インタビュー / ドローン

ドローンを活用して末来を創る ドローンパイロット 堀内亜弥さんインタビューVol.2

ドローンの活用はさまざまな分野に広がりを見せています。映像の分野での新しい挑戦、プログラミングで操縦する自動航行の可能性など、人のイマジネーションによってさまざまなに応用ができるのがドローンの魅力です。
ドローンを活用しての撮影や、ドローンに関わるさまざまな事業を展開する株式会社FLIGHTSで、ドローンパイロットとして活躍する堀内亜弥さん(空撮事業部/DJIインストラクター)に、プロとしてドローンで映像を撮る難しさ、新しい映像への要求に応える難しさ、プログラミングでの活用方法などを、いろいろ伺ってみました。

堀内様Vol2-1

常に新しい課題が出てくる

──ドローンを使った仕事で成功した、と思った事例はありますか?
あまりないかもしれませんね。「これでよかったのか?もっと改善できたのではないか?」と思うことが毎回なので……。

──満足しないことの方が多い?
そうですね。「もう少しこうしておけばよかった」と思うことの方が多いですね。次に活かそうとしても、また、新しい課題が出てきます。現場によって状況が違うから当たり前なんですが、「もっと事前準備をやっていればもっとよい絵が撮れたのに」とか「もっと機体のメンテナンスをやっておけば」と思うことがいつもです。

──1回当たりの飛行時間は思ったより短いですよね。
1本のバッテリーでおよそ20分くらいです。でも、実際に撮影しているのは5分くらいしかありません。あとの時間は目的のところに飛ばして戻ってくるのにかかります。物が動いているとか、1回しか撮れない、バッテリーを交換している時間がないということがあるので、先にシミュレーションしてから撮るようにしています。
でも、私にはこの20分くらいのタイトの方が丁度いい。何時間もあると逆に集中力が持たないと思っています。20分はあっという間なのでその間にバタバタしながらもベストを尽くすのは私に向いている感じです。
バッテリーもたくさん持って行くのですが、テイクを重ねれば重ねるほど集中が切れて行くので、失敗が多くなります。なので、一発目でバシッと決める方がよいみたいです。

──テイクはどれくらい重ねるのですか?
撮影によってバラバラですが、テレビだとバッテリー5本くらい、スチールだと10本くらい飛ばします。

マイクロドローンの可能性

──ドローンで凄いと思う人はいますか?
女性でドローンレースをやっている人がいます。自分で組み立ててレースをするんです。私にはできないけれど、すごいなと思います。

──自分で組み立てるんですか?
パーツで購入して組み立てるドローンがあります。弊社も販売して行く予定です。

──面白そうですね。
女の子をマイクロドローンで撮った動画が流行ったことがあります。シネマレイさんによる「クリエイティブ・プロジェクト」というもので、女子高生の至近距離をタイニーフープ(Tiny Whoop)というちいさなマイクロドローンを飛ばして撮影した動画です。このドローンはもともとレース用のドローンで、カメラを改造して撮影でも使えるようなクオリティにして撮影したものです。

──組み立てるドローンも展開して行く?
人にギリギリまで近づいて飛ばしてくれないか、という依頼も多くなっています。ただ、今あるドローンでは危ないのでお断りしています。でも、マイクロドローンだとそれほど危なくもありませんから。

──マイクロドーンはパーツで購入して組み立てていくわけですね。
仕事で使うのならフルHDくらいのスペックは必要なので、そのようなカメラを積める必要があります。

──カメラも小さくなっているから可能ですね。ドローンを自分で組み立てる、というのは今後の主流になって行くのでしょうか?
ならないと思います。組み立てられたものが販売されるのではないかと思っています。その方が早いし安全です。

──室内の撮影の依頼は多いのですか?
多くなってきましたね。社内のイベントで飛ばして欲しい、という依頼もありました。今あるドローンでは安全を確保できないのと、人がいるところは極力、飛ばしてはいけないので、「こういう角度から撮りましょう」とこちらから提案させて頂いています。

ドローンをプログラミングする

──ドローンのプログラミングも増えてきましたね。
2018年平昌オリンピックでは1,218台超のドローンが飛びましたが、あれはどのように制御しているんだろう、と気になりますね。

──DJIのTelloはプログラミングができるドローンですよね。
Scratch(スクラッチ)のプログラミングはすごく簡単です。この間、初めて触ったのですが、画面で操作するだけでその通りに動いてくれます。他にもプログラミングができるツールは沢山ありますが、Scratchは簡単だと思います。直感的でわかりやすいです。

──子どもがTelloをScratchでプログラミングする、というところから始めるのはいいように思います。
とてもいいと思います。こういう仕組みで動いているんだ、というのがわかりやすい。
実はクライアントから子どもたちにScratchを教えて欲しい、と言われて自分で試してみたら意外とできた、という経験があります。スタートを押すと飛ぶから普通に感動しちゃいました。

──ドローンのプログラミング制御の活用法にはどのようなものがあるでしょうか?
いつになるかわかりませんが、宅配とか書類をドローンで運ぶ時代が来たらプログラミングが重要になってくるでしょうね。産業系にしても人の手ではなく、自動航行させた方が確実なデータが取れると思います。まだ、GPSの精度が低いので手動でないと難しいということはあると思いますが、精度が上がれば逆に人が関与しない方がよくなるでしょう。

──プログラミングしたドローンでの撮影はやっているのですか?
設定しておいてスタートを押したら勝手に撮って終わったら勝手に戻ってくる、という使い方はしています。それは弊社だけでなく、他のところもすでにやっていることだと思います。

──操縦できないとプログラミングできない?
操縦できなくてもプログラミングはできると思います。もちろん、自分で飛ばせてそのうえで「こんなことがやりたい」とプログラミングする人は強いと思います。自分の飛行テクニックをプログラミングするのは産業系では重要になると思います。

──デジタルカメラが広く浸透するのにかかった時間よりドローンが浸透する方が速いように思います。
DJIは2005年に中国で設立された企業ですが「中国製の製品は品質が悪い」と数年前まで言われていたのを考えると驚きですよね。日本のように100%完成してから商品としてリリースするのではなく、トライ&エラーで出してくる。出荷時にバグがあったりするけど、カスタマーの声を聞いて修正するサイクルが凄く速い。それは中国だからできることだと思います。DJIのシェア率が高いのは技術進歩が速いからだと思います。

──日本はどうしても完璧を求めますからね。
紙のマニュアルを見るのではなく、YouTubeの動画を見た方が確か。あの速さは逆に魅力になっていますよね。

夢は飛行機のパイロット

──堀内さんの夢を教えてください。
夢はドローンと関係なくて、飛行機のパイロットになることなんです。ドローンもそこからはじまったことなんですが、本当は大きな機体を操縦したい。

──夢は大きいですね。
ドローンでというと海外に進出したい、という夢もあります。今、自分が持っている技術で何ができるかはわかりませんが、東南アジアのようなこれから開発されている地域で高層ビルを撮るような仕事を1年以内で実現できたらいいなと考えています。東南アジアと言ったのは私が単に好きなだけです。

──女性パイロットも増えているように思います。
女性は多いです。好きなだけで飛ばしていない人もいますが。カメラと同じなのではないでしょうか。昔はラジコンをやっていた人がドローンを始める、というケースが多く、ドローンは珍しかったし、難しいものでした。でも、今のものは誰でも簡単に飛ばせて撮影できるので女性も気軽にできるようです。

──ただ、街でドローンを持っていることは見ないですね。
カメラのようにドローンを首から下げている人は見ませんけどね。インスタ映えする写真を撮るのにドローンを買う人は多くなるのではないでしょうか? 仕事で使うためには高価なものでないと役に立ちませんが、DJIのTelloだと気軽に購入できると思います。

堀内様Vol2-2

まだまだ広がるドローンの可能性

マイクロドローンでの新しい展開や、プログラミングによる自動航行など、近年、ドローンに新しい波が訪れているのを感じます。
撮影のためのドローンから産業での活用、そしてホビーへとさまざまに広がりを見せているドローン。
ドローンを活用したビジネスは日本だけにとどまりません。高い技術を持ったプロフェッショナルは海外でも活躍するでしょうね。

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大橋博之

インタビューライター・編集者・ディレクター。 インタビュー専門で執筆。 専門はwebメディア、未来、テクノロジー、ビジネス、カルチャー、クールジャパン界隈。最近は事例とか採用関係も。 書籍『Webライター入門』監修。 趣味は散歩・人物撮影。 カメラも使えるライターからドローンも使えるライターになるため、日々奮闘中。

https://www.garamon.jp.org

ゼロから作るライントレーサー