決勝!の前に、エキシビション
おそらく最もハデな、熊本540本弾幕マシン。
そして神戸のデスウォール機。
スタート。……!! 熊本、1回の射出で8個割り! そして神戸のデス・ウォールマシンは、12秒で敵陣を落とす。これはアツいエキシビション。一瞬のできごとだったが、会場は大いに盛り上がった(が、もしかすると、決勝の両校のインターバルが減ることになるかもしれない)。
決勝は、石川高専vs北九州高専
両校シードではなく、この決勝では5戦目ということになる。
構造的に、故障の心配が少なそうなのは北九州だろうか。露出しているメカも少ない。
一方、長く固いアーム、独自のリンク機構を備えた石川カニマシンの状態が気になるところだ。……と思ったが、石川はスタンバイエリアにいち早くスタンバイしている。むしろ北九州の方が遅れてポジションについた。さらにギリギリまでマシンを触っていたようにも見えるが、果たして。
16:48。
いよいよ決勝戦。30年目のフラッグを持ち帰るのは、石川か、北九州か。
ひときわ派手な呼び込み。これまでの最大の音量。会場全員の目が、メンバー6人に集まる。
セッティング。どちらもやや慌てているようにも見える。
その間、応援団の声。北九州の10年ぶり優勝にかける思いが告げられた。
スタート。
中央でぶつかる。抜け出してリードしたのは、北九州。石川も一瞬遅れて敵陣へ。防御、攻撃。防御、攻撃。ギリギリのポジション取り。押し合い、アームを少しでも風船に近づけようとする必死さ。
50秒。決めたのは、北九州だった。柔らかいアームを振り回しながら、じりじりとポジションを取り、ひとつひとつ割っていった。北九州、優勝。
終了時のポジションを見ると、両陣ともに北九州が良い位置を取っていた。トルクか角度かはわからないが、これまで北九州は押し合いで良いポジションを取り続けたように思う。ここが勝敗のキモだったのかもしれない。
フィールドに散らばる金銀テープは、いつもの「終わった……」の風景。その傍らの石川カニマシンが、両腕を広げた状態で止まっている。けして「お手上げ」ではなく、力強いガッツポーズだろう。破れはしても、誇れる姿であると、記者には見える。もちろん、その他のチーム、また全国に届かなかった各地区大会の出場者も同じだ。全てのロボットと出場者に、デバプラ編集部は心からの、大きな拍手を送りたい。
各賞
・優勝:北九州高専
・準優勝:石川高専
・特別賞(ホンダ) : 大分高専
・特別賞(マブチモーター) : 小山高専
・特別賞(安川電機) : 都城高専
・特別賞(東京エレクトロン) : 熊本高専(熊本キャンパス)
・特別賞(田中貴金属) : 神戸市立高専
・特別賞(ローム) : 福島高専
・アイデア倒れ賞 : 長岡高専B
・アイデア賞 : 熊本高専(熊本キャンパス)
・技術賞 : 奈良高専
・デザイン賞 : 小山高専
・ロボコン大賞 : 大分高専
ロボコン大賞は、初となる大分高専。その、イノベーションと言ってもいいアイデアとデザイン力、そして実現力が評価された。
以上で、30年を迎えた、記念すべき高専ロボコンが終了した。
編集部ではこの後も、いくつかの記事を用意している。しばしお待ちいただきたい。
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