ドローン

ドローンをFPV化したい人のための制作ガイド マイクロドローン入門その3

2019年現在、もはや「ドローンを自作する!」こと自体はそこまでハードルは高くありません。適切なパーツをチョイスして組み立てて、ちょこっとはんだ付けするだけで簡単に飛ぶ機体を作ることができます。そんなマイクロドローン入門の連載第3回は、いよいよFPV化を進めていきます。このFPVというのがマイクロドローンの醍醐味です。ただ、資格や免許のことだったり一定のハードルがあるのが注意点。ですが、これは絶対にチャレンジしてみてほしい!

私はこれといった趣味もない仕事人間だったのですが、この4年ほぼ毎日のようにFPVドローンに触れ、FPVドローンがきっかけで出会い、FPVドローンがきっかけで仕事にもつながっています。朝早起きして、ひとりで林の中で飛ばすこともしばしば。とりつかれたようにFPVしています。たぶん脳内でドバドバ幸せ物質が出ているのだと思います。こんな動画みて自分も飛ばしてみたいって思いませんか?さぁ、準備はOKですか?あなたもFPVの世界に入りましょう!

第2回:ドローンサクッと自作!1時間でできるドローン製作入門 マイクロドローン入門その2

FPVって何?

PCと簡易受信機でモニタリング可能なTiny View Plus

PCと簡易受信機でモニタリング可能なTiny View Plus

FPVとはFirst Person Viewの略であり、日本語にすると「一人称視点」です。FPV飛行という言い方をしますが、これはドローンに搭載したカメラの映像を無線電波で飛ばして、ゴーグルやモニターなどのディスプレイに映し出し、その映像をもとにドローンを操作することを指します。

今回はドローンにカメラとVTXという電波を発する機器を取り付けてゴーグルなどで映像を受信することで実現しますが、このFPVに関してはドローンでなくとも、カーラジコンにつけるのもありだし、飛行機につけたり、はたまた猫につけても新しい視点で見ることができて面白いかもしれませんね。

このときの注意点としては2種類の電波を使っているところで、2.4GHzで操作系、5.8GHzで映像系の情報を無線伝送しています。
図1

詳しい説明は後ほどしますが、映像とコントロールは別の電波を使っているとおぼえておきましょう。

FPV化に必要なもの

まずはカメラの映像を電波で飛ばすユニットもしくは別々の機器を組み合わせて実現します。今回はマイクロドローンに搭載する前提なのでこのあたりのユニットがおすすめです。

FPV用のカメラとVTX

TBS Unify Nano + TinyCam Combo
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写真を見ると赤黒白のケーブルが出ているのがわかりますが、この赤い線が電気の+、黒いのがーで、白い線が信号線です。電気機器なので、入力電圧が決まっていることがあるので電子工作が初めての人は注意が必要です。マイクロドローンに搭載する場合の入力電圧は、3.7V〜5Vであることが標準です。今回のマイクロドローン自体が1セルリポバッテリーを利用するものですから、4.2VがMAXなのでそのまま電源を基板からとれれば問題ありません。まずはこれを入手しましょう。

FPVゴーグル

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カメラの映像を電波で飛ばすユニットが手に入ったらそれを受信するためのゴーグルやモニターを用意する必要があります。ゴーグル派とモニター派がいますが、最近ではゴーグルを利用する人がほとんどです。TINY VIEW PLUSというアプリを使えばPCと簡易受信機3000円くらいでモニター環境を揃えることもできますのでおすすめです。

FPV飛行で操縦する上では今後のことも考えてまずはゴーグルからGETしましょう。値段に比例して機能も異なります。まずは安いものでもいいですが、余裕がある人は最初からいいのを購入してしまうのも良いでしょう。今回は松・竹・梅でおすすめを紹介しておきます。

梅:FATSHARK REKON V3
竹:SKYZONE SKY03
松:FATSHARK HDO + Furious FPV True-D X

この梅・竹の場合は内蔵モジュールタイプでアンテナも付属しているので買ってそのまま使えます。梅についてはバッテリも内蔵なのでUSBで充電できるし初心者にはとてもおすすめです。一万円代なのでまずはエントリモデルとしてもおすすめです。竹のゴーグルは日本人の顔にもフィットする映像品質も高いゴーグルで私も前バージョンは長いこと使っていました。松はハイエンドですが特徴としてモジュールを組み合わせて使うので、モジュールがソフトウェアアップデートすることで新しい機能を使ったりすることもできます。ドローンレースを本気でやっている人は、ほとんどがこの松のドローンを使っています。まずはフィーリングでエイヤッ!で決めてしまってください!

アマチュア無線とVTXの開局申請

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一番の難関がやってきました。前回の記事の最後に、「とりあえずアマチュア無線4級を取得してください!」と書きましたが、すでに取得されていますか?試験を受けて合格して免許が届くまで1ヶ月ほどかかるのでまだの方は早めに取得してしまいましょう。

では、ここからはこの無線資格取得の背景などをお伝えします。
日本の法律では、電波を発するものについては原則免状が必要となっています。この免許は運転免許とかの免許とは違って個人の資格とかライセンスではないです。あくまで「電波を発する機器」と運用する人(無線従事者)がセットになったものです。

原則免状が必要とありますが、普段私達の生活で電波を発するものは携帯電波や電子レンジや家やお店のWi-Fiなどさまざまあるけど特に免状とか意識したことはないですよね。これは利用する周波数によって一定の品質が担保できている製品は免状を取得する必要はないよと例外になっているからです。例えば家で使うWi-Fiルーターなど2.4Gの無線電波を使っていますが、技適取得されている製品であれば免許不要で開放されているISMバンドの製品だから、われわれがなにか免許などを意識して使う必要はないのです。この周波数帯が何に使われるのかは総務省によってあらかじめ割り当てられています。ラジオの周波数や携帯電話の周波数、ETCの周波数などすべて使っていいところが決まっているのです。

アマチュア無線4級の取得がFPVへの第一歩

さて、ここで話をFPVドローンに戻しますが、普段私達がFPVに利用している電波の周波数は、5705MHz(5.7GHz)や5800MHz(5.8GHz)です。この周波数帯を日本国内で運用するためには、アマチュア無線に開放されている帯域を使う必要が出てきます。そこで必要になるのが、前回にもご紹介した「アマチュア無線4級」です。3級でも1級でも良いですが、アマチュア無線であることに注意が必要です。業務用の無線となると割当帯域が異なってきますし、用途も異なるので、陸特3級などを持っている人でもアマチュア無線を取り直してくださいね。小学生3年生でも合格できるので日本語が読み書きできる人であれば受かります。落ちる人も中にはいるのですが、それはもうほんとに怠惰な人というか、準備不足な人だけです!(笑)Amazonなどで問題集を買って解いて、1度試験を受ければたいていの方は取得できますのでぜひチャレンジしてください。また巣鴨などでは2日間の講習に参加すれば誰でもとれる講座もあるので、ご自身のお好きな方法で取得していただくといいでしょう。私も巣鴨の講習でとりました。

・2日間の講習で取得可能なJARD養成課程講習会
https://www.jard.or.jp/yoseikatei/course/

総務省へ開局申請し無線機器の免状を取得する

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アマチュア無線4級を取得したら次のステップとして、総務省に無線機器の無線局の開局申請をおこなうことで免許状を取得することができるようになります。この開局申請の書類の中に、アマチュア無線4級の免許番号を記載する必要があります。開局申請の方法はちょっと複雑です。ここで説明するには文字数も足りないのでおすすめリンクを紹介します。私のブログでも紹介済ですが、ちょっと古いのでカタオカさんのブログを紹介します。こちらを参考に開局にこぎつけて見てください。

▶【ドローンFPV用】開局申請の手続きを世界一分かりやすく解説してみた。
https://microdrone-racers.com/kaikyoku-shinsei-guide/

さぁいざFPVへ!

「なんだよFPVとか免許とらないとできないのかよ・・・」
「買って搭載して終わりじゃないのかよ・・・」
「初心者がこんなん無理だよ・・・」

こんなふうに思う人多数だと思います。かなり長い道のりで、私もこうした記事を書くのは本当に申し訳ないというか、心苦しいのですが、どうか諦めないでください!私はこの開局になんと6ヶ月かかりました。当時は情報も少なく、私も控えめな性格だったので、開局してから手続きミスにより申請がおりずに悶々としていた日々を過去に過ごしたものです。しかし今は1ヶ月もあれば申請が降りる例も多く出ていますし、この記事読んで困ったとかあったらTwitterでメンションしていただければ(@yokota_a24)ヘルプしますのでぜひ頑張ってくださいね。

マイクロドローンのFPV化

さて、購入した機器をマイクロドローンに取り付けますが、これは本当に簡単。前回のフライトコントローラの+ー部分にカメラから出ている電源の赤と黒のケーブルを取り付けるだけです。白い線はOSDという機能のために使う線ですが、ここでは一旦は使わなくてもOKです。邪魔にならないようにケーブルをまとめたり切ったりして大丈夫です。
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この状態で電源をつければ映像電波が飛んでゴーグルに映像を映し出すことができるのですが、ここで一つ理解しておくことが「周波数を変える」ことです。昔アナログのテレビの頃は、テレビにダイヤルがあってチャンネルをガチャガチャ変えていたと思うんですが、あれと同じことをします。FPVの周波数は40chのうち、「Fバンドの1ch(5740MHz)を使う」みたいな言い方をします。今回は日本国内においてアマチュア無線で利用もOKな5740Mhz(F1)に変えましょう。チャンネルは映像送信側(VTX)と映像受信側(ゴーグル)どちらも同じチャンネルに合わせる必要がありますのでチャンネル変更して映像を映し出してみてください。

FPVを始めたいけど悶々としているあなたにおすすめのコミュニティ

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この記事を参考にやってみるとつまづいたり、質問したいシーンも出てくると思います。東京都内にアクセス可能な方ならぜひ一度訪れてほしいのは、WTWというコミュニティです。山手線駅近辺で毎週水曜日にドローン好きが集まるコミュニティで、うまい人も初心者も仕事帰りにビール片手に集まり話したり、ときには屋内でドローンを飛ばしたりする集団です。僕もタイミングがあえば参加しています。

最初はこういったコミュニティで仲間を増やしたり、疑問を解消するのがいいですね。みんな同じように困ってきた人たちなのでウェルカムだし親切な人ばかりです。参加費も安いのでぜひアクセスしてみてください。詳細情報はFacebookグループでおこなっているのでこちらをウォッチしてみてください。

《WTW》Wednesday Tokyo Whoopers
https://www.facebook.com/groups/131814910864463/

制作途中の人も、すでにできあがった人も、これからはじめようかと悩んでいる人も、一度こういったコミュニティに足を運んでみていただければと思います。私も不定期で「ドローンレース寺子屋」を開催しているので、もしも開催してほしい場合はTwitterまでDMくださいませ

さて、今回は完成したマイクロドローンのFPV化について見てきました。次回はFPV化したマイクロドローンを使って実際にマイクロドローンレースを楽しむための方法を紹介していきたいと思います。

※「Tech Web Motor」ではドローンでも使われているモータの進化と種類をわかりやすく解説!

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YOKOTA (@yokota_a24)

元プログラマ、通販システムやマーケティングシステムの開発に携わる。サラリーマンを卒業後、半年で50台以上のドローンを購入してしまう“droneholic”。2016年3月よりドローンレースを始め、圧倒的な練習量を武器に5月の世界大会日本予選で1位、2016年8月に開催されたGiGA Drone Racing World Masters 2016にて日本代表として世界戦に参戦(BEST16)。ドローンレースをより面白くするためにJDRA日本ドローンレース協会に参画し、新しいスポーツを創っている。