ロボコン

NHK学生ロボコン2017 テストラン速報

昨年に引き続き、大田区総合体育館で開催されている「NHK学生ロボコン2017」。
優勝校は8月27日、同じ会場でABUロボコン東京大会に出場することになる。
国際大会のホーム開催は、同じ会場でマシンを動かせるという意味でもアドバンテージになるだろう。
 
ここからは、マシンの特徴別にいくつかのチームを紹介していきたい。
テストラン1、2巡目を見た限りなので、もし認識の違いがあればご容赦いただきたい。

マシンの射出機構には、大きく分けて5つの種類があった。「ローラーによる打ち出し」「ベルト射出」「スイングバット」「ロボットアーム」、そして「複数枚をまとめて投げる」方法だ。主流はローラーかベルトによる射出のようだが、ひとつとして同じ機構はなく、各チームの試行錯誤の結果が見える。
 

ローラー打ち出しタイプ

1~4つのローラーでディスクを打ち出す機構。ローラーの数によってガイドレールの形状が異なる。
ローラー1つの機構の投げ方は、まさに人間がフリスビーを投げる時のような軌道だ。
この方式の射出機構を複数備えたマシンは大きく、ディスクが同時に「ふわり」と舞う姿はかなり美しい。

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目立っていたのは、長岡技術科学大学
1つのローラーで射出する機構が7つあり、大輪の花のようなフォルムだ。大きなカーボンフレームもかっこいい。
仙台高等専門学校名取キャンパスもよく似た華やかな形状だ。唯一の高専チームとして応援したい。
 

ベルト射出タイプ

2つのローラーに渡したベルトでディスク加速の距離を稼ぐ。
スピードがあるためボールヒットの精度は高いが、飛行軌道が直線に近くなるのか、スポットに乗せるために細かい角度調節を備えたマシンが多かった。

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印象的だったのは京都工芸繊維大学。縦に近い斜め射出の機体で、射出機構は1つ。
一見シンプルだがディスクにバックスピンがかかっており位置精度が高い。2回めのテストランでAPPARE達成(2分00秒 もちろん参考タイム)。
 

スイングバットタイプ

スライドするバット、もしくはアームによる打ち出し。ゴムやエアシリンダで動作していると思われる。24校中2校(東工大・三重大)がこの形式を採用していた。ディスクに回転がかからないため精度が落ちるかと思ったが、そうでもない様子だ。

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会場の注目を集めたのは三重大学。コンパクトでシンプルな機構に見えるが打ち出し精度が高いのか落下位置のばらつきが小さい。2回めのテストランでAPPARE達成(2分50秒)し、会場を沸かせた。
 

ロボットアーム

ディスクを掴み、投げ上げる。「ぽいぽい」とアームが動く様はかなり可愛らしい。連射にはやや不向きだが精度は高く、確実に乗せていくのに適しているようだ。24校中2校(新潟大・九州大)がこの方式を採用している。

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うち、新潟大学は、1本のロボットアームが「下手投げ」でバックスピンをかけながら縦向きに投げる。小型の機体で、精度が高い。テストラン1回目でAPPARE達成(2分20秒)し、会場から拍手があがった。
 

砲丸投げ

砲丸投げのイメージで、複数枚のディスクを一度に投げる。空気抵抗の影響を減らし、まとめてスポットに乗せることができれば大量得点を狙える。24校中4校が採用していたが、4校すべてで、得点と別に、ボールを打ち落とすための射出機構が搭載されていた。
このタイプのうち、戦略的に面白かったのは東京農工大学と東京工科大学だ。

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東京農工大学は、ボールを落とすためのディスクを丸めて弾丸状にして打ち出す。思わぬかたちの飛翔体に会場がどよめいた。エアシリンダによる投擲も、重なったホットケーキがまとまって飛んでいくようで見ごたえがある。
一昨年の高専ロボコンで産業技術高専荒川キャンパスが採用した方式で、荒川から編入したロボコニストが今回の農工大マシンに関わっているようだ。技術の継承を感じる機体だ。

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東京工科大学も高専ロボコンの機構と似ている。一昨年の「輪花繚乱」で小山高専が採用していたものと原理は同じで、勢い良く広げた布で10枚ほどディスクをまとめて投げる。乗れば大量得点だ。スポットの上に乗った対戦相手のディスクをローラー射出で落とす「妨害」の練習をしていたのも印象的で、トリッキーなバトルが期待される。
 
以上、ざっくりではあるが、特徴別におおまかにマシンを紹介してみた。
他にも東京大学はきびきび動くマシンと統率の取れたチームの動作が、ベトナム大会の優勝校の金沢工業大学は去年のモデルからのアップデートを思わせる足回りと独特の射出フォームが興味深かった。オリジナリティの高い機構だったのは、千葉大学。(おそらく)唯一、ディスクを「下向き」に装填し、凸面を下にして射出してる。「色々やってみて、その方がディスクのばらつきに関係なく安定した」とのことだ。

そのほか、細部の工夫は挙げ始めるとキリがないが、以上の特徴をおさえておけば、明日の本戦をより楽しく観覧してもらえると思う。
現在、フィールドでは3巡目のテストラン中。「3、2、1、スタート!」の掛け声が、英語&ネイティブな発音になっている。ABUの期待も高まるところだ。
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NHK学生ロボコン2016 出場ロボット解剖計画
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