できること

話題の画面付きRaspberry Pi「reTerminal」でナビを作ろう!

第1回:reTerminalとGPSで自転車ナビ作り

こんにちは、ヨシケンです!

Raspberry Pi Computeモジュールに液晶画面が一体となった「reTerminal」というデバイスがあります。これは、ラズパイの様々な接続端子、5インチ液晶とボタン、センサなどが一体となっているもので、本格的なデバイスを作ることができます。今回はこの「reTerminal」にGPSモジュールを追加して、自転車などで使えるナビシステムを作りたいと思います。


[ RaspberryPiが入ったreTerminalでナビ作り]

今回の連載は4回を予定しており、以下のような流れでご紹介していく予定です。
第1回:「reTerminal」の紹介とラズパイ開発環境のセットアップ
第2回: reTerminalにセンサーを追加して計測、ビジュアル表示
第3回: GPSモジュールをセットして現在地を取得、表示
第4回: 各種センサとGPSを組み合わせて本格的なナビシステムの完成!

今回の記事の流れ

  1. reTerminalとは
  2. このデバイスを作るのに必要なものと機能、学べる事
  3. ラズパイの開発環境のセットアップ
  4. Node-REDを導入して、reTerminalを使用できるようにする
  5. まとめ

 

1. reTerminalとは

reTerminalとは、深センのSeeed社が提供する、Raspberry Pi Compute Moduleを内蔵し、5インチ液晶が付いたデバイスです。Raspbianがプリインストールされ、液晶のタッチパネルもあらかじめ使えるようになっているので、Raspberry Piの開発や新たなデバイスの作成を手軽に始められるデバイスになっています。

その他にもreTerminalにはあらかじめボタンや光センサ、加速度センサなどが内蔵されています。Seeed社のホームページから、ハードウェア、機能の概観はこのようになっています。
https://wiki.seeedstudio.com/reTerminal/

reTerminalには以下のような機能があらかじめ内蔵されています。

  • カスタマイズ可能なボタン × 4個
  • 5インチLCDディスプレイ
  • 光センサ
  • 加速度センサ
  • カスタマイズ可能なLED × 4個

その他にreTerminalの側面にはラズパイと同様の40ピンの端子が整備されているので、ラズパイで使用できるセンサ、デバイスなどを追加することができます。reTerminalのスペックを、他のラズパイ製品と比べると以下のようになっています。

ラズパイ・シリーズ Raspberry Pi Zero W
Raspberry Pi 4B
reTerminal (Raspberry Pi Compute Module)
チップ Broadcom 1 GHz Single core CPU Broadcom 1.5 GHz Quad core CPU (ARM v8) 64-bit SoC Broadcom 1.5 GHz Quad core CPU (ARM v8) 64-bit SoC
メモリ 512 MB RAM 2, 4 or 8 GB RAM 4 GB RAM
無線 Wifi 802.11 b/g/n Wifi
Bluetooth 4.1, BLE
Wifi 802.11 b/g/n/ac Wifi
Bluetooth 5.0, BLE
Wifi 802.11 b/g/n/ac
Bluetooth 5.0, BLE
ストレージ 無し(microSDメモリーカードスロット) 無し(microSDメモリーカードスロット) 32GB (Raspbianプリインストール)
ディスプレイ 無し 無し 5-inch 720 x 1280
LCDタッチパネル
センサ類 無し 無し 加速度センサ
光センサ
ブザー
ボタン x 4
LED x 4
入出力 Mini HDMI x 1
USB 2.0 x 2

Raspberry Pi標準40ピン
ミニカメラコネクタ
LANポート

Micro HDMI x 2
USB 3.0 x 2
USB 2.0 x 2
Raspberry Pi標準40ピン
カメラコネクタ
LANポート
オーディオジャック
Micro HDMI x 1
USB 2.0 x 2

Raspberry Pi標準40ピン
カメラコネクタ x 2
LANポート

大きさ ミニサイズのラズパイ(2021年に更に小さいPicoも発売) 最も標準的なRaspberry Pi ディスプレイとケース(横14cm 縦10cm 厚さ2cm)が一体
参考価格 1,500円程度 6,500円程度から 23,000円程度

 

2. このデバイスを作るのに必要なもの、機能と学べること

ここでは「reTerminal」に付いている液晶画面を活かして、そこにGPSモジュールを追加する事により、自転車などで使えるナビシステムを作っていきたいと思います。また「reTerminal」に元々付いている光センサや加速度センサは活かしつつ、温室度センサなども追加して、外の環境を計測、記録できるようにもします。

今回の自転車ナビを作るための部品は以下になります。
自転車ナビデバイスに必要なもの一覧

reTerminal

Seeed社が提供するRaspberry Pi Compute Moduleを使ったデバイス

 

GPS受信機キット(又はGrove GPS

 

温湿度センサ

赤外線を発しその反射光を測定して、光の強度や近接度を計測します。

 

モバイルバッテリ、外装、ケーブルなど

 

デバイスの機能と学べる事

今回の自転車ナビシステムでできることは以下のようなものがあります。また、今回の制作を通じて学べることも列挙してみます。

自転車ナビシステムの機能

  1. GPSにより位置情報、高度、時刻などを取得
  2. ラズパイ対応のナビアプリを導入し、地図上の位置、速度などを表示
  3. 温室度センサにより外気の情報を取得、表示
  4. 5インチ液晶画面に、現在地、速度、移動方向などを表示するナビゲーション機能

この制作により学べること

  1. reTerminalの使い方、reTerminalに内蔵されたセンサなどの使い方
  2. reTerminalに温室度センサなどの追加方法、計測の仕方
  3. ラズパイとGPSの連携、開発方法
  4. ラズパイでのナビシステム(Navit)の使い方
  5. 液晶画面にナビアプリの作り方、開発方法

 

3. reTerminalのラズパイ開発環境のセットアップ

それではさっそく「reTerminal」を使ったもの作りの準備をしていきましょう。「reTerminal」は左側面のUSB Type-Cの電源から給電します。Type-Cケーブルをつないで電源を入れます。外部ディスプレイにつなぐためにはMicro HDMIケーブルで接続します。

「reTerminal」の電源を入れると、既にRaspberry PiのOSがインストール済みなので、画面にRaspbianが立ち上がります。電源を入れてすぐ使い始められるのでとても手軽です。「reTerminal」に直接キーボードやマウスを接続して使い始めるか、リモート接続して最初のセットアップを進めます。ここでは「reTerminal」のセットアップ・ウィザードに従って、言語設定などの基本的なセットアップをおこないます。


Wi-Fiの接続情報や、Raspi-ConfigからカメラやI2Cなどのインターフェースの接続も可能にしておきます。


「reTerminal」では最初からリモートのセキュア接続(SSH)も可能になっているので、外部のパソコンのコンソールを使ってリモート接続できるようにもなっています。

 

4. Node-REDを導入して「reTerminal」を使用できるようにする

さて、Raspberry Piとして使えるようになったら、今回の開発に必要なツールを入れておきます。ここでは、ブロック・プログラミングのNode-REDというアプリケーションを使って簡単な開発をしてみます。ラズパイのコンソールから以下のコマンドを入力すると、Node-REDのインストールをすることができます。

bash <(curl -sL https://raw.githubusercontent.com/node-red/linux-installers/master/deb/update-nodejs-and-nodered)

Node-REDがインストールできたら、RaspberryPiの スタートメニュー > プログラミング からNode-REDを選ぶか、コンソールからnode-red-startと実行します。

その後、ブラウザを開いて、http://[RaspberryPiホスト名].local:1880 と入力してアクセスします。そうすると右図の様なウェルカム画面が立ち上がります。

Node-REDが立ち上がったら、Dashboardという画面を作る追加ノードも入れておきます。右側のメニューからパレットというのを開いて、そこにdashboardと入れて追加します。

最後に、自動でNode-Redが立ち上がるようにしておきます。以下のコマンドからRaspberry Pi起動時に自動でNode-REDが実行されるようになります。

セットアップの最後に、Node-REDからreTerminalのセンサやボタンなどを使用できるノードもあるので、それを導入します。reTerminalにあらかじめ付いている、光センサ、加速度センサ、LED、ボタンを使用することができるようになります。

Node-Red上のパレットを開いて、reterminalと検索すると出てくるreTerminal向けのノードを追加します。

これが追加されるとNode-Redの左側にreTerminal用のノードが出てきます。Light(明度近接センサ)やAccelerometer (加速度センサ)が使えるようになっています。

これで「reTerminal」を使ったものづくりの準備ができました。

 

5. まとめ

今回の連載では、RaspberryPi Compute Moduleが入った「reTerminal」を使ったものづくりを紹介していきます。第1回となる今回は、「reTerminal」の紹介とラズパイ開発環境のセットアップ、そしてブロック・プログラミングのNode-REDというアプリケーションの導入まで終わりましたので、これで「reTermnal」を使った電子工作の準備が整いました。

「reTerminal」は、始めからラズパイがインストールされており、タッチスクリーンも使えるようになっているので、電源を入れてすぐ使い始められる手軽さがあります。

RaspberryPi Compute Moduleですから、パフォーマンス的にも申し分なく、センサなどを追加するインターフェースもしっかり整備されています。しかも光センサや加速度センサ、ボタンなども始めから付いているので、開発環境にはうってつけです。

今回は、ここにGPSモジュールを追加することで、自転車などで使えるナビシステムを作っていきたいと思います。次回以降センサやプログラミングを追加して、実際に画面を活かしたデバイス作りを始めていきたいと思います。

お楽しみに!

普通の会社に勤めるサラリーマンですが、モノ作りが好きな週末メイカーで、電子書籍MESHBOOKを出したり、ブログを書いたりしています!

http://blog.ktrips.net

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