ロボコン

準決勝:NHK学生ロボコン2017

準決勝。準々決勝はすべてAPPARE!で勝敗が決まっている。ここからは最速APPARE!のトライアルになるか? 操縦者の練度やチーム全体の総合力が勝敗を分けるかもしれない。

8月27日に開催される「ABUロボコン2017」は、2009年以来の日本開催。ホスト国は参加枠が2校となるため、準決勝で勝利すれば、国際大会への切符が手に入る。どの学校が勝ってもおかしくない強豪揃いだ。

第1試合

青:東京大学、赤:大阪工業大学

決勝トーナメントでさすがの勝負強さをみせた東大(APPARE!達成タイム1分46秒)、セッティングタイムでは、細かくタイムを計測しながら、作業を行なっている。とても統率の取れた動きだ。大阪工業大学は現時点で負けなし、1分26秒というタイムでのAPPARE!を達成している。

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スタート、どちらも足が速い! ほぼ同時に装填を終え、10秒足らずで射出モーションに入った。射出機構が似ている。連射の速度もほぼ同じ、ディスクの精度も拮抗しており、熱い。あっという間にスポットが埋まっていく。

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連射が続くなか、大工大が先にディスクを打ち終わる(2分31秒)。その時点で点数が確定し、東京大学の勝利。空調の向きや割り振られたフィールドの得意・不得意によっても勝敗は変わっただろう。どちらの学校も「本当に強い」ということがよく分かるバトルだった。

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結果:東京大学10点、大阪工業大学5点。東京大学は8月27日に開催される、ABUロボコンへの出場権を手に入れた。

第2試合

青:東京農工大学、赤:東京工業大学

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APPARE!達成タイムは東工大に分があるが、農工大にはまとめ打ちでのスピード&点数力がある。非常に高度な、連射VSまとめ打ちマシンの戦いだ。

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スタート、農工大はディスクボール撃ちからまとめ撃ちをスムーズに決め、点数加算とスポット支配を同時に進める。が、とにかく東工大が早い! 農工大が派手なモーションで注目を集めている間に、ひとつひとつのスポットを制していく。気がつくとスポットが赤く染まっている光景には、凄みすら感じた。マシンの性能はもちろん、操縦者の練度が高いのか。

結果:東京工業大学APPARE!達成(1分14秒・自己ベスト)、農工大15点。

東工大がABUロボコンへの出場を決めた。敗退した農工大インタビューでの、チームリーダー・佐久間さんの姿が印象的だった。

 
ここまで様々な機構のマシンが出たが、印象的なのは「最強の機構」が決まっていないということ。それぞれの機構・開発方式でつくられたマシンはすべて完成度が高く、マシン同士の相性やチーム戦略も勝敗に影響する。少しの要素で勝敗が別れる。

象徴的だったのは、準決勝第2試合。手前のスポットにディスクを乗せた東工大が、そこに残るボール落下を狙わなかった瞬間だ。ボールを落とさなければ点数は加算されないが、農工大にとっては絶対に欲しい奥のスポットにあたる。農工大がボールを落とすと踏んで、東工大は他のスポットにディスクを乗せることを優先させたようだ。この一瞬の判断には「勝利への嗅覚」を感じた。

高専ロボコン2018解剖計画
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