ロボコン

決勝!東京大学×東京工業大学:NHK学生ロボコン2017

泣いても笑っても最後の1戦。予選7位と予選8位の2校による頂上対決だ。
東大は試合を重ねるごとにマシンが「練れて」きているのを感じる。東工大はここにきて、練習でも出なかった最短タイムでのAPPARE!を成功させた。両校とも、戦いながら強くなってるようだ。これは「勝てる」チームの特徴かもしれない。

決勝に備え、両チームマシンの調整に入っている。その間に客席では、ロボコン30周年を記念して「ROBOCON30」のロゴを描く、「お祝いロボット」の募集ムービーが紹介された。美しいもの、可愛らしいもの、「成功…なのか…?」と思わせる笑いをさそうものなど、多彩なお祝いロボットの動画が会場を沸かせた。
また、奈良高専による縄跳びロボットのギネス記録樹立が発表されたことが発表され、会場全員から「おめでと~~~」の声が上がった。縄跳びロボットの上に乗ったペンギンが絶妙に薄汚れているのが、とても愛おしい。

決勝

東大チームコメントはチームクルーへの感謝。「マシンとメンバーを練習通りに動かせるのが俺の役目だ!とか言って、あんまり動かなくてごめんなさい」とのこと。統率がとれたチームのリーダーらしい。コメントじたいはユルめだが、勝ち慣れたチームの底力を感じた。応援チームからは「何度も失敗を重ねて、いまここに立っています。勝ってください!」とのこと。士気は高いが気負いがない。さすが。

東工大チームコメントは「ここまで来られただけで嬉しい。せっかく来られたのだから優勝して帰りたい」。応援チームコメントは「ここまで来たのは奇跡だよ! でももう一度奇跡をおこして、優勝してほしい。マキニスタ(東工大チーム名)の優勝回数を「0」から「1」にしてください」東工大、実は優勝経験がないのだ。互角の戦いでは、勝利経験の有無が勝敗を決することもある。どうなるか。

セッティング

両校落ち着いて始まる。東大は3人でディスク選定、3人でマシンチェック。東工大は4人がマシンチェック、2人がディスクの準備をしている。

スタート!

青:東京大学、赤:東京工業大学

final-01

両者いいスタート。相変わらず東大の動きが速い! すぐに装填を終え、12秒で射出モーションに入った。東工大は20秒で射出を始める。打ち合いが続くが、意外なまでに両者「のらない」。

final-02

開始から1分を過ぎ、東大がディスクの再装填をしているあいだに東京工業大学が手を進める。精度の高い射出で確実にスポットを埋めていく。

final-03

東大が再装填を終えたときには、東工大のAPPARE!が目前に迫っていた。東工大にとっては東大の再装填が大きなアドバンテージとなったようだ。スポット支配をすすめていた東工大が、そのままAPPARE!を決めた。

final-04

結果:東工大APPARE!達成(1分51秒)、東京大学5点。東京工業大学が優勝。おめでとう! デバプラプレス席の東工大OB、日下部さんが仕事を完全に忘れて男泣きしている(よかったね)。

東工大優勝コメントは、「我々は東京工業大学です。東京大学に【工業】の二文字がついています!」。
東大コメントは、「いつも通りにやった結果です。…東工大さんの【工業】の二文字に負けました!」。

表彰式

試合終了の興奮も覚めやらぬ中、表彰式へ。優勝・準優勝のほか、ランキングにこだわらず素晴らしいロボットをつくった学校に、各種特別賞が贈られた。

優勝
東京工業大学「Maquinista」

準優勝
東京大学「RoboTech」

アイデア賞
東京農工大学「R.U.R」
丸めたディスクでボールを落とす発想とまとめ打ちによる大量得点で会場を盛り上げた。

技術賞
京都工芸繊維大学「ForteFibre」
正確な射出能力を実現した技術力が高く評価された。

デザイン賞
工学院大学「KRP」
機能美を追求したフォルムと高い連射機能で最短APPARE!を達成した。

特別賞:パナソニック システムソリューションズ ジャパン株式会社
東京工科大学「プロジェクトR」

特別賞:トヨタ自動車株式会社
大阪大学「Robohan」

特別賞:マブチモーター株式会社
首都大学東京「TEXNITIS」

特別賞:株式会社ナガセ
東京農工大学「R.U.R」

特別賞:ローム株式会社
京都工芸繊維大学「ForteFibre」

特別賞:NOK株式会社
長岡技術科学大学「ロボNUT」

 
こうして、NHK学生ロボコンはフィナーレを迎えた。会場の全員が感じていたことだろうが、全出場校、そしてチームメンバー全員が、まさにアッパレな戦いを見せてくれたと、記者も思う。毎度ながらやはり今回も、全力で拍手を送りたい。

地上波での放送は、7月17日。そして8月27日は、海外の代表を迎え、ABUロボコンがここ日本・大田区総合体育館で開催される。事前の情報では、相当に速いタイムでのAPPARE!を決めている国もあるようだ。東工大、東大には、ぜひ強豪たちとがっぷり四つの戦いを見せて欲しい。それまで編集部・記者一同、もうしばらくこのアツさの只中にいようと思う。

高専ロボコン2015 出場ロボット解剖計画
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