縄跳び計測デバイスで、目指せ運動不足解消!
こんにちは、ヨシケンです!
室内で過ごす時間が増える中、いろいろな運動不足を解消するアイテムを作っています。今回紹介するのは、自宅でも手軽にできる運動器具「縄跳び」をデジタル化し、IoTにしてみたいと思います。小型のラズパイゼロとロームのセンサを活用し、モチベーションを上げる仕組みなども作って、楽しく運動できるようにしていきたいと思います!
今回の記事の流れ
1. 縄跳びをデジタル化
突然ですが、縄跳びは実はとても効率的な運動だと思っています。運動強度の尺度であるメッツ(安静時の運動量を1メッツとして、その何倍に相当するかの単位)で比較すると、縄跳びは8.8−10.0メッツで、ジョギングの8メッツを超える運動量になります。
例えば体重60kgの人が30分(毎分100回ほど)縄跳びをすると(*1の式参照)カロリ消費は270kcalほどで、5kmをジョギングしたのとほぼ同じカロリになります。しかも縄跳びはあまり場所も取らず、雨が降っていても室内でも手軽にできるので、とても効率的な運動と言えるのではないでしょうか?
(*1 消費カロリー(kcal) = メッツ * 体重kg * 運動時間 * 1.05)
ちょっと前置きが長くなりましたが、そんな縄跳びをIoTの力で便利で楽しくしてできるようにしてみたいと思います。これまでの連載でも活躍してくれたロームのセンサメダルを使えば、様々なことが計測できます。これにラズパイを組み合わせることで、楽しみながらおこなえるような機能も付けていきたいと思います。
縄跳びに関して、センサで測れることと、便利になることをいくつか挙げてみました。
2縄跳びした時の消費カロリ計測時間と加速度センサ値からカロリを計算3これまでの累計回数や運動時間運動をGoogle Driveに自動保存4縄跳びをするためのモチベーションある一定以上跳んだらLINEに結果を送ったり、跳ぶ回数をゴールに設定
No. | やりたいこと | 使えるセンサ、機能など |
1 | 縄跳びの回数をカウント | 加速度センサの値から計測、カウント |
加速度などを計測するために、小型でBLE接続ができるロームのセンサメダル(SensorMedal-EVK-002)を使用します。センサメダルには以下のような向きで加速度を計測できるセンサ (KX126-1063)が内蔵されているので、それを使ってx、y、z軸方向の加速度を測定し、縄跳びの回数や跳び方をチェックしてみたいと思います。
2. 縄跳びデバイスを作るのに必要なもの
縄跳びデバイスを作るにあたり必要なものを列挙します。今回は縄跳びに付けて計測するセンサメダルと、それを受けて回数などを表示するラズパイゼロがあります。またそれ以外にラズパイ4に大きめの液晶を付けて、楽しく継続的に縄跳びができるようなディスプレイ・デバイスもあります。
縄跳び部分:
■ 縄跳びジャンプロープ
なんでも構いませんが、持ち手が太く長めのものが工作しやすいです。
■ ロームセンサメダル(SensorMedal-EVK-002)
6個のセンサを搭載した BLE によるワイヤレス通信機能を使ったセンサ評価キット
■ ラズパイ・ゼロ(Raspberry Pi Zero W)
小型のラズベリーパイ
■ 超大型4桁LED表示キット 又は、4文字LEDハット
■ LiPoバッテリ(860mAh)
充電式の小型バッテリ
液晶表示部分:
■ ラズパイ4(Raspberry Pi 4Model B)
フルサイズ、4GBメモリのラズベリーパイ
■ 液晶ディスプレイ 3.5インチ液晶 又は、7インチ液晶ディスプレイ
■ モバイルバッテリと外装部品を百均などで調達
このような部品を揃えて、縄跳びデバイスを作っていきます。
3. 縄跳びデバイスの機能と学べること
縄跳びデバイスは回数をカウントする縄跳び部分と、結果を出したり、面白い表示をしたりする液晶部分があります。それでできる機能を並べます。
縄跳び部分:
- 縄跳び部分にBLE接続のセンサメダルを設置
- センサメダルの加速度センサにより跳んだ回数をカウント
- センサ情報をRaspberry Pi ZeroにBLE転送
- 4桁LEDに跳んだ回数など表示
液晶表示部分:
- ラズパイ側で、センサ情報から跳んだ回数、時間、回数を元にしたカロリ、移動距離などを計算
- ラズパイと接続された液晶画面に各種情報を表示
- 縄跳び履歴をGoogle Driveに保存、これまで跳んだ時間、回数、距離などを保持
- 接続したLINEトークに達成度合いを送信し、モチベアップ
- 跳んだ回数、距離により、東海道五十三次走破など長く続けて健康向上に役立つ面白い仕組み付き
センサメダルの基本的な使い方は、こちらのローム資料にまとまっています。BLE経由でラズパイと接続するbluepyというライブラリも「ラズパイとセンサで作る「快適空間自動生成装置」第2回」を見て導入しておいてください。
また、センサメダルのためのGithub(http://github.com/bokunimowakaru/SensorMedal2)にある便利なプログラムを使用させてもらっています。ダウンロードして適用してみてください。これによりセンサメダルから、加速度(x軸、y軸、z軸)と歩数を取得することができます。
このデバイスを作ることによってセンサ、ハードウェアに関して学べるのは、以下のようなことです。
学べる事
- BLEを使ったラズパイとの無線接続
- 加速度センサから縄跳び回数をカウント
- 7セグメントLEDの表示方法
- Google Driveにデータをアップロード
- LINE Messaging APIとの接続、投稿方法
- ラズパイのデスクトップ・アプリの作り方
4. まとめ
今回の連載では運動不足を解消するために、縄跳びをデジタル化するデバイスを作っていきます。意外と場所を取らず運動ができて効率的な縄跳びを、楽しく継続的に続けられる仕組みをIoTを使って実現しようと思います。
跳んだ回数を計測するため加速度センサや、跳び方などを捕捉も紹介していきます。継続的に続けるために、その結果をGoogle Driveに保存してチェックしたり、LINEに送ったりしてモチベーションをキープできるようにし、運動不足解消に役立つデバイスを目指します。
次回からは実際にこの「縄跳びデバイス」の制作に取り掛かっていきたいと思います。お楽しみに!
今回の連載の流れ
第1回:縄跳び計測デバイスで、目指せ運動不足解消!(今回)
第2回:センサメダルで縄跳びの回数を計測し表示させる
第3回:Google Driveと連携して縄跳び結果を保存・チェック
第4回:デバイスにディスプレイを付けてモチベーションアップ!