ロボコン / 高専ロボコン2016

高専ロボコン2016全国大会 デバプラ的振り返りと記事まとめ

既報のように、2016年11月20(日)に行われた高専ロボコン2016は、

ロボコン大賞:奈良高専 Δ(デルタ)
優勝:香川高専・高松キャンパス 八機八構(ハッキヤコウ)

……という結果となった。

奈良はブロック8段、320cmという大会最高の記録を打ち立て、文句なしのロボコン大賞。しかし、準決勝の大分戦で回路トラブルが起きてしまい、おそらくメンバーとしては、「無念」という言葉では済まされない敗戦となった。外野は「国技館の魔物」という口上を安易に使いたくなってしまうが、エンジニアには似つかわしくない言葉かもしれない。とは言えいずれにせよ、この出来事をきっかけに、奈良はより一層強いチームになるに違いない。

奈良が叩き出した320cmは大会最高記録

奈良が叩き出した320cmは大会最高記録

大分と決勝を戦った香川高松の最高到達点は、6段240cm。そしてこの大会を通じた平均到達点も240cm。これは恐るべき結果と言っていいだろう。毎試合、パーフェクトに課題をクリアしたのだ。この確実性、再現性。

大会を通じて安定していた香川高松

大会を通じて安定していた香川高松

上位に進出したチームは、総じて「最下段にブロックを差し込んでいく砦構築」というスタイルが多かった。大枠としてはこれが合理的、と思える。未だ低い段階で砦完成を確定させ、それから時間が許す限り記録を伸ばしていくことができる。しかし、「砦はより下のブロックが広くなくてはいけない」というルールに触れてしまうチームがあり、その点の難しさもあったようだ。高さを求めると、どうしてもその広さ、必要な段差がシビアになる。もっとも、5段一気積み上げ型の富山本郷もこの憂き目にあっており、その機構というより、「単に高さを求めたときのリスク」かもしれない。

明石に敗れた大分。ルールに抵触したことで敗退となった。(その後ワイルドカードで復活)

明石に敗れた大分。ルールに抵触したことで敗退となった。(その後ワイルドカードで復活)

ただし細部を見れば、各校とも独自の工夫を凝らし、それぞれ違う形でスピードと正確性を追い求めたことが分かる。この技術的な部分の詳細は、海の渡り機構なども含め、「解剖計画」でフォローするつもりだ。

優勝した香川高松は、シンボルを最後に置く、上積み型。おそらくその高さにターゲットをしぼり、テストランと調整を繰り返し、確実性を高めたのだろう。しかし、積み上げロボの最高到達点以上は、どうやっても積めない仕組みだ。ハナから上限が決まってしまっている。この点だけを切り取れば、「優勝するにはポテンシャルが足りない」とも言える。しかししかし、結果は述べている通り。先日のABUロボコン2016(Chai-Yo)でも、最速チームが勝てたわけではない。高専ロボコンを勝ち負けの競技として捉えた場合、確実性や再現性と、マックスの性能とのバランスという要素も大きなテーマであることを、改めて教えてもらった。

高専ロボコンのひとつの要素である「アイデア」という点では、今年も大いに楽しませてもらった。前述の富山本郷のように、砦を一気に立ち上げるスタイル(そしてその「お習字」!)もあり、海の渡りでまさかのステージ枠を使う徳山の発想もあり、都城のブランコあり、「トランスフォーム」する仙台名取、船の車輪を掴んで操作する産技荒川……と、キリがない。

富山本郷のお習字は会場を沸かせた

富山本郷のお習字は会場を沸かせた

一方で、外装や見た目のデザインという意味では、比較的シンプルなものが多かったと思う。これも厳しい重量制限との戦いからだろうか、学生ロボコンのロボットのような、フレームが目立つ機体のチームが多かった。そんな中でひときわ人気を集めたのは、木更津の伊能忠敬マシン。嘘か誠か、外装の重量のために、必要なアクチュエータを外したという噂も聞こえてきた。その徹底ぶりと、実際に会場を沸かせたことに拍手を送りたい。「手」型のブロック把持機構で見る者を楽しませようとした鳥羽商船もその心意気を買いたい。さらには、金沢の鼓門シンボル。今大会の白眉とも言える美しさだったと、記者は考えている。

アイデア倒れ賞の木更津

アイデア倒れ賞の木更津

そして改めて言うまでもないが、全国大会に出場したチームはもちろん、地区大会からの参加者も、それぞれに「フロンティアスピリッツ」を発揮したことと思う。この記事では目立ったロボットを取り上げてしまったが、その全てのエンジニア魂に、デバプラは拍手を送りたい。そして、これからも、ぜひ応援させていただきたい。

アイデア対決・全国高等専門学校ロボットコンテスト2016全国大会 デバプラ記事まとめ

高専ロボコン2016全国大会 〜 今年ももちろんゴリゴリの速報実施!
競技の内容を改めて。

高専ロボコン2016全国大会 テストラン速報
前日の練習風景。

高専ロボコン2016:出場校紹介
今回はオール緑バック。

高専ロボコン2016:試合結果速報
シンプルに試合結果を掲載。

高専ロボコン2016全国大会 1回戦速報
各校のアイデアの塊が檜舞台に。

高専ロボコン2016全国大会 2回戦速報
シード校が舞台を支配。

高専ロボコン2016全国大会 準々決勝速報
ワイルドカードで大分が復帰。

高専ロボコン2016全国大会 準決勝速報
奈良、敗れる。

高専ロボコン2016全国大会 決勝!速報 香川高専・高松キャンパスvs大分高専
ラスト!と思いきや……。

◆ ◆ ◆

地上波での放送予定は12月23日(金・祝)午前10時05分~11時50分 総合テレビ。

 

そして2017年、高専ロボコンは30年を迎える

高専ロボコンは30年の節目ということで、色々な企画が考えられているようだ。こちらも併せ、注目していきたい。

第1弾 「ROBOCON 30th」お祝いロボット

30年のお祝いロボットを制作し「ROBOCON 30th」のロゴを描くというもの。
作ったロボットがロゴを描く様子を映像に収め、PRムービーを制作し、応募する。競技課題の制約が無い上、なんと、現役高専生だけではなく「誰でも」参加できるとのこと。

第2弾 アニメとコラボ

鉄腕アトムのエピソードゼロを描く「アトム ザ・ビギニング」が、NHK総合テレビで2017年春に放送決定。
劇中に登場するロボット“A106”(エーテンシックス)が、「ROBOCON 30th」のロゴを描くムービも公開中。
http://www3.nhk.or.jp/d-station/episode/atom/6468/

さらに、ニコニコ超会議にロボコンが参戦

2017年4月29・30日に千葉・幕張で開催される「ニコニコ超会議2017」にロボコンが初参加。
企画展示や体験コーナーなどが予定されているようだが、詳細は追って発表されるとのことなので、続報を待ちたい。

■ROBOCON 30th特設サイト
http://www.official-robocon.com/robocon30/

 

高専ロボコン2015 出場ロボット解剖計画
Device Plus 編集部

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