだろう
まず、電子工作やマイコンは何であるかを知りましょう。また、初心者がまず覚える電子回路の制御として利用するマイコンの「Arduino」について、Arduinoや電子部品の購入方法についても紹介します。なお、電子回路の制御は「デジタル出力」「PWM出力」「デジタル入力」「アナログ入力」の4つについてマスターしておきます。
基礎編 2. Arduinoを準備する
Arduinoを動かすには、パソコン上でプログラムを作成するための開発環境「Arduino IDE」が必要となります。Arduino IDEを導入して、プログラムができる環境を準備しましょう。
また、電子回路を簡単に作成できる方法についても紹介します。
基礎編 3. デジタル出力でLEDを点灯制御する
Arduinoから電子部品を制御する方法として、「デジタル出力」があります。デジタル出力は、オン、オフのような二通りの状態を切り替えられる制御方法でLEDを点灯したりモータを回転するなどに利用されます。LEDを使って、Arduinoでのデジタル出力に方法を説明します。
また、電子回路を使う上で知っておく必要のある「電圧」や「電流」などについても説明します。
基礎編 4. PWM出力で明るさを調節する
PWMという制御方法を使うと、LEDの明るさやモータの速度を変化させることが可能となります。そこで、PWMを利用したLEDの明るさの調節方法を紹介します。この際、実際に実験することでPWM出力の原理について知識を深めます。
基礎編 5. モータを制御する
モータのような大電流が流れる電子部品は直接Arduinoにつないで制御できません。モータを使う場合にはモータドライバといった電子部品を介して制御することとなります。そこで、モータドライバを使ってモータを回転させる方法について説明します。さらに、PWM出力することでモータの回転速度を変化させる方法についても紹介します。
基礎編 6. デジタル入力でスイッチの状態を入力する
スイッチのようなオン、オフが切り替えられる電子部品の状態を読み取るには「デジタル入力」を利用します。スイッチの状態を読み取れれば、LEDを点灯制御させたり、ロボットの操作をするなどさまざまな制御ができるようになります。
この記事ではArduinoのデジタル入力方法をできるようにします。またスイッチからの入力を安定化させるプルアップについても説明します。
基礎編 7. アナログ入力でボリュームの状態を読み取る
明るさや音量を調節するといった際には、ボリュームという電子部品を使います。ボリュームを使うことで電圧を自由に変化させることができます。電圧の状態は「アナログ入力」を利用することでArduinoで読み取れるようになります。そこで、ボリュームを利用して電圧を調節し、その状態をArduinoで読み取ってみます。
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基礎が理解できたら実際に作品を作成してみましょう。しかし、どのように作品を実現するかは難しいでしょう。デバイスプラスではArduinoやさまざま電子部品を組み合わせた応用方法を紹介しています。これらの記事を読んで、どのように作品を制作しているかを見てみましょう。
応用編 1. LEDとソーラーパネルを使ったアート作品
植物のように太陽光を利用して動作するアート作品を制作しています。ソーラーパネルで電気を生成してマトリクス状に配置したフルカラーLEDを生き物のように点灯します。また、加速度センサーを組み合わせることで指で突っつくなどすると反応します。
応用編 2. 市販のロボット工作キットを改造してArduinoで制御
チェーン状に配置したブロックで制御できるタミヤ製ロボットキット「チェーンプログラムロボット」を改造してArduinoで制御できるようにします。前進や後退、左右に旋回するためにモータ、首の向きを替えるためにサーボモータ、目を光らせるためにフルカラーLEDを利用しています。
応用編 3. 連続したフラッシュを発光させ、記者会見を体験できる
ワイドショーなどでおなじみに謝罪会見で、フラッシュが連続して焚かれるのをArduinoで実現しています。超音波距離センサーを利用して頭を下げたことを検知してフラッシュのように高輝度LEDを連続して点灯します。また、MP3再生モジュールを利用して、フラッシュの音をスピーカから鳴らします。
応用編 4. 自作ドローンをArduinoでコントロール
自作で製作したドローンに、Arduinoを搭載し、自動で制御できるようにします。GPSを搭載して現在地を取得し、目的の方向に飛んでゆきます。
応用編 5. ドローンで荷物配送を実現する
ドローンに荷物を取り付け、所定の位置に到着したら、荷物を切り離すようにします。Arduinoを搭載し、GPSで位置を計測しながら目的の位置まで飛んでゆきます。所定の位置に達したら高度を徐々に下げてゆき、超音波センサーで地面までの高さを計測し、所定の高さ以下になったら、サーボモータで荷物を切り離すようにしています。
また、以下のページでは過去に連載「はじめての電子工作超入門」でArduinoを使った記事について紹介しています。Arduinoの応用の方法についても多く紹介しているので、併せて参考にしてみてください。