ロボコン

第16回 全国高専ロボコン交流会レポート:後半戦~ ロボコンを合言葉に、刺激し合うのが楽しい。

前半: 感動とカオスに満ちた、濃密な24時間!

 

学習意欲が、ハンパない。ロボコンを共通言語に、情報交換

16:30 分割会議1
日が暮れるころには、ようやく格技室のブース展示も終わりを告げた。そして次は参加者それぞれが部屋に戻り、分割会議のスタートだ。これは各人の交流を進めるため、初対面同士の学生を同じ部屋にして、それぞれ自由に議論させるものだという。それでは、いくつかの部屋を覗いてみよう。

最初に訪れたのは、女子部屋!(いやいや、別に記者が選んで行ったわけではなく、あくまでたまたまですよ・・・) みんな初対面なのでちょっとモジモジした感じが初々しい。おそらく時間が経てば、仲良く議論を交わせるようになるはず・・・がんばれ!

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次の部屋では、今シーズンを振り返って活発な議論を重ねていた。学校はみんな違うものの、ロボコンという「共通言語」で、さまざまな情報交換を行えるのだと感じた。
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3つ目の部屋は、入るや否や、空気がピンと張りつめたような真面目な雰囲気。制御班を中心に集められた面々。でも話の内容は「技術が半分、たわいもない話が半分」だとか。
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4つ目は先ほどと一転し、笑い声で記者を待っていた明る過ぎる部屋。でも議論は真剣。冗談がいつの間にかマジな技術論に変わるのを見ると、日本の未来も明るいと感じた。
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最後に訪れた部屋では、今シーズン使ったセンサやマイコンの情報交換を行っている真っ最中。自作の基板を見せながら、熱く語り合っていた。「自分の高専だけではわからないことが、いろいろわかった」と交流会ならではのメリットを話してくれた。
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17:30 夕食
熱気あふれる午後を過ごし、やっと夕食の時間。しかし330人が集まるイベントだから、食事も大変だ。部屋のフロアごとに少しずつ時間をずらしながら、みんな整然と食事をとっていく姿に、ある種、感動を覚える。給仕は幹事やOB達が務め、施設の職員さんの手間を少しでも減らそうとする姿勢は、大人たちも多いに学ぶべき!(実際、大人になると忘れてしまいがちです。)

整然と並ぶ高専生たち。給仕は幹事やOB、というのがスバラシイ!
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談笑しながら食事をとる代表の皿谷さん(右)と、代表補佐で次期代表の久保田さん。
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七人の先駆者に学べ! 大プレゼン大会

19:30 プレゼン
夕食や入浴が済んで少し落ち着いたら、いよいよ今回のメインイベントともいえる「プレゼン」。質疑応答を含め一人約25分の持ち時間で、7名のプレゼンテーターが登場した。

プレゼン1:高井和真さん(神戸高専4年)
高井さんのテーマは「高専ロボコンでロボットを作るとは」。大会で最も避けなくてはならないのは「ロボットが動かない」という事態。それを防ぐためにどうするか。高専ロボコンの技術的な底上げを狙った、ロボコニスト必聴のプレゼンだった。
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プレゼン2:古園井洋治さん(有明高専OB)
古園井さんのテーマは「チームメンバー構成の考え方」。少ないロボコン部員をどうマネジメントしていくかという課題の中、どんなチーム構成にすればいいのか。またチームに生じがちなトラブルなどを実例で解説。組織論としても一級品の講座だった。
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プレゼン3:久保田樹さん(サレジオ高専4年)
久保田さんのテーマは「30万の文鎮」(?)。いやこれがもう、R1グランプリかと思わせるほどの抱腹絶倒で!久保田さん率いるサレジオ高専の今シーズンのロボコンとの格闘を、実に面白おかしく話してくれた。彼のプレゼンテーターとしての実力に、思わず脱帽!
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プレゼン4:武田伊織さん(高知高専5年)
武田さんのテーマは「高専生活とロボコン」。ロボコンに熱中するあまり留年すれば、ロボコンキャリアも終わる。ではどうすればいいか、高専ロボコニストが抱えるいろんなジレンマを具体的に解決する方法を説明してくれた。これはみんな大いに役立ったはずだ。
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プレゼン5:田光太郎さん(富山高専射水キャンパス3年)
田光さんのテーマは「0から始める部畜生活」。交流会や大会では多くの人が参加しているロボコンだが、競技人口はわずかなもの。技術もまだまだ公開されておらず、ロボコン生活って本当に難しい。日々、どう折り合いをつけていくか、田光さんのノウハウを拝聴。
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プレゼン6:小林進之輔さん(サレジオ高専OB)
小林さんのテーマは「大会でミスを防ぐために」。起こりがちなヒューマンエラーを①認知段階でのエラー②判断段階でのエラー③行動段階でのエラーの3つに分け、それぞれが起こる確率を少しでも下げるために何をすればいいのか、ソフト面とハード面で説く。
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プレゼン7:平塚輝さん(秋田高専OB)
平塚さんのテーマは「ロボコンについて語るときに、僕の語ること」。午後の研修会に続き、人を動かすために何が必要かをプレゼン。平塚さんは、それには「教養」が必要だと語る。では「教養」を高めるには何が必要か? ロボコンに限らず人生そのものの指針となるようなプレゼンだった。
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21:00 1日目のプログラム終了!
平塚さんのプレゼンが終わったのは、そろそろ午後9時も過ぎようかというころ。高専ロボコニストたちも、今日のスケジュールを消化してお疲れのご様子。ここで記者も総合体育館を後にして家路へ着かせてもらった。

朝から車座になって議論、議論、議論

2日目 12/23(日) 9:00 分割会議2
翌日、早速やってきた記者の目の前に広がったのは、「ブース展示」を思わせる、再びあの混沌とした状況!朝から活発に、分割会議が繰り広げられていたのだ。
「分割会議」といっても、昨夜のそれとは異なり、例の格技室や例の和室大広間でみんなが車座になって議論しているのである。
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あちこちに広がる議論の輪!もうすぐ終了となる今年の交流会を惜しむかのように、ぎりぎりの時間までいろんな話をし尽くしているようだ。
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元代表で今回の交流会でも大活躍の平塚輝さんを囲む高専生たち。みんな熱心に聞き入っていた。
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何やら二人で話しこんでいる奈良高専生と和歌山高専生。県が隣同士だから、以前からの知り合いかと思って聞いていると、ついさっき知り合ったばかりだそう。ロボコンが取り持つ縁はいろんなところに散らばっている。
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ザワザワとした雰囲気の中、居眠りする二人。彼らの名誉のための言っておくと、彼らは決して怠惰なわけではない。実は昨夜、この大広間では夜通し、いろんなグループが活発な議論を戦わせていたようだ。そのため今朝はぐったりしているのだとか。眠り込んでいる人も結構いる・・・。みんな、お疲れさまです!
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美女発見!(笑)クリスマスの時期だからこういうことも起こり得るのかと、編集部も納得。次期幹事さんだそうです。
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混沌とした中に熱い感動があった濃密な24時間

10:45 閉会式
怒涛の分割会議2が終わったら、いよいよ閉会式。混沌と感動が入り混じった今回の交流会も、ついに終了である。
ミニロボコンの表彰式、代表の皿谷さんの挨拶の後、次期役員が紹介された。
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最後にデバプラ編集部から、クリスマス・プレゼント!みんなに喜んでもらえたか今でも不安で胸がいっぱいなのはここだけの話。
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クイズとジャンケンで壮大なプレゼント争奪戦(?)が繰り広げられ、熱気を帯びつつも一大イベントは終了した。
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心地よい疲れと余韻。また会おう!

OBの力を多少、借りているとはいえ、まだ20歳以下がほとんどの学生たちだけで、これだけのイベントを仕切り、大きな事故も混乱もなく終えられたのには、本当に舌を巻く。いろんな話を聞かせてもらえ、その中で「いつもデバプラで、情報を仕入れさせてもらってます」という言葉なども頂戴した。うれしい限りだ。彼らの熱気に負けないよう、我々デバプラ編集部ももっと熱を持って、もっと勉強を重ねていかねばならないと感じた。

混沌とした中に熱い感動があった濃密な24時間。皿谷代表をはじめ幹事、スタッフのみなさん、参加者のみなさん、本当にありがとうございました!

下の写真は、会場となった兵庫県立総合体育館から家路へと向かう高専生の一群。今回のイベントから彼らが持ち帰ったものは、きっと大きいものだったと信じたい。
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今回の連載の流れ

前半: 感動とカオスに満ちた、濃密な24時間!
後半:ロボコンを合言葉に、刺激し合うのが楽しい。(今回)

NHK学生ロボコン2016 出場ロボット解剖計画
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