準決勝
第1試合
赤 東京大学
青 京都大学 ○1:44
25秒という圧倒的なタイムで勝ちを進めながら、勝利者コメントは「いやあ、普通です」と飄々としている東大と、確実なウーハイを達成しつつ「つぎの相手、東大さんですからね……」と控えめな京大。スムーズに行けば東大が勝利しそうに思うが、どうなるか?
準決勝からは、両チーム応援団からの応援メッセージが送られた。申し訳ないが報道席からはうまく聞き取れず、ここでのご紹介ができない……お許しいただきたい。
スタート! ロボコニストにはおなじみ、ロボテックコールだ!どちらも強そうな動きだが、やはり東大が速い。……しかし、MR2が山のふもとに着いたところで、東大にトラブル発生。MR1がシャガイの取り込み・発射をうまくできない様子だ。東大のMR1にトラブルが発生するのは大会中に初めてで、会場がどよめく。
その間に京大が追いつき、シャガイを投げた。シャガイの面が悪く、3個なげてようやく登頂権利「50点以上」を獲得! 1分44秒でウーハイを達成した。
敗退の瞬間、東大チームメンバーが崩れ落ちた。リーダーの中野さんは涙しているようにも見える。何があったのか?という質問に、MR1のプログラムを担当した木村さんは、シャガイが機体内でひっかかってしまったと語った。「プログラムで防げる問題だった、甘かった」力なく答える姿も、虚脱状態のようにも見える。
「東大は優勝するためのチームなんです、優勝しなくちゃ意味がないんです」
番狂わせ、と言ってもいいだろう。絶対王者を自負する東京大学の敗北宣言。何があるのかは、本当にわからないものなのだ。
第2試合
赤 早稲田大学 ○100
青 九州大学 100
早稲田の応援コメント「今日は(ロボコンの)”魔物” の存在を感じる。でも、早稲田は最高の機体が最高の制御で動く。魔物に打ち勝ってくれると信じています」
九州大学の応援コメント「練習通り、いつもどおり、焦らずにやってほしい」団長の掛け声に合わせて、応援チームの声援が上がった。
スタート! 早稲田のMR1は速いが、ゲルゲ受け渡しでリトライ。一方、速さはないが、その間、確実性で勝ってきた九州が差を詰める。しかし、九州は段差への、早稲田は2本目のロープへの不安がまだ解消されていないようだ。2台のMR2による、息を飲む一進一退の攻防。
試合開始から1分45秒、段差を超えたところで止まってしまった早稲田のマシンに、チームメンバーが焦りを見せた。メンバーの一人が走ってフィールドを離れたのだ。
早稲田メンバーの一人は、ピットまで何かを取りに行き、すぐに手で「✗」をつくりながら戻ってきた。その直後、早稲田チームはがっくり肩を落とし、フィールドから降りる。その間、九州は着実に歩を進めた。
3分が経過し、試合終了。九州の到達地点は早稲田と同じ……つまり早稲田と同点で試合が終わった。その場合、「最後の得点を先にとっていたチーム」が勝利。つまり試合としては早稲田が勝利だ。早稲田にとっては、予想外の結果だった様子。
試合後のインタビューで、早稲田は「MR2の軸が折れてしまった……」と語る。試合中の部品交換はできなかったが、ピットでの修理・調整することは可能とのこと。決勝までの時間で解決できる問題なのだろうか? ピットが慌ただしく動いていた。
九州大学は応援団のコメント通り「練習通り、いつも通り、焦らず」に、最後まで諦めずにトライを続けていた。勝敗を分けるラインも目の前にあったのだ。ベスト4おめでとう、お疲れ様でした!