ロボコン

NHK大学ロボコン2014:結果リポート!!

大会総評

待ってろ、インド!
名古屋工業大学が初優勝!

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大波乱の「NHK大学ロボコン2014」は、圧倒的な試合運びで「名古屋工業大学」が初優勝し、幕を閉じた。「金沢工業大学」「東京大学」など強豪が次々に敗れる今大会を振り返る。

予選リーグリポート

大方の予想を覆す展開。
「名古屋工業大学」が台風の目に。

予感は、昨日からあった。リハーサルで「名古屋工業大学」が59秒でシャバッシュ(4つの課題をクリア)する大記録を叩き出していたからだ。昨年決勝で激戦を繰り広げた「金沢工業大学」や「東京大学」などの強豪が調整に手間取るなか、「名古屋工業大学」はリハーサルの会場で圧倒的なスピードとともに安定感も見せつけていた。今日の予選リーグも、それは変わらない。予選2試合ともシャバッシュを達成(88秒、60秒)。一方、「東京大学」は一試合目でシャバッシュ(69秒)するも、2試合目にはスピードを追い求めたギリギリのセッティングが違反を招いて敗退。得点でグループ1位にはなるも次に不安を残した。2年生のみで臨んだ王者「金沢工業大学」も1勝1敗の厳しい戦いを強いられる展開。グループ1位にはなれず、ワイルドカード枠でなんとか望みをつないだ。

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波乱渦巻く予選リーグだったが、「親子のつながり」がテーマとなる今大会は微笑ましいシーンも多かった。「明治大学」は誰もやらない“ユニークさ”を追求し、ヒト型の子供ロボットでチャレンジ。子供ロボットがブランコのチェーンを両手でつかむシーンに会場は朗らかな笑いに包まれた。また、ヘビ型の子供ロボットのユニークな動きに歓声が上がった「京都工芸繊維大学」。子供ロボットが飛んでいく“フライング”に会場が沸いた「豊橋技術科学大学」など、独創的なロボットも多く登場し、そのたびに会場は驚きと笑いに包まれた。両大学とも見事決勝トーナメントに進出した。

また、予選で敗れたものの、来年につながる希望も生まれた。初出場から7年ぶりの出場を果たした「千葉大学」は2試合目で初得点・初勝利を飾った。「東京大学」が焦りでミスを繰り返すなか、地道な試合運びで大金星をあげた「岡山大学」も5年ぶりの出場。会場から温かな拍手で祝福された両大学とも、来年につながる大きな経験を後輩たちに残した。来年が楽しみである。

【決勝トーナメント出場校】

名古屋工業大学、東京工業大学、京都工芸繊維大学、金沢工業大学、豊橋技術科学大学、
東京大学、長岡技術科学大学、大阪工業大学

決勝トーナメント

[準々決勝]

優勝常連校がまさかの敗退!
昨年の”2秒”の呪縛解けず

一番大きな歓声は、第3試合に生まれた。ポールウォークで一本目のポールに設置した子供ロボットがジャンプして4本目のポールを掴んだのだ。予選で2度とも失敗していた「豊橋技術科学大学」の挑戦は大成功。会場は大きな興奮に包まれた。そのまま、最後のジャングルジムも頂上にジャンプ。初のシャバッシュに成功した。一方、相手の「東京大学」は予選リーグで1敗した呪縛に最後まで苦しんだ。「スピード」へのこだわりと「同じミスはできない」というプレッシャーが焦りを生み、違反を招く結果に。昨年決勝で2秒差で敗れた記憶に最後まで苦しめられた悔しい敗戦となった。また、予選リーグを沸かせた「京都工芸繊維大学」は、「金沢工業大学」の厚い壁に屈する。ヘビのようにくねくねと動く子供ロボットはポールウォークまでたどり着けず、再びあの歓声を受けることなく涙をのんだ。「名古屋工業大学」は3試合連続シャバッシュを達成!「東京工業大学」を寄せ付けない安定した試合運びをここでもみせた。「長岡技術科学大学」はこの試合で初のシャバッシュ(2分45秒)を実現。予選リーグから調整し、決勝トーナメントで結果を残す底力を見せた。

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[準決勝]

王者の厚い壁を打ち破る風は吹くか?
あの”ジャンプ”は成功するのか?

苦しんだ王者の姿はそこになかった。3つ目のポールウォークまで接戦。「金沢工業大学」と「名古屋工業大学」の戦いは、最後までもつれた。しかし、2年生中心の「金沢工業大学」はこの日一度もシャバッシュを達成していない。一方、「名古屋工業大学」はすべてシャバッシュを達成。その差が最後に出た。試合開始から85秒後。シャバッシュの旗をあげたのは、強い風で大会を席巻する「名古屋工業大学」だった。昨年の王者は、ライバルに優勝を託し、決勝トーナメントから消え去る。
一方、2試合目は、誰もが「豊橋技術科学大学」の勝利を確信していたかもしれない。前試合の子供ロボットのジャンプ成功は、誰もの目に焼き付いていた。しかし、「長岡技術科学大学」は揺るぎない。しっかり着実に進め、課題をクリアしていく。一度しか成功してないジャンプ。試合ごとに精度とスピードを上げていくロボット。両大学の違いが結果に出た。ポールウォークでジャンプを失敗する「豊橋技術科学大学」をしり目に、試合開始から2分2秒後。シャバッシュを成功したのは「長岡技術科学大学」。次はさらにタイムを縮める予感すら感じさせる安定感のある勝利だった。
「豊橋技術科学大学」のジャンプの成功はもう一度見たかったと誰もが思った。

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[決勝]

5試合連続シャバッシュ達成!
完全制覇で「名古屋工業大学」が初の王者に!

圧倒的なスピードと安定性で予選を勝ち抜き決勝にのぼりつめた「名古屋工業大学」。不安があるとすれば、記録が伸びないこと。予選こそ88秒、60秒と記録を伸ばしたが、決勝では、87秒、85秒と足踏みしていた。一方、「長岡技術科学大学」は、予選こそ苦しんだものの試合ごとに精度を上げ、決勝トーナメントでは2試合連続シャバッシュを達成。照準を決勝に合わせてきた感すらあった。しかし、いざふたを開けてみれば、そんな不安を「名古屋工業大学」は一蹴。その試合運びは、昨日のリハーサルから変わらない。ブランコでミスはしたもののそれ以外は圧倒的なスピードと安定感で試合を決める。全試合シャバッシュという完全制覇で大会を制した。2014年6月1日現在、世界の最高タイムはベトナムのチームが出した54秒だという。今日の最高タイムは60秒。その差は6秒だが、この大会で見せた「名古屋工業大学」のスピードと安定感には期待したい。大会で見せた風を、インドでももう一度吹かせてほしい。

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尚、熱戦の模様はNHKで2014年7月21日(月・祝)10:05〜 放送されます。
是非、映像で熱い死闘と各校のロボットの動きをご覧下さい!

出場ロボット解剖計画
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