ついに始まった、NHK学生ロボコン2019、5月26日は……暑い!!!
令和ちゃんの不慣れな気温設定のため、予想最高気温32℃となった本戦。モンスーン気候特有のじめっとした暑さも、ロボコン会場に入れば冷涼としたモンゴルの大平原になる。
11:00取材班入場
客席からも、始動までわずかとなったピットが見える。
仙台・工科大がピット試走エリアでシャガイ投げの調整。梱包箱のフタを壁代わりにしている。工科大のアメンボがすいすいと走行しているのが、なんとなく涼やかだ。
11:20入場開始
予定より10分繰り上げての開場。会場キャパは3000人ほどか? 事前ガイダンスで、ブラウザから応援に参加できるインタラクティブな配信コンテンツ「Cheer Player」の説明や、常連にはおなじみ、スタートコールの練習があった。
観客席からピットが見えるため、チーム応援団がちらほらピットの様子を見に来ている。作業が終わったピットクルーたちが階下から応じる様子もあり、楽しそう。
12:30 開会式
観客席が7割ほど埋まったところで、開会式が始まった。ロボコン応援団長・小島瑠璃子さんと司会・森田洋平NHKアナウンサーのコールで22校に順に入場。熊本大学のリーダー宮村直希さんが選手宣誓をした。ピットは最終調整を終え、あとは会場に入るのを待つのみの状況になっている。嵐の前の静けさ、リラックスしながらも、わずかな緊張感が漂っている。
予選1順目
Aグループ第1試合
赤:慶應義塾大学
青:九州大学 ○1:05
慶應義塾大学は、学生ロボコン初出場校。4本足のクモのようなMR2が目を引く。テストラン・審査では、速さはないものの確実な足運びで堅実な強さを見せていた。
九州大学のMR2は、どことなく2016年を思わせる挙動。テオ・ヤンセンを思わせる動きに、慶應と違った生物感がやどっている。チームの掛け声が勇ましい。
どこか緊張する、第1試合。両チームともに落ち着いた様子でセッティングをしている。どちらも30秒ほどで調整を終えていた。
スタート! 九州が一瞬早く出た。スムーズにゲルゲを受け渡し、MR2が始動。慶應はMR1を待たずにMR2が動き始めてしまい、リトライ。52秒ほどでシャガイ投げしてあっさり「馬」の面を出し、1分5秒でウーハイ! 初戦の緊張を感じさせない、落ち着いた動きで勝利を掴んだ。慶應はフライングのMR2がイイ動きをしていた。次戦に期待。
Bグループ第1試合
赤:大阪大学 100
青:三重大学 ○100
よく似た機構のMR2を持つ2校。
テストランではロープ越えでの転倒が目立っていた大阪大学。調整は間に合ったか? 三重大学は他チームよりもMR2が大きめに見える。交互に出す足が健気だ。
スタート! 三重、MR1が動かない! 大阪の手動MR1はスムーズに滑り出したが、ゲルゲ受け渡し前にリトライ。リトライしているうちに三重が再始動し、ゲルゲ受け渡し成功。その後の段差・ロープ越えが難しい様子だ。
似た機構のマシンが同じところで苦労している間に3分間が経過。同点となったが、ルール上の「最後の得点を先にとったチームが勝利」というルールに従い、三重が勝利。
Cグループ第1試合
赤:豊橋技術科学大学
青:京都大学 ○1:34
テストランで圧倒的な強さを見せながら審議でまさかのトラブル発生、シードを逃した豊橋と、MR2のロープ越えでつまずきながらも確実な動作を見せてシードを勝ち取った京都大学。
スタート! 豊橋……出た! 京都もしっかりと動いているが豊橋が「5秒」でゲルゲ受け渡し成功。しかしMR2がロープ越えでリトライ。その間に京都が50秒ほどで登頂し、1分34秒でウーハイ達成。京都大学がシードを掴んだ確実な動作で予選第一試合に強豪の豊橋を下した。
Dグループ第1試合
赤:九州職業能力開発大学校 70
青:東京工科大学 ○100
九州職業能力開発大学校のMR1は「チック」、MR2は「タック」。MR1のシャガイ投げは相手側フィールドの近くに落とすことを目指しているそう。
東京工科は『サイエンスゼロ』で紹介されたアメンボのようなMR2が特徴。センサによる自己位置判定をオミットし、シーケンシャルな歩行で踏破を目指す。テストランでは砂丘エリア(階段)とロープを越えるのに苦労している姿も見られた。
スタート! 両チームともスムーズな動き出し、スピード・確実性ともに同等の様子。さほど間は空かず、ゲルゲの受け渡しでリトライに入る。受け渡しに、先に成功したのは工科大。九州職能も追うが、スピードは工科大のほうが早い。
3分間の試合終了。点数で工科大が勝利となった。
Eグループ第1試合
赤:ものつくり大学 40
青:金沢工業大学 ○100
テストランに入る前、調整に時間がかかっていた様子のものつくり大学。金沢工業大学はテストランで、ゲルゲの受け渡し調整に追われていた。ウーハイ勝負になるか、得点勝負となるか?
スタート! MR1は金沢のほうが速い。しかしゲルゲの受け渡しがうまくいかず、ものつくり大学に追いつかれる。2分12秒、ものつくり大学が先にゲルゲの受け渡しに成功したが、直後に金沢が追い抜いた。足の速さで得点を進め、金沢工業が勝利。
Fグループ第1試合
赤:東京大学 ○1:05
青:京都工芸繊維大学
圧倒的な強さでシードを勝ち取った東京大学と、MR2をモンゴル伝統の「側対歩」で動かす京都工芸繊維大学。
スタート! 東大……はっや!!!! 京都工芸繊維はMR1が始動しない。その後再始動し、京都もゲルゲの受け渡しエリアまでは到達できたが、東大のウーハイに敗北した。
Gグループ第1試合
赤:東京農工大学 ○100
青:富山大学 70
ウサギのようなジャンプ機構で「なぜその方法に??」と聞きたくなる農工大。富山大のスムーズな走りは、独特の「なめらかオムニ」によるものだが、昔からあったものらしく、入手方法は不明とのこと。
農工大のMR1が開始直後にリトライ。一足早く富山のMR2が動き出すが、段差を前にリトライを繰り返している。その間に、スピードを遅くして確実にゲルゲを渡した農工大が、ぴょんぴょんMR2を始動!可愛らしい動きに会場が沸く。3分間の試合が終わり、段差を超えた農工大が得点で勝利。
Hグループ第1試合
赤:横浜国立大学 40
青:仙台高専名取 ○70
横浜国立大学のMR2は豊橋に似た「ロープくぐり」のマシン。くぐる際、ロープに引っかかるマシン上部の「おくり」機構は必見だ。
仙台高専は、MR1の動きが非常に「仙台っぽい」。MR2は6kgという軽さだ。
MR1のスピードは仙台が若干早いが、リトライ。リトライなしで横浜が20秒でゲルゲの受け渡しに成功するが、MR2の左足がうまく動いていない様子。MR2が動けないうちに、仙台のMR2が横浜を追い抜く。両者段差を超えられないまま3分が過ぎたが、段差手前のラインを超えていた仙台が得点で勝利。
横浜国立はマシン故障を思わせる様子だった。大丈夫か?